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「本当にやりたいこと」を
少しずつ見つけていきましょう
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自分の人生は自らが気づき、生きやすく変えていくしかありません。
私が「素敵な生き方だな」と思う方たちの中に、南インドの僧院でいつも出会う初老のフランス人医師夫妻がいます。
ご夫妻は、定期的に僧院を訪れて仏教の勉強をしていますが、ヒマラヤの奥地に住む人たちの援助をおこない、インド北端にあるラダックやそのまた奥にある村へも出向いて診療もしています。
日本も大好きで、2年に1度来日。フランス語が話せない私と日本語が話せないご夫妻とはチベット語で会話し、楽しいひとときを過ごします。
とても慈しみ深く愛情深い方たちで、フランスの自宅でも仏教を勉強しながら、瞑想を続けているとのこと。
ご夫妻に接していると、お寺に入って修行しなくても、日常の中に仏教の考え方を取り入れて、人生を輝かせることができるのだなと思います。
また、ご夫妻は、すでに成人した子どもたちはフランスに残して、南インド、ヒマラヤの奥地、日本と自由に旅していますが、家族と体は離れていても、心はつながっているのだなと、その言葉の端々から感じます。
「家族がいるから」「仕事があるから」と自分に制限をかけず、アクティブに動いている彼らの生き方は、リミットレスに生きて人生を充実させられると教えてくれます。
かといって、ハードルの高いことを無理やりしなくて大丈夫。
最初は、カフェでゆっくり過ごすだけでもいいし、時間を見つけて、好きな本や雑誌をめくってもいい。「本当に自分がやりたいこと」を少しずつやっていってください。
そのうち、噓や飾りは抜きにして、「これをやっているときが一番私らしい」と思えることが見つかるはずです。そうすれば、きっと家族をストレスだと感じることは減るでしょう。
もし、やりたいことが見つからなくてもかまいません。
そのときはとりあえず、来たご縁に乗ってみればいいのです。身近な人間関係の中でイベントに誘われたり、何かを依頼されたりすることってありますよね。
たとえば、友人に誘われた習い事や集まりに行ってみたり、町内会や職場の行事に参加したりして動いていると、「あれ、私これが好きかも」「この時間、楽しいな」と思えることがでてくるはずです。
その中から、ゆっくり自分がやりたいことを見つけていってください。
(※この連載は、毎週月曜日・全8回掲載予定です。次回は5月14日掲載予定です。)
緑川 明世 (みどりかわ みょうせい)
作品紹介
苦しみから自由になる「道」がある――。心をゆるめ、心身をすこやかに育む、人生100年時代に役立つ生き方のヒント。
定価:本体1,300円+税/学研プラス
バックナンバー
- 何歳からでも、よい習慣を始められる
- 1分間の瞑想で、心が元気になる
- 最初の一歩を踏み出せるのは、自分だけ
- 心に、少しずつ「よい種」を植える
- 幸せの種は自分の中にある
- 心は、逆境をはね返すしなやかさをもっている
- あなたの心には、 決して折れないしなやかさがあります