『介護の花子さん』が感想文コンクールの課題図書に選ばれました。

『介護の花子さん』

更新日 2024.11.06
公開日 2024.11.01
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介護について、仕事について、考えるきっかけになる! 笑って泣ける感動のストーリー。

コンクールの課題図書に決定!

『介護の花子さん』が「第43回とっとり読書絵てがみ・感想文コンクール」(鳥取県学校図書館協議会、新日本海新聞社主催)の「高学年の部」課題図書に選ばれました。


↓「とっとり読書絵てがみ・感想文コンクール」についてはこちらをご確認ください↓

とっとり読書絵てがみ・感想文コンクール

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『介護の花子さん』書影

▲『介護の花子さん』

「プロローグ」紙面

▲プロローグを含めた6編の連作短編を収録。

あらすじ

 山田花――通称「花子」は、ちょっぴりお調子者で、笑顔だけが取り柄(と自分では思っている)の22歳。やりたいことも、これといった特技もなく、とうに就職先が決まった友人たちをよそに、就職活動で大苦戦していた。そんなある日、1件だけ内定通知が届く。それは、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、「ふぁんホーム」からだった。藁にもすがる思いで花は、「ふぁんホーム」へ就職する。
 ところが、思い切って飛び込んだ介護の世界は想像以上に大変なことばかり。早々に転職を決意した花は、新たな就職先が決まるまでの「つなぎ」のつもりで「ふぁんホーム」の仕事を続けるが、厳しさと優しさを兼ね備えた先輩スタッフに囲まれ、性格も入居理由もさまざまな入居者たちと関わっていくうちに、心が揺らぎ始め……。

「ふぁんホーム」の先輩や入居者との出会いが花を変えていく。 紙面

▲「ふぁんホーム」の先輩や入居者との出会いが花を変えていく。

介護のイメージが変わる物語

 本書は実際のサ高住施設「ココファン」への取材をもとに書かれています。主人公、花の明るいキャラクターやコミカルな描写により全体的に軽やかな雰囲気ながらも、介護の現場に立つ人の経験や思いが織り込まれたストーリーは、理想を描いただけの物語にとどまりません。人の生活を支える難しさや、命に向き合う際の葛藤をも伝え、まさに「笑いあり、涙あり」の作品になっています。
 かつて「3K(暗い・きつい・きたない)」の代表のようにも考えられていた「介護の仕事」ですが、介護に関わる機会がなかった人も、本書を読み、花と一緒に介護の世界を知ることで、介護のイメージが変わるかもしれません。

「入居者の一人にいきなり拒絶され、勤務三日目にして転職を決意する花だが……。」紙面

▲入居者の一人にいきなり拒絶され、勤務三日目にして転職を決意する花だが……。

多角的に読むことができる

『介護の花子さん』は介護についてだけではなく、働くということや何かに向き合い、努力する人の姿を描いた作品でもあります。
 特にやりたいことを見いだせずにいた花が、周囲の人との関わり合いや仕事への姿勢で壁にぶつかり、奮闘しながら、一つの目標を持つにいたる姿は、多くの人に共感できるものです。花が目標を持つきっかけとなった、入居者に言われた「ある言葉」は、物語を最後まで読んでその真意がわかったとき、思わず笑顔になるに違いありません。
 また、どの家庭でも起こりうる家族ならではの問題と、それを乗り越えようとする人々のエピソードは、時に切なく、けれど優しいものとして私たちの心を動かします。「介護」についてだけではなく、「働くということ」「目標を見つけて努力すること」「家族や周囲の人との関わり合い」など、さまざまな角度から読むことができる本書は、読書感想文の題材として今後も要注目です。

入居者のために走る花。「つなぎ」の仕事のつもりだったはずが、いつの間にか一生懸命になるように。 紙面

▲入居者のために走る花。「つなぎ」の仕事のつもりだったはずが、いつの間にか一生懸命になるように。

■著者プロフィール

 あさばみゆき
 横浜市在住。3月27日生まれ。主な作品に『いみちぇん!』『サバイバー!!』(角川つばさ文庫)、『歴史ゴーストバスターズ』(ポプラキミノベル)などの児童文庫のシリーズがあるほか、ライト文芸やライトノベル(あさば深雪名義)も。

公式HP

商品の紹介

『介護の花子さん』書影

■書名:『介護の花子さん』
■著:あさばみゆき
■絵:くりたゆき
■発行:Gakken
■発売日:2024年9月5日
■定価:1,210 円(税込)

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