文部科学省の発表した、2020年度から施行される新学習指導要領では、小学校の授業にプログラミング教育が盛り込まれています。急激に進化しているIT社会の中、子どもにパソコンを使った学習をさせたい、と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、子どものためのパソコン選びに関してまとめてみました。
Mac(Macintosh)とWindowsではどちらがいいの?
まず初めに、Macにするか、Windowsにするか、で悩まれる方がいます。WindowsとMacintoshというのは、パソコンの基幹システムであるOS(オペレーティングシステム:コンピューターを使うユーザーとさまざまなアプリケーションやハードウェアの管理・運用をするシステム)の名前です。Windowsは世界の約90%近いシェアを押さえており、日本でもパソコンのOSと言えばマイクロソフト社のWindows OSがメインです。
Windowsを搭載したパソコンは、NECや富士通など、さまざまなメーカーが製造を手掛けています。一方、MacはiPhoneでおなじみのアップル社のコンピューターにだけ搭載されています。
MacとWindowsには大きく2つの違いがあります。
一つは操作性の違いで、マウス操作の方法や、キーボードのショートカットの設定などが異なります。もう一つは利用できるソフトウェアの違いです。それぞれに専用のソフトウェアがあるため、特に利用したいソフトがある場合は、どちらのOSに対応しているか、確認が必要です。
どちらのOSが優れている、という単純な比較はできませんが、過去の文部科学省の調査では、日本の学校に導入されているパソコンの99%がWindowsでした。シェアから見ても日本の学校では今後も引き続きWindowsが使われるものと思われます。子どもが学校や家庭、さまざまな場で違和感なく使えるようにしたい、ということであればWindowsを選んでみてはいかがでしょうか。
どんなところに注目すればいいの?
キーボードやディスプレイなど、さまざまな周辺機器があるパソコン。解像度や処理速度、といった性能を並べられてもなかなか判断しづらいですよね。そんな時に考えたいのが以下のようなポイントです。
1.ディスプレイとマウス → 子どもの身体に優しい
2.本体 → 故障に強い
3.その他 → 子どもが喜ぶデザイン
では早速それぞれのポイントに関して詳しく見てみましょう。
1.子どもの身体に優しい
・ディスプレイ
ディスプレイには画面のちらつきを抑えるフリッカーフリーのディスプレイや、肩こりや頭痛の原因となるブルーライトを減らすブルーライトカットの機能を持ったものを選びましょう。
子どもが使うのであればサイズは24~27インチ程度で十分です。大きすぎるディスプレイは首や眼球の過度な運動で体に負担がかかります。
・マウス
マウスは持ちやすく手が疲れないものを選びましょう。形やサイズなどでたくさんの種類があります。子ども向けの小さなものや、手首に負担をかけないものなどもあるので、店頭で実際のサイズ感を確認して購入するのがおすすめです。
2.故障に強い
・メーカーサポート
子どもがノートパソコンを持ち運んでいて落としてしまった、机から落としてしまった、といったときでも安心なのがサポートがしっかりとしたパソコンです。国内メーカーの中には24時間以内の迅速な修理を目指すメーカーもあります。故障以外にも、専用回線で操作方法を教えてくれるメーカーもあるので、子どもがいつの間にか設定をいじってしまって操作ができなくなった、というときにも頼りになります。
また、パナソニックのように落下衝撃に対する高い耐性をもつ、壊れにくいパソコンを販売しているメーカーもあります。壊してしまいそうで心配……そんなご不安をお持ちなら、メーカー保証よりも、最初から頑丈なパソコンを選ぶのもいいかもしれませんね。
3.子どもが使いたくなるデザイン
いかに処理速度がはやく、性能がよくとも、子どもが使いたくなるとは限りません。最近では赤や水色のカラフルなものや、柔らかいフォルムを取り入れた可愛いものなど、さまざまなデザインのパソコンがあります。子どもの好みのデザインを選ぶのも、パソコンに興味・関心を持ってもらうための重要なポイントです。
価格や性能も重要ですが、子どものためのパソコン選びでは、子どもが「使ってみたい」と思い、「気兼ねなく」使えるパソコンを選ぶことが大切です。
いつ頃から子ども用のパソコンを用意したらいいの?
「いつ頃、子どもにパソコンやタブレット、スマートフォンなどの情報機器を与えればいいのか」というのは、気になりますよね。
2020年には小学校の授業でプログラミング教育が始まります。それに合わせて、学校教育の中でもパソコンやタブレットなどが積極的に使わるようになります。
これからの子どもたちは成長するにつれ、パソコンをはじめとした情報機器の操作を効率的に行うことを求められていくでしょう。子どもと保護者が使い方やルールをしっかり決めておけば、小学生にパソコンやタブレットの情報機器を与えても、早すぎるということはありません。家庭内でも早いうちから少しずつ、子どもが情報機器を扱う時間を作ってみてはいかがでしょうか。
ライター:上田 理津子
教育関連からグルメや生活関連のライティングまでこなす女性ライター。幼稚園教諭5年間、図書館児童書担当2年間、保育園事務3年間など、子どもの保育・教育現場に長年携わり、今も教育に関する高い関心を持っている。
※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。
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