レッサーパンダ盗難からカワウソ密輸まで。希少生物の密輸、密売、密猟の実態を紹介する児童書が登場!

『環境ノンフィクション 消えたレッサーパンダを追え!警視庁「生きもの係」事件簿』

UPDATE 2020.10.19
公開日 2020.10.15

『環境ノンフィクション 消えたレッサーパンダを追え!警視庁「生きもの係」事件簿』書影

 警視庁には希少な生き物の密輸などを専門に捜査する係がある。警視庁生活安全部生活環境課にある係、通称「生きもの係」とよばれている部署だ。

 本書は、そんな「生きもの係」のエースである福原警部の携わった、生き物をめぐる事件捜査を中心に紹介するノンフィクション読み物だ。

 製作にあたっては綿密な取材を重ね、警視庁による協力のもと、動物園でのレッサーパンダ盗難事件や、密売されたコツメカワウソの売り込み事件などの、実際にあった事件を紹介。犯人との手に汗握るリアルな攻防戦を通し、希少な生き物の置かれている現状を知ることができる。
 自然環境や生き物に興味がある小学生はもちろん、ミステリーや社会問題に興味のある小学生にもおすすめの一冊だ。

あらすじ

 ある夜、動物園からレッサーパンダが盗まれた! 捜査にあたるのは、警視庁で生き物の密輸や違法売買を扱う「生きもの係」の福原警部。自然を深く愛する警部が出会った事件を中心に、人と生き物との付き合い方について考えるノンフィクション。

★ファイル1 レッサーパンダ盗難事件
★ファイル2 カメ・ワニ大量密輸事件
★ファイル3 二つのスローロリス密輸事件
★ファイル4 アジアアロワナ密売事件
★ファイル5 コツメカワウソ売りこみ事件
★ファイル6 アマミイシカワガエル密猟事件

「もくじ」紙面

▲少し古い事件から最近のものまで、ここ30年の事件を中心に紹介。

おすすめポイント

 生き物の密輸や密猟に手を染める犯人たちは、純粋に生き物が好きなマニアが多く、憎めないところもある。福原警部も本文の中で「罪は憎めど人は憎まず」と口にする。
ただし、人間のエゴで希少動物が絶滅することは、生態系を壊すことに繋がり、それはひいては子孫の未来を脅かすことになる。
 この本では、実際にあった事件捜査のドラマを物語のようにドキドキ読みながらも、なぜ密輸や密猟がいけないのかを自然と考え、学ぶことができる。

 読み易くテンポのいい文章は、第6回児童ペン賞ノンフィクション賞を受賞した、たけたにちほみさん。親しみやすく、正確に生き物の特徴をとらえたイラストは、動物園の広報イラストも手掛ける西脇せいごさんによるものだ。

 巻頭では実際に保護された生き物のカラー写真を掲載。また、コラムでは生き物を守るための法律や、保護された生き物のその後などを紹介している。更に巻末には、登場する主な生き物のリストもついており、本文を読んだ後も、より理解を深めることが可能だ。

「保護された生き物のカラー写真」紙面

▲巻頭では本文に登場する生き物の、貴重な現場カラー写真も掲載。

「生き物を守る法律」紙面

「この本に登場する生き物リスト」紙面

▲コラムや巻末資料で、社会や生き物についての知識が身につく。

「レッサーパンダ盗難事件」紙面

「二つのスローロリス密輸事件」紙面

▲本文ではレッサーパンダやホウシャガメ、スローロリスなど、様々な希少生物が登場する。

<登場人物プロフィール 福原秀一郎>
 鹿児島県生まれ。警視庁生活安全部生活環境課勤務。希少野生動植物に関する捜査において、全国で唯一の警察庁指定広域技能指導官として活躍中。

<作者プロフィール たけたにちほみ>
 千葉県生まれ。作品に『こらまてせいそうしゃ』(PHP電子)、『「おさかなポスト」が教えてくれること』(佼成出版社)、『わきだせ!いのちの水』(フレーベル館)など。

<イラストレータープロフィール 西脇せいご>
 兵庫県生まれ。在阪テーマパーク商品開発部を経てフリーのイラストレーターに。主な作品に『おえかきずかん』(コクヨ)等。横浜市野毛山動物園のリーフレットなどのデザイン、イラストも手掛ける。

商品の紹介

『環境ノンフィクション 消えたレッサーパンダを追え!警視庁「生きもの係」事件簿』書影

■書名:『環境ノンフィクション 消えたレッサーパンダを追え!警視庁「生きもの係」事件簿』
■著:たけたにちほみ
■発行:学研プラス
■発売日:2020年10月15日

■定価:本体1,400円+税

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