両親が忙しかったこともあり、小さいころから、12歳離れた兄がいつもぼくの面倒を見てくれていました。
もちろん舞台でのこともたくさん教えてくれましたが、厳しかったなぁ(笑)。
ある日の舞踊中、少しふざけていたぼくに兄はマジギレしました。
「1円でもお金をもらって舞台に立ったらプロ。それなのにふざけて舞台に立つとはどういうことだ。明日から出なくていい!」
そう言って兄は怒り、ぼくは本当に舞台に立たせてもらえませんでした。
最初は、きっと何日かすれば「出てもいいよ」と言ってくれると思っていたのに、まったく言ってくれない。
そして1週間が経ち、ぼくは兄に謝り、舞台に出させてもらうのですが……。
そのときのぼくの年齢、わかりますか?
5歳ですよ、5歳。
そのくらい兄は、子どものぼくにも厳しかったのです。
でもそのおかげで、今のぼくがいるのも確か。
あのときたった1週間でも舞台に立てなかったおかげで、どれだけ舞台が好きかわかりましたし、1円でもお金をもらったらプロであるという考えが身につきました。
一人さんは笑いながらこの話を聞き、「純弥さんらしいな」と言ったあとに、「プロ意識を持つって大事なことだよ。仕事もそうだけど、プロ意識を持つのと持たないのとではすごい差がつくよ。純弥さんはきっと、純さんが小さなころからプロ意識を持つことを勉強させたかったのかもしれないね。もしかしたら、純さんの才能にいち早く気がついていたのは純弥さんなのかもしれない」
そう一人さんが言ってくれたとき、兄のすごさをまた1つ知りました。
(※この連載は、【水・金】更新、全7回配信予定です。次回は8月3日10:00頃配信予定です。)
二代目 恋川 純 (にだいめ こいかわ じゅん)
物心がついたときから舞台に立ち、9歳で副座長となる。2007年に二代目として「恋川純」を襲名し、2014年に座長に就任。芝居では二枚目から三枚目、舞踊では古典からコンテンポラリーまで幅広いレパートリーを持つオールマイティな役者。
■公式ホームページ
http://koikawagekidan.com
斎藤 一人 (さいとう ひとり)
実業家。「銀座まるかん」(日本漢方研究所)創業者。1993年以来、12年連続で全国高額納税者番付(総合)10位以内にただ1人ランクインし、2003年には、累計納税額で日本一になり注目される。著書多数。『神様に喜ばれる人とお金のレッスン』(高津りえ共著)、『斎藤一人 大開運 人生を楽しむ仕組み』(千葉純一共著)、『斎藤一人 成功の花を咲かせなさい』『斎藤一人 神様にかわいがられる豊かで幸せな生き方』(宇野信行共著/以上学研)などがある。
●さいとうひとり公式ブログ
https://ameblo.jp/saitou-hitori-official/
作品紹介
全国累積納税額日本一の大実業家・斎藤一人直伝「運命の受け入れ方と、魂の育て方」。◆一人さん書き下ろし「運命カード」付き!
定価:本体1,300円+税/学研プラス
バックナンバー
- [二代目 恋川純 ~運命~]⑦見えないパワーに感謝すること
- [二代目 恋川純 ~運命~]⑤神様が教えてくれた自分らしさ
- [二代目 恋川純 ~運命~]④超えられない父の演技
- [二代目 恋川純 ~運命~]③父と母を選んで生まれてきたわけ
- [二代目 恋川純 ~運命~]②舞台で感じた不思議な縁
- [二代目 恋川純 ~運命~]①運命は変えられる