社会科は暗記することが多くて、苦手なお子さまも多い科目です。お子さまを社会科好きにするためには、幼いころから社会のしくみや身の回りの出来事、ニュースに興味を持たせて、好奇心や探求心を育てることが大切です。
そこで今回は、お子さまが社会科を好きになり、楽しく学ぶためにご家庭で取り組める働きかけやきっかけ作りについてご紹介します。
小学校の社会科は何を学ぶの?
小学校の社会科の授業では、いったい何を学ぶのでしょうか。
・小学校1~2年
「社会」ではなく「生活」という教科で、理科的な内容とともに、学校生活や家庭生活、自分たちが住む街のことなど、身近な生活のしくみやきまりについて学びます。
・小学校3~4年
3年生から「社会」の授業がスタートします。自分たちが住む市区町村の成り立ちや地理、産業について学びます。さらに、電気や水道などの公共サービスのしくみ、都道府県の名称や位置、特色について学びます。
・小学校5~6年
5年生では日本の地理や産業、環境問題などについて、6年生になると日本の歴史と公民(政治・経済のしくみ)、世界の中の日本のあり方について学びます。
このように社会科は、「身の回りの生活から世界へ」と、ステップを踏みながら、地理や歴史、公民について学びます。社会科を学ぶ目的は、その知識にもとづいて、これからのより良い社会のあり方について考えていくことなのです。
また、社会科では「調べ学習」として、さまざまな事柄について、個人やグループで本や新聞、聞き取り、インターネットなどで情報を収集し、まとめて発表するという授業があります。「調べる力」や「考える力」、「編集する力」などが必要となります。
子どもが社会科を好きになるためには
子どもが社会科を好きになり、楽しく学ぶためには、何が必要になるのでしょうか。
ご家庭生活でどのような働きかけやきっかけ作りをすればいいのか、5つのおすすめ方法をご紹介します。
1.幼いころから地図に親しませる
社会科では、日本地図について学びます。幼いころから、地図に親しんでいると、都道府県の名前や位置、県庁所在地など有名な都市の名前や位置を自然に覚えるようになります。リビングに地図帳を置いたり、お風呂に地図を貼ったり、日本地図のパズルで遊ばせたりするのもおすすめです。
暗記させるのではなく、食材の産地や旅番組に出た観光地、お友だちが引っ越した先など、日常生活で地名が出るたびに、「どこだろうね」とその場所を地図などで一緒に探してみましょう。位置や特産品など、さまざまな知識が増えることを楽しいと感じさせましょう。
また、地図について学ぶ上でかかせない記号も授業で出てきます。カードやドリルなどを使って、クイズ形式で覚えさせるのも良いですね。それぞれの地図記号の意味や由来など、特徴に触れつつ教え方を工夫してはいかがでしょうか。
2.小学生新聞を購読する
大人が読む新聞とあまり違いがなく、漢字や表現など小学生にも分かりやすい内容で発刊されています。ニュースや新聞で出ていた内容が、社会科の授業で学ぶことにつながると、より深く理解することができるようになります。
また、保護者の方もニュース番組を視聴したり、新聞を読んだりする姿を、お子さまが幼いころから見せることも大切です。ニュースや新聞に出てきた事柄を共通の話題にすることで、より社会に興味を持たせることができます。
3.ゲームや漫画で興味を持たせる
歴史を題材にしたゲームや漫画で、お子さまの興味を引くのも1つの方法です。ボードゲームやクイズの本、カードゲームなど、お子さまが興味や関心を持ちそうなものを選んであげましょう。ゲームやクイズであれば、ご家族で一緒に楽しむこともできます。
4.社会見学をする
お子さまと一緒に、ごみ処理場やダムなどの公共施設、工場など、最近ブームになっている社会見学に出かけてみましょう。博物館やレストラン、公園などを併設していたり、工場の夜景をクルーズで見学したりするなど、レジャー感覚で楽しめる施設やツアーが全国各地にあります。
製造体験などのお子さま向けのイベントもあるので、幼いお子さまでも楽しく見学できます。実際に見学や体験をしたことのある場所や施設であれば、授業で教わるタイミングでさらに興味や理解が深まり、授業も積極的に受けることができます。
5.歴史に関連する場所に出かける
旅行先として、京都や奈良など、歴史に登場する場所に出かけてみましょう。歴史を学ぶときにイメージしやすく、興味を持って学ぶことができます。
旅行だけでなく、近所にあるお城や遺跡、街道跡など、歴史に関連する場所へ出かけたときにも、その場所の地理や歴史について、お子さまに話してみましょう。どんな場所にも歴史があることや、今の自分の生活と歴史がつながっていることを学ぶことで、自然と歴史に興味を持ち始めます。6年生になって歴史の授業が始まるときに、抵抗なく学び始めることができます。
小学生の社会科の授業では、社会への関心を高め、さまざまな考え方や見方を成長させることが重視されます。社会科の内容は先生のお話を聞いたり、教科書や資料を読むなど、ほかの科目に比べると楽しさが少なく感じられるかもしれません。取り組み方1つで社会への興味や関心も変わるものです。ご紹介した5つの方法を参考になさってみてはいかがでしょうか。
ライター:岩田 園絵
プログラミングや英語、ピアノ、ゴルフなどの教室や体験学習に奔走しつつ、子育てに力を注ぐママライター。高校生と小学生の子どもと忙しい日々を過ごす。暮らし、医療、グルメなどさまざまなジャンルの記事を執筆。
※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。
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