あの手この手を尽くしても、どうしても仕事に集中できないことがある。
その場合は、周囲を見回して、次のことを確認してみよう。
あなたの近くに、嫌いな人間はいないだろうか。
もしあなたの近くに嫌いな人間がいれば、それが本当の原因だ。
それでは仕事に集中できるはずがない。
無意識のうちにパフォーマンスが低下して、
あなたはどんどん自分の仕事に集中できなくなる。
上司が嫌いな人は、
上司がすぐ傍にいると仕事に集中できないはずだ。
同僚が嫌いな人は、
同僚と隣同士になると仕事に集中できないはずだ。
これを避けるためには席を変えてもらうか、部署異動を願い出るしかない。
どちらも困難な方法だが、それだけの価値はある。
実際に私のサラリーマン時代には、自ら異動届を出した同僚が大勢いた。
上司とそりが合わない、同僚とそりが合わないというのがその理由だが、
彼ら彼女らのその後を追跡調査してみると、幸せになっている人が圧倒的に多い。
しかも、嫌いな人から離れるのは、早ければ早いほどいいようだ。
彼ら彼女らは異口同音に、
「もっと早くこうしておけば良かった」と漏らしていたからである。
これは、サラリーマンに限らない。
自宅で仕事をしていて夫婦のそりが合わないなら、ぜひ別居してみる価値はある。
別居して独りになってみると、驚くほど仕事に集中できるはずだ。
共同経営のベンチャーで、代表取締役が複数存在する会社は仲違いが多いが、
この場合もあなたがさっさと抜け出すか、
あるいは他の代表取締役連中を追い出すか、決断することだ。
嫌いな連中と一緒にいて、
仕事に集中などできるはずがないからである。
自分が集中できないのを嫌いな人のせいにするのは、
何だか逃げているような気がするかもしれないが、そうではない。
嫌いな人が原因で仕事に集中できないとわかっているのに、
いつまでもそこから離れる決断をしようとしない自分のせいなのだ。
人間の“好き嫌い”という感情をなめてはいけない。
好き嫌いの感情は、時代によってコロコロ変わる善悪の問題を遥かに超越した、
人間の本能なのだから。
千田 琢哉 (せんだ たくや)
文筆家。 愛知県犬山市生まれ、岐阜県各務原市育ち。 東北大学教育学部教育学科卒。 日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。 コンサルティング会社では、多くの業種業界における大型プロジェクトのリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。 のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって 得た事実とそこで培った知恵を活かし、 “タブーへの挑戦で、次代を創る”をミッションとして執筆活動を行っている。
■E-mail
info@senda-takuya.com
■ホームページ
http://www.senda-takuya.com/
作品紹介
集中力を磨くと、人生に何が起こるのか?
「成功する人」が持っている目標実現のスキル52
20代、30代のカリスマ千田琢哉が大手損保勤務、経営コンサルタント時代、ビジネスエリート3300人に学んだ「集中力」の磨き方。
定価:1,200円+税/学研プラス
バックナンバー
- 相手の欠点に目が行くのは、 知的怠惰である。
- 仲間外れにされたら、 「今いるグループから卒業しなさい」の合図。
- 自分で自分の作品を ボツにしない。
- 「あっという間に 時間が過ぎ去ったこと」は 何だったのかを思い出す。
- ナルシストは、 長期的な成功の必要条件。
- 不器用は、才能だ。
- 他人と競争すると散漫になり、 自分と競争すると集中できる。
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