世の中には夜が元気な人は多い。
だから夜がいくら元気でも、珍しくも何ともないから差がつかない。
差がつくのは朝が強い人だ。
朝は元気な人が少ないから、朝から元気な人はそれだけで際立つ。
そして一流の人は、例外なく朝から元気だ。
一流の人と出逢いたければ、朝から元気でいないことには
その他大勢と同じく、通りすがりの関係で終わってしまう。
一流の人は、朝が元気な人をいつも探しているのだ。
だからたとえ若輩者でも朝が元気な人を見つけると、
「見所があるじゃないか」と評価されることになる。
私はこれまで3000人以上のエグゼクティブたちと仕事をしてきたが、
彼らに好かれるために、
朝は多少無理をしてでも元気なふりをしていたくらいだ。
朝から元気なふりを演じていると、彼らエグゼクティブは
「朝から元気だねぇ~」と嬉しそうな顔をして話しかけてきたものだ。
エグゼクティブたちの
「朝から元気だね~」は最高の褒め言葉であり、
「君はこっち側の人間だね」という意味が込められている。
特に元気な現役オーナー経営者たちはほぼ全員、朝がおそろしく早く、
まだ外が薄暗いうちから早朝の打ち合わせを好んでしたものだ。
早朝の打ち合わせをオーナーと二人きりでさせてもらえるようになることこそ、
コンサルとして相手に認められた証だった。
何を隠そう、この早朝の打ち合わせで決めた内容こそがオーナーの本音であり、
そのまま全社経営に反映されてしまうのだった。
朝6時台から打ち合わせをすることは日常茶飯事であったため、
宿泊先のホテルの朝食も「朝6時半から」では間に合わず、
キャンセルしてそのまま顧問先に向かった。
そしていかにも何時間も前からとっくに起きていたように見せるため、
必ず朝はやや熱めのシャワーを浴びて、あらかじめ冷蔵庫に入れておいた
キリリと冷えた目薬をしてから出かけた。
浴室でたっぷり蒸気を吸い込んでいるうちに、
寝起きの声も次第に張りが出てくる。
整髪料で頭に艶を出し、目もパチリと開いているから、
どこからどう見ても朝から元気で健康に見えたことだろう。
千田 琢哉 (せんだ たくや)
文筆家。 愛知県犬山市生まれ、岐阜県各務原市育ち。 東北大学教育学部教育学科卒。 日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。 コンサルティング会社では、多くの業種業界における大型プロジェクトのリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。 のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって 得た事実とそこで培った知恵を活かし、 “タブーへの挑戦で、次代を創る”をミッションとして執筆活動を行っている。
■E-mail
info@senda-takuya.com
■ホームページ
http://www.senda-takuya.com/
作品紹介
人生の勝負は、朝で決まる。
「結果を出す人」が続けている52の朝の習慣
20代のカリスマ・千田琢哉が大手損保勤務、経営コンサルタント時代にビジネスエリート3300人から学び取った「朝の戦略」。
定価:本体1,200円+税/学研プラス
バックナンバー
- 「おはようございます」は、 100%自分から 発信すると決めておく。
- 夜惚れても朝冷めるが、 朝惚れたら夜は冷めない。
- 朝の出逢いは、 一生の付き合いになる。
- 徹夜は自己満足のため。 朝勉は自己実現のため。
- 出社時間は、人生の集大成だ。
- 寝室の換気で、 睡眠の深さは変わる。
- あなたの目覚めが悪いのは、 嫌いなことをやって生きているから。
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