「映画に出てみない?」嘘泣きを武器にするあざとかわいい系の女子、凛子に誘われ、映画主演をつとめることになった中2男子、波瑠。個性豊かな映像研究会のメンバーとの撮影にまきこまれ――。
▲萩森じあ氏による美しい装画。
あらすじ
「男なんだから、そんなに泣くなって。恥ずかしいだろ」
何気なく男友だちにそう声をかけた、中2男子の波瑠(はる)。
その言葉をきいていた同じクラスの女子たちから、
放課後に「ちょっとひいちゃった」と噂されていたのを立ち聞きしてしまう。
そんな時、クラスメイトで学校の映像研究会の看板女優、凛子(りこ)が、たまたま嘘泣きをしている場面に遭遇。
かわいらしい雰囲気の凛子だが、問題解決に「女の涙」を使う、実はあざとい性格だった。
波瑠は、凛子からいま映研で作っている映画の主役として出演しないかと誘われて……。
【プロローグ引用】
泣いている子どもを見ればかわいそうだと思うし、
かわいい女子が涙をこぼせばどうかしたのかとつい心配してしまう。
じゃあ、男子の涙は?
「豊川くんも、泣いてみようよ」
嘘泣きの女王はそう言って、おれにむかってにこりと笑った。
多才な作家 神戸遥真氏 × 大人気イラストレーター 萩森じあ氏
執筆は、「恋ポテ」シリーズ(講談社)、『笹森くんのスカート』(講談社)、「ぼくのまつり縫い」シリーズ(偕成社)など、あらゆるジャンルで活躍されている神戸遥真氏。
中学2年生の主人公波瑠と、看板女優の凛子の視点から「涙とは…」、さらには「当たり前とは…」を掘り下げていきます。
主人公波瑠と凛子はもちろん、個性豊かな映像研究会のメンバーや、ふたりを取り巻くおとなたちとの人間関係や成長の変化が、軽やかに、かつ丁寧にえがかれています。
装画、挿し絵は、ミュージックビデオ用イラストなどで大人気の萩森じあさん。触れると壊れそうな思春期の繊細さ、なにものにも染まっていない透明さが巧みにえがかれています。
また、カバーイラストの凛子の瞳と涙が印象的に描かれています。
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【神戸遥真氏 プロフィール】
千葉県生まれの小説家。「恋ポテ」シリーズで第45回日本児童文芸家協会賞、『笹森くんのスカート』(以上講談社)で、令和5年度児童福祉文化賞を受賞。第21回千葉市芸術文化新人賞奨励賞を受賞。「ぼくのまつり縫い」シリーズ(偕成社)など著書多数。
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【萩森じあ氏 プロフィール】
兵庫県出身のイラストレーター。繊細なタッチを得意とし、透明感や憂いを帯びた”学生”をよく描く。書籍表紙やミュージックビデオ用のイラスト、ポスターイラストなどさまざまなジャンルを手掛けている。その他、展示会やアートイベントへの出展など幅広い活動を行っている。
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好評レビューも続々!
●「嘘泣きが上手な女子と、男は泣かないんだと思い込んでいる主人公の物語。
演技をしていくなかで、自分のなかで整理され気づくさまざまな感情。そこから出てくる言葉は、嘘泣きの本質にもせまっていく。そのさまが、面白い。
どこか架空の世界のように思いながら読んでいくと、目の前で繰り広げられているかのような現実味のなかにいつのまにか引き込まれている。」
●「性別なんて関係ないよ、という著者からのメッセージが、男らしくあらねば、女らしくあらねば、と思っている人に届いたらいいなと思った。
演技や撮影など、中学の映像研究会での様子がとても興味深かった。」
●「意味もなく泣きたくなりました。
人前で泣くことは恥ずかしいと思っていたけど、この本を読むとそんな想いはどこかに飛んでいく。
恋愛物になりすぎない、甘すぎない、そんな作品なので男女問わず読んで欲しい。
神戸さんの作品大好きです。あとがきに込められた想いも読後胸にくる。」
●「〈泣く〉とは何だろう。それはどこからやってきて、誰に向かっていくのだろう。
演技が中心となる映画という仮想の世界。家族の人間関係が中心となる現実の世界。ひと月の間、二つの世界を旅してきた豊川波瑠と星野凛子。
そんな2人とその家族に、飾らず偽りもしないでいい、本当の幸せが訪れることを願う。」
※ネットギャリーより引用。
編集部からのメッセージ
世の中には、「それが当然」、「これがふつう」とされる考えがあったりします。でもその「当然」や「ふつう」の根拠は、とても曖昧だったり、ふわっとしていたり……。
本書は、あらゆる世代の方にそういったふわっとしたものの根本を考えてほしく思い、中学生以上向けとして編集しています。
今まさしくティーンな読者はもちろん、かつてティーンだった読者にも、涙をめぐる青春ストーリーを楽しんでいただけたら、そして、ちょっとだけ世の中の当たり前を見つめなおすきっかけになれたなら幸いです。
商品の紹介
■書名:『嘘泣き女王のクランクアップ』
■著:神戸遥真
■絵:萩森じあ
■発行:Gakken
■発売日:2024年11月7日
■定価:1,760円(税込)
【電子版】
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