フレームからはみ出してもいい! 子どもの魅力をあらためて知る本
私がおすすめする1冊は、アラーキーこと荒木経惟さんの『さっちん』です。僕はカメラが趣味で『パパとママのためのにっこり写真のレッスン』(ヨシモトブックス)という本も出しています。子どもを持つと写真を撮る機会も増えますが、『さっちん』を読むとますます自分自身の子どもの写真が撮りたくなります。というか子どもが欲しくなる!!
さっちん
荒木経惟・著
新潮社
『さっちん』に出てくるのは昭和30年代のガキ大将、さっちん。これがまた昔ながらの小学生で弟を連れて団地を駆け巡ってるんです。僕が特に心を動かされたのは、このさっちんが全然フレームに収まってないところ。はみ出しまくってる。荒木さんは「枠から(フレームから)はみ出てもいい!」って断言しました。子どもははみ出るくらいがちょうどいいと。この言葉は、僕の教育にもだいぶ影響しています。だから僕も子どもを撮るときは「ハイチーズ」ってかしこまったものではなく、もっと自然で子どもらしくわんぱくな感じで撮影するように心がけています。
カメラを始めた20歳の頃に出会った作品ですが、今でも時折ひっぱり出しては眺めています。カメラを始めた人には必ずオススメする1冊です。もし猫好きなら荒木さんが愛猫チロを撮った『愛しのチロ』もいいですよ! ちなみに僕も猫4匹飼ってます~。
COWCOW 善し(かうかう よし)
1974年10月19日生まれ。大阪府枚方市出身。お笑いコンビCOWCOWのツッコミ担当。日常において当たり前の事柄を体操にした「あたりまえ体操」が大人気となり、テレビや舞台を中心に活躍中。
ハイハイからバイバイまで
ー 田島のおばあちゃんとぼくのヘンテコな二人暮らし ー
山田 善し・著
ワニパブリッシング
「これは、僕がハイハイした頃におばあと会っておばあとバイバイするまでのお話しです。でもこの『バイバイ』は永遠の別れというより、『おばあちゃんまた来るね!』っていつでも会える昔の感じ。特に奇想天外なことが起こるわけではありませんが、情景や感情を丁寧に掘り起こして書いたので、何か自分自身の思い出とすり合わせるように読んでくれたらいいなと思っています。自分のおばあちゃんにまた会いたくなったと言われると本当に嬉しいですね」