すれ違う人は、二度と会わない可能性があります。
知らない人より、もっとすごい関係です。
すれ違いざまの会話こそが、大切です。
会話は、目的があるとイヤらしくなります。
「この人と話したほうが利益になる」「誰かを紹介してもらえる」「いいことがある」ということを期待した会話は、下心が相手にバレて、印象を悪くします。
そもそも、会話の中に利害を持ち込んではいけないのです。
つい利害を持ち込んでしまうのは、意識して、嫌われないように、得になるようにしようと考えるからです。
すれ違いざまの挨拶ができない人は、短い会話が苦手です。
たった1秒でも、会話はできます。
「こんにちは」も「どうもありがとうございます」も、1秒です。
1秒の会話をしているかどうかで、大きな差になるのです。
山登りをしている人は、知らない人同士で「こんにちは」と挨拶します。
山登りは疲れます。
挨拶のメリットは、「こんにちは」と言うことで元気が出ることです。
「知らない人と話して、ややこしいことになりたくない」と思って返事をしないと、疲れがたまっていきます。
「こんにちは」に「こんにちは」で返すと、両方が元気になります。
黙っている人間に、みんなの疲れがたまっていくことになるのです。
山登りでは、必ず下りの人から「こんにちは」と言います。
下りの人は、頂上に登ってテンションが上がっているので、とてつもなくいい人になっています。
登りの人はまだ頂上に行っていないので、テンションが上がりきっていません。
すれ違いざまの挨拶で、テンションの高い人からテンションとエネルギーを受け取れるのです。
会話は、ただの情報のやりとりではありません。
会話は、エネルギーのやりとりです。
会話の量が増えれば増えるほど、受け取れるエネルギーが大きくなるのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
好調の「うまくいくシリーズ」第6弾。「会話力のない人」は、モテないし、成功しない。話方を変えると、生き方が変わり、仕事も、恋愛も、人間関係もうまくいく。会話力をつけることでチャンスをつかむ、55の方法を紹介する。
定価:本体1,200円+税/学研プラス
バックナンバー
- 赤ちゃんは、自分の主張をする。 子どもは、自分の説明をする。 大人は、相手の利益を話す。
- 会話は、毒にも薬にもなる。
- 会話は、しりとりだ。
- 質問会話より、想像会話をする。
- 間接表現に、気づく。
- 「大ほめ」より、 「チョイほめ」が喜ばれる。
- 自分からするのが、挨拶だ。 先にされて返すのは、挨拶ではなく、返事だ。
- 「今日も、きれいだね」より、 「今日は、きれいだね」と言う人がモテる。