550編を超える応募作品の中から、有本綾さん(大阪府)の「小さな僕のメロディ」(長編作品)が大賞を、藤江洋一さん(東京都)の「それでええんや」(短編作品)が優秀賞を受賞
小川未明文学賞は、上越市出身の児童文学作家、小川未明の文学精神を継承し、新しい時代にふさわしい創作児童文学作品を創出する目的で、平成3年に創設されました。
新潟県上越市と小川未明文学賞委員会が主催し、株式会社 Gakkenが第9回より協賛しています。
第31回である今回は、2年ぶりに、新潟県上越市の小川未明文学館に受賞者らが集う贈呈式となりました。
今回は、前回の応募数を上回る557編(短編作品301編、長編作品256編)の作品が集まりました。
その中から、有本綾さん(大阪府)の「小さな僕のメロディ」(長編作品)が大賞を、藤江洋一さん(東京都)の「それでええんや」(短編作品)が優秀賞を受賞しました。
大賞受賞者には、賞金100万円と記念品の『定本小川未明童話全集』(大空社)、『限定本 眠い町(DVD付、架空社)が、優秀賞受賞者には賞金 20万円と、同じく『限定本 眠い町』がそれぞれ贈られました。
式は午後2時30分より、上越市の中川市長と、小川未明文学賞委員会の宮川会長のあいさつに始まり、上越市議会議長の石田氏の祝辞、最終選考委員からの講評を経て、受賞者のお二人へ賞状・花束の贈呈が行われました。
大賞に選ばれた「小さな僕のメロディ」は、小学6年生の少年が主人公の物語。流行りのゲームと、受験や習い事にいそがしい少年が、駅に置かれたストリートピアノを弾く人物に出会ったことをきっかけに、少しずつ成長をしていく様子が描かれています。
最終選考委員を務める、上越教育大学教授・小埜裕二氏は、大賞作品について「素直な主人公の成長が、確かなイメージと表現に支えられていた」と評しました。
同じく最終選考委員の宮川会長は、「受験やいそがしい習い事など、海斗(主人公)の現実を構成する要素は、物語の最初とおしまいで変わらないが、海斗自身は現実への違和感をすり抜けるようにして変わっていく」ことが物語の魅力だと語り、大賞作品を「新しい成長物語」であると評しました。
大賞受賞者の有本さんは、「いただいた賞を励みに、これからも楽しい作品をかいていきたい」と、受賞の喜びと今後の抱負を語りました。
大賞作品は今年11月ごろ、Gakkenより書籍として刊行される予定です。
なお、第32回小川未明文学賞は、2023年10月31日(火)締切を予定しております。
小川未明文学賞の募集開始や過去の受賞作に関する情報は、下記ホームページよりご覧ください。
■上越市ホームページ
■小川未明文学館
■小川未明文学賞ホームページ(Gakken)
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