「おいでおいで」でみんなが集まる…うれしい気持ちを大切にとりあげた絵本

『改訳新版 おさかなちゃんの おいでおいで』

更新日 2022.02.02
公開日 2022.02.01
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ベルギー発、世界25言語以上に翻訳され、世界中でこどもたちにくりかえしせがまれている「ちっちゃな おさかなちゃん」のシリーズ。改訳新版で絵も文も構成もパワーアップして登場!

『改訳新版 おさかなちゃんの おいでおいで』書影

 ちっちゃな おさかなちゃん、
 かくれんぼ したいんだって。
 おいでおいで したら
 み~んな くるかな? (『改訳新版 おさかなちゃんの おいでおいで』より)

『ちっちゃな おさかなちゃん』の絵本は、黒ベースの海に、あざやか色をした海の仲間たちが映える、0~3歳の定番人気シリーズ。2014年のスタートからちょうど8年がすぎた2022年1月、シリーズの中でも人気巻である『おさかなちゃんの おいでおいで』の改訳新版が発売されました。

物語

 ぷく ぷく  ぷく…
 ひろ~い ひろ~い
 うみの なかの おはなしです。

「最初の見開きページ」紙面

▲最初の見開きページ。カラフルな泡に、こども大喜び!

 すいす~い

 ちっちゃな おさかなちゃんが およいできました。
「おさかなちゃんね、かくれんぼ するの!」

「黒い海に 白いおさかなちゃんとあざやかな地面が映える」紙面

▲黒い海に、白いおさかなちゃんとあざやかな地面が映える。

「ひろ~い ひろ~い…」と想像の海へいざなう、始まりの1文は、このシリーズの全巻共通にする予定。「おいでおいで」の巻には、今回の改訳新版で追加されました。

 広い広い海の中でのびのびと泳ぎまわる、主人公のおさかなちゃん。
 ちいさな白い姿に、こどもたちは自分を重ねます。

 続いて、ページをめくると…

 あ! ぐるりんぐです。
「おいでおいで。かくれんぼ しよ!」

 ぐるり~ん ぐっ

「最初に出会ったぐるりんぐ」紙面

▲最初に出会ったぐるりんぐのページ

 あ! とげっぴと とげっぽです。
「おいでおいで。かくれんぼ しよ!」

 とげっ とげっ

「とげっぴ」紙面

▲次に出会ったとげっぴ、とげっぽのページ

 海の仲間とかくれんぼをしたいおさかなちゃん。
 次々に新しい相手をみつけては「おいでおいで」と声をかけていきます。
 仲間たちは、カタツムリやウニ(!?)に似た姿をしていて、とってもユニーク。
「ぐるりんぐ」や「とげっぴ」「とげっぽ」などのラブリーなネーミングは、おさかなちゃん流(日本語版オリジナル!)です。

 おさかなちゃんの「おいでおいで。かくれんぼしよ!」のお誘いに対して「いいよ~」のお返事は、それぞれ「ぐるり~ん ぐっ」だったり、「とげっ」「とげっ」だったり。
 ページをめくるたびに、どんな仲間が現れて、どんな返事をしてくれるのかワクワク!

「きょろろん」紙面

▲なぞの姿をした(!?)きょろろんのページ

「ぴぴんたち」紙面

▲エビに似たぴぴんたちが登場するページ

 あざやか色の海の仲間たちに合わせて、場面全体の色イメージも黄色→赤→緑→ピンク…と、ページをめくるごとにはっきり変わっていきます。
 これは、改訳新版でのくふう。原作や日本語旧版は、地面や海草など、色とりどりのカラフルな背景でした。
 各場面の色調をそろえたことにより、まだ文字を読めない幼いこどもでも、登場する仲間の雰囲気を場面の「色」のイメージから感じとり、物語を心で理解しているみたい…!?
 絵本を見る際にありがちな、あっちこっちを見ておはなしをきかない、視線が定まらない…ということが減り、「主人公のおさかなちゃんや、誘う相手をじ~っとみています!」「集中して物語に耳を傾けています!」「おさかなちゃんや海の仲間をぱっと指さしました!」など、うれしい反応の声が続々寄せられています。

 改訳新版ではさらに、読み手のことを考えた細かいくふうが。
 読み聞かせはまだ不慣れだったり、あまり得意でない…という、初心者ママパパにも親しんでいただけるように、誌面では、気持ちをこめて読んでほしい言葉を「デカ字」や「オノマトペ(擬音・擬態語)」で表しています。オノマトペは、1文字1文字を絵を描くように配置し、どんなテンションで読みたいか、自然に思い浮かべられるビジュアルになっています。
 ページ内の文や言葉を読む順番についても、目に入った順に読み進めるだけで、なんだか楽しい感じに! こどもの反応をみるうち、だんだんと、読み聞かせが楽しくなってきます。

「仲間がせいぞろい」紙面

▲「おいでおいで」した仲間がせいぞろいしたページ

 さて、後半のページでは…、
「おいでおいで」でたくさんの仲間が集まって、おさかなちゃん、大満足。
 カラフルな仲間たちがせいぞろいしているので、ひとりひとりを指でおさえたり、にこにこする子もいることでしょう。
 出会う仲間の数が、ページをめくるごとに1、2、3…と増えていくのも、気づくとおもしろいポイント。数に興味がめばえる年齢になったら、「次のページはいくつかな~?」とあてっこするのも楽しい!

 呼ぶ側も呼ばれる側もワクワクする「おいでおいで」の言葉、シンプルなくりかえしと、色や数のお楽しみ。
 親子でおはなしの絵本を読み始めるきっかけとして、おすすめしたい1冊です。

「ラストのページ」紙面

▲ラストのページでは、いよいよかくれんぼが始まります。

商品の紹介

『改訳新版 おさかなちゃんの おいでおいで』書影

■書名:『改訳新版 おさかなちゃんの おいでおいで』
■作・絵:ヒド・ファン・へネヒテン 翻案:古藤ゆず
■発行:学研プラス
■発売日:2022年1月13日
■定価: 990円(税込)

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同時発売

■書名:『改訳新版 おさかなちゃんの ばいば~い』

『改訳新版 おさかなちゃんの ばいば~い』書影

『改訳新版 おさかなちゃんの ばいば~い』紙面

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