不器用は、才能だ。

千田琢哉『集中力を磨くと、人生に何が起こるのか?』セレクション

UPDATE 2020.09.18
公開日 2016.07.11

自分が不器用であることを気にしている人は本当に多い。
不器用な人というのは、手先が不器用だとか、もの憶えが悪いだとか、
気が利かないなど、いろいろな欠点がある。
ところが、じっくり人間観察をしていると次の事実が浮き彫りになってくる。

不器用というのは、
選ばれた人間のみが持つ才能なのだ。

これは決して、あなたを安心させるために私が適当にでっち上げた話ではない。
私がこれまで出逢ってきた3000人を超えるエグゼクティブたちは、
どんなに少なく見積もっても、過半数は不器用な人間だった。
不器用でサラリーマンがとてもつとまらず、
仕方なく起業してお金持ちになったという人も複数いた。
就活で軒並み落とされ、仕方なく知人のベンチャー(実質は零細企業)に潜り込み、
その会社で経営手腕を発揮して
IPO(株式公開)で膨大な資産を築いた人も複数いた。
文字通り手先が不器用で、親の跡を継いで職人になることができなかったからと、
反対に職人を雇うことを考えて、大企業に発展させた社長もいた。
何を隠そう、私自身も筋金入りの不器用人間を自負している。
しかし、出逢った成功者たちが揃いも揃って不器用だったから、

私はむしろ、不器用であることを
誇りに思っていたくらいだ。

そして今なら一点の曇りもなく、不器用は才能であると確信している。
不器用な人間が成功しやすい理由は、簡単だ。
人はたいてい才能のトータル点数が同じくらいに配分されて、
この世に送り出されていると考えるとわかりやすい。
何でも器用にそつなくこなすタイプの人は、
80点レベルの才能が100の分野に均等に配分され、
トータルでは80点×100分野=8000点ということだ。
これに対して不器用なタイプの人は、
99の分野で0点でも、1つの分野で8000点がまるごと配分されているから、
トータルでは8000点×1分野=8000点となる。
どちらが上でどちらが下という話ではない。
前者は秀才、後者は天才を目指せばいい。
もしあなたが不器用なら、自分の中に眠る8000点の才能を見つけ、
一点突破で孤高の天才を目指せばいい。
苦手分野は、ウジャウジャいる秀才の連中に代行してもらえばいいのだ。

千田 琢哉 (せんだ たくや)

文筆家。 愛知県犬山市生まれ、岐阜県各務原市育ち。 東北大学教育学部教育学科卒。 日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。 コンサルティング会社では、多くの業種業界における大型プロジェクトのリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。 のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって 得た事実とそこで培った知恵を活かし、 “タブーへの挑戦で、次代を創る”をミッションとして執筆活動を行っている。

■E-mail
info@senda-takuya.com

■ホームページ
http://www.senda-takuya.com/

作品紹介

集中力を磨くと、人生に何が起こるのか?
「成功する人」が持っている目標実現のスキル52

20代、30代のカリスマ千田琢哉が大手損保勤務、経営コンサルタント時代、ビジネスエリート3300人に学んだ「集中力」の磨き方。
定価:1,200円+税/学研プラス

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