～主人公からのお手紙がついている、おとぎの世界の物語～

　物語の舞台は、おとぎの世界にある虹の島。
　そこにある魔法の学園ユニコーン・アカデミーでは、12歳の女の子たちが運命のユニコーンとペアになって授業や訓練にはげみ、島のピンチに立ち向かいます。

　今回の物語『幸福のしずく』の主人公は、しっかり者で謎解きが大好きなセアラ。
　パートナーは、ユニコーンのムーン。ふたりの性格のちがいから起こる心のすれちがい、そして成長が、物語の大きな核となっています。

正反対のふたりはわかりあえる!?　主人公の葛藤にＪＳも共感!

　行動的で、証拠や事実、論理性を重視するセアラ。
　物静かで夢や空想の話が好き、気分やカンで動くムーン。
　セアラは、自分と性格が正反対のパートナーに少しとまどいを感じていて・・・。
　物語冒頭にあるポエムからは、ゆれる心が伝わってきます。

　わたしはね、行動するとき 順序だてて考えるタイプ
　ちゃんとした理由とか うらづけがないと おちつかないんだ・・・

　今まではね、それで うまくいってたんだけど――

　パートナーのあの子は、
　ふんいきや気分で動くタイプ
　カンをたよりにしているみたい

　ねえ・・・
　自分と正反対の相手が パートナーになったら
　どうすれば いい――――？

　全寮制の学園でもあるユニコーン・アカデミーで、セアラは、クラスでも寮の部屋でも、リーダー的な存在。勉強家で読書好きで、たいていのことは器用にこなし、みんなへの気配りもかかしません。
　でも、運命のパートナーとなったムーンの心は、理解できないことや共感できないこともしばしば。
　ふたりはどうやって葛藤をのりこえ、きずなを結ぶのでしょうか。

　自分とはまったくちがうタイプの相手と向き合うことになったり、理解者になりたいけれど、納得できる根拠や証拠がととのっていない・・・という状況は、現実でもときどき直面すること。
　そんなとき、どうすればいい？――セアラの迷いやとまどいは、小学生が日常の中で出会いそうな気持ちばかりです。
　正反対のふたりがぶつかりながらも、おたがいに理解しようと模索していく過程は、本書の大きな読みどころです。

読書感想文を書くとしたら・・・?

『幸福のしずく』には、読書感想文を書きやすいポイントもいっぱい！
　書き出しから順に、例をあげてみましょう。

①本を選んだ理由は・・・

　感想文の書き出しはまず、本を選んだ理由や、本を見たときの第一印象についてふれてみるのがオススメです。
　本シリーズの読者たちから寄せられた感想や意見を参考に例をあげると・・・
「私がこの本を選んだ理由は、」と書き始めて
「大好きなユニコーンが出てくるからです。」
「虹の島からお手紙がとどくって想像したら、うれしくなったからです。」
　また、
「はじめてこの本を見たとき、」と書き始めて
「きれいな色の表紙で、夢が広がると思いました。」
「題名の『幸福のしずく』ってなんだろう、おもしろそうだなと思いました。」
――こんなふうに感じたままに書きだすだけで、ワクワクしてくることまちがいなし！

②あらすじは・・・

　読書感想文に欠かせない、物語のあらすじ。
「この虹の島の物語は…」
「物語の主人公、セアラは…」
　などと書き始めると、自然に後をつなげられそう。
　あらすじのヒントとして、本書の裏表紙には物語のみどころが紹介されています。

　また、表紙を開いたところには、
「おとぎの世界にある虹の島、ユニコーン・アイランド。かわいくて勇気ある女の子が 運命のユニコーンと出会ったのです――」
とあります。

　さらに、登場人物を紹介するページには、
「今回は・・・ユニコーンとの性格のちがいを乗りこえるおはなし！」
　と見出しがついています。

　こんなふうに、どんな物語なのかを説明するためのヒントやキーワードが、随所にちりばめられているのです！

③心に残ったところと、その理由は・・・

　感想文の中盤では、この物語を読んで心が動いた部分をとりあげ、その理由を書いてみるのはいかがでしょうか。
　物語中には、セアラがパートナーのムーンの反応に困ったり、気づかったりするシーンがたくさんでてきます。
　たとえば、
　頭に浮かんだ、見たことのない情景を「予知の魔法がめざめた！」と主張するムーン。けれど、頭の中がのぞけないセアラには、ただの空想の話に思えてしまい・・・ふたりの心がすれちがっていきます。

　セアラやムーンへの共感や賞賛のほかに、エピソードによって「なぜ？」「ひどい！」といった、疑問や怒りの気持ちを書き加えてみるのも、おもしろい読書感想文になるかもしれません。

④自分だったらどうするか・・・

　さらに踏みこんで、
　もし自分がセアラだったら、
　もし自分がムーンだったら、
　そのときどうするか・・・
　を考えてみるのも一案。
　物語には、ムーンとの関係のほかに、隠し扉や、秘密の地下通路、砂漠にそびえるクマの岩など、冒険や謎解きをしている気分になれる場面も、たくさん登場します。

　虹の島をまもるために、どんな危険な場面でもつきすすむセアラとムーンの勇かんさを、自分だったら・・・と置きかえて想像をめぐらせることも、読書の楽しみにつながることでしょう！

⑤しめくくりは・・・

　物語を読み終えると、最後のページには、小さな封筒に入ったおとぎの世界からのお手紙が！　主人公やユニコーンにお手紙の返事を書けるお返事用はがきもついていて、おとぎの世界と現実の世界が、魔法のようにつながります。

　お手紙のお返事に書こうと思った内容を、読書感想文のしめくくりとしても使ってみるのはいかがでしょうか。
　そんなふうに楽しんで書いているうちに、すてきな読書感想文の完成です！

★公式サイトも要チェック！★

虹の島のお手紙つきシリーズ　公式サイト

『虹の島のお手紙つき』シリーズには、情報をまとめた公式サイトもあります。セアラと同じ部屋でくらすほかの女の子が主人公の本も紹介されています。シリーズのどの本から読んでも楽しめるので、サイトで内容をチェックしてくださいね！

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商品の紹介

■書名：『虹の島のお手紙つき　アメジスト編③幸福のしずく』
■原作：ジュリー・サイクス　企画・構成：チーム151E☆
■イラスト：ajico
■発行：学研プラス
■発売日：2022年8月11日
■定価：1,232円（税込）

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■既刊も大好評発売中！

『虹の島のお手紙つき　アメジスト編①運命のユニコーン』
『虹の島のお手紙つき　アメジスト編②最高のパートナー』

《ナレーションつき紹介動画》