小学生になり、1か月もするといよいよ本格的な勉強が始まります。慣れない授業に悪戦苦闘するのは子どもだけではありません。保護者の方も同じですよね。そう、自宅でする勉強、宿題がでるからです。これまで「机に座って勉強をする」という習慣がなかった場合、宿題や自宅学習をどう始めたらいいのか…悩ましいところです。新1年生でも、楽しみながら学習に取り組むための勉強方法をご紹介します。
まずは毎日「座る」習慣をつける
学校という慣れない場所、会って日の浅い先生や同級生…と、変化した環境に順応するだけで子どもは精一杯になっています。「勉強をする」ということを当然のことにするのはなかなか難しいものです。
そこでまずは、「座る」ことを毎日の習慣として身につけられるよう、サポートしましょう。
日々の学習のためには環境も大切ですが、必ずしも勉強机を用意する必要はありません。最近ではリビング学習を取り入れる家庭も増えています。リビングにある椅子とテーブルだっていいのです。また、学校から帰ったらおやつの前に、共働きの家庭では、朝ごはんの前に、など、場所だけではなく、毎日の習慣としてサポートがしやすい時間を決めるのもコツです。
決まった時間に決まった場所に座り、学校であったことを話す、本を読むなど、子どもの負担にならないようなことから始め、リズムを作っていきます。
最初のうちは、きちんと座れただけでOKです。集中して取り組めたら、たっぷり褒めてあげましょう。
面白いドリルやちょっとした工夫で勉強を楽しくする
生活リズムが整い、座る習慣ができてきたら、そこから少しずつ勉強の習慣をつけていきましょう。この場合も、子どものペースに合わせて少しずつ慣らしていくことが重要です。
学校や先生によって多少の方針の違いはありますが、一般的に自宅での学習時間の目安として「学年×10分」とするところが多いようです。しかしいかに短時間でも、これまでに学習習慣のなかった子どもの場合、毎日勉強をするというのはかなりの努力が必要です。
そこで、勉強の中にも子どもが楽しめるちょっとした工夫をしてみましょう。宿題や勉強を始める前にタイマーをセットしておき、どれくらいの時間で終えられたか、ゲーム感覚で取り組むのも面白いのではないでしょうか。
他にも、たとえば学研の「図鑑漢字ドリル小学1~6年生 危険生物」のように、子どもが興味のある内容と勉強をうまく組み合わせた学習教材もあります。タブレットやパソコンを使って学習できる「スマートドリル」のように子どもが興味を持って積極的に取り組めるものを活用してみるのもいいですね。
学年のうちはとくに、楽しんで勉強ができるようにサポートしてあげることが大切です。
子どもの自主性を尊重しつつ、必要に応じて声がけを
小学校に上がると、学校からの連絡はまず子どもに伝えられ、それを子どもが保護者に伝えるようになります。そのため、私は子どもに「帰ったら必ずプリントを出してね」と言い聞かせていました。
しかし、子どもはその通りにしてくれません。帰ったらランドセルを放り投げ、プリントのことなど忘れてしまうのです。そこで私は、すぐに注意するのではなく、プリントを受け取った時に、忘れずに渡してくれたことを褒めたり、プリントの内容を子どもと確認したり、学校の様子を聞くことにしました。すると、次第に自分からプリントを出してくれるようになりました。自分のすべきこと、という意識が芽生え、終えた後の小さな達成感を得るようになったのです。
勉強や宿題も同じで、「やらせないといけない」と焦りすぎて、「勉強しなさい」「宿題はやったの?」と言ってしまうと、子どもから「自分でやり遂げた」という達成感を奪ってしまいかねません。
一度言ってできないからと頭ごなしに怒る、どうせやらないのだからと先に手を出してしまう、といったことでなく、子どもの自主性を尊重して見守る姿勢も大事です。
成長スピードは人それぞれ。おおらかに見守って
何度も同じ間違いをすると、「ここでつまずいたら、この先ずっと苦労するのでは?」という不安感がつきまとい、保護者もつい感情的になってしまいがち。しかし、怒られると子どもは萎縮してしまい、ますます力を発揮できなくなります。
小学校1年生で習うのは、基本的な字の読み書きや簡単な足し算、引き算といった計算問題です。決して難しい内容ではありません。同じ問題を何度も間違えてしまうようであれば、時間をかけて理由を一緒に考えてみましょう。子どもの様子を観察すると「文章をきちんと読んでいない」「計算式を書くのを省いている」といった問題点が見えてきます。必要に応じたアドバイスをし、それで問題が解けるようになれば、子どもの自信にもつながります。
新1年生に必要なのは、何よりもまず新しい生活に慣れ、学ぶことの楽しさを知ることです。焦らずおおらかな気持ちでサポートにまわりましょうね。
ライター:七尾 なお
生活コラムから経済誌まで、ウェブや雑誌を問わずさまざまな媒体で執筆をするフリーライター。男の子と女の子の二児の母。父親向けのコラム執筆や、育児に奮闘する保護者向けの情報サイトの運営など、教育関連の執筆にも力を入れている。
※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。
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