自分が不器用であることを気にしている人は本当に多い。
不器用な人というのは、手先が不器用だとか、もの憶えが悪いだとか、
気が利かないなど、いろいろな欠点がある。
ところが、じっくり人間観察をしていると次の事実が浮き彫りになってくる。
不器用というのは、
選ばれた人間のみが持つ才能なのだ。
これは決して、あなたを安心させるために私が適当にでっち上げた話ではない。
私がこれまで出逢ってきた3000人を超えるエグゼクティブたちは、
どんなに少なく見積もっても、過半数は不器用な人間だった。
不器用でサラリーマンがとてもつとまらず、
仕方なく起業してお金持ちになったという人も複数いた。
就活で軒並み落とされ、仕方なく知人のベンチャー(実質は零細企業)に潜り込み、
その会社で経営手腕を発揮して
IPO(株式公開)で膨大な資産を築いた人も複数いた。
文字通り手先が不器用で、親の跡を継いで職人になることができなかったからと、
反対に職人を雇うことを考えて、大企業に発展させた社長もいた。
何を隠そう、私自身も筋金入りの不器用人間を自負している。
しかし、出逢った成功者たちが揃いも揃って不器用だったから、
私はむしろ、不器用であることを
誇りに思っていたくらいだ。
そして今なら一点の曇りもなく、不器用は才能であると確信している。
不器用な人間が成功しやすい理由は、簡単だ。
人はたいてい才能のトータル点数が同じくらいに配分されて、
この世に送り出されていると考えるとわかりやすい。
何でも器用にそつなくこなすタイプの人は、
80点レベルの才能が100の分野に均等に配分され、
トータルでは80点×100分野=8000点ということだ。
これに対して不器用なタイプの人は、
99の分野で0点でも、1つの分野で8000点がまるごと配分されているから、
トータルでは8000点×1分野=8000点となる。
どちらが上でどちらが下という話ではない。
前者は秀才、後者は天才を目指せばいい。
もしあなたが不器用なら、自分の中に眠る8000点の才能を見つけ、
一点突破で孤高の天才を目指せばいい。
苦手分野は、ウジャウジャいる秀才の連中に代行してもらえばいいのだ。
千田 琢哉 (せんだ たくや)
文筆家。 愛知県犬山市生まれ、岐阜県各務原市育ち。 東北大学教育学部教育学科卒。 日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。 コンサルティング会社では、多くの業種業界における大型プロジェクトのリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。 のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって 得た事実とそこで培った知恵を活かし、 “タブーへの挑戦で、次代を創る”をミッションとして執筆活動を行っている。
■E-mail
info@senda-takuya.com
■ホームページ
http://www.senda-takuya.com/
作品紹介
集中力を磨くと、人生に何が起こるのか?
「成功する人」が持っている目標実現のスキル52
20代、30代のカリスマ千田琢哉が大手損保勤務、経営コンサルタント時代、ビジネスエリート3300人に学んだ「集中力」の磨き方。
定価:1,200円+税/学研プラス
バックナンバー
- 相手の欠点に目が行くのは、 知的怠惰である。
- 仲間外れにされたら、 「今いるグループから卒業しなさい」の合図。
- 自分で自分の作品を ボツにしない。
- 嫌いな人が近くにいると、 集中できない。
- 「あっという間に 時間が過ぎ去ったこと」は 何だったのかを思い出す。
- ナルシストは、 長期的な成功の必要条件。
- 他人と競争すると散漫になり、 自分と競争すると集中できる。
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