インナーチャイルドの傷を癒す。それは、言い換えれば「過去のいろいろ」と「今このとき」をつなげるプロセスです。今、なんだかつらい……。その根本的な原因を、過去の自分に探しに行く、という感じですね。
自分の内側には、過去のマイナス感情を抱えて傷ついているインナーチャイルドがいます。
まず、その内なる存在に会いに行き、いったいどんなことで心に傷を負ったのか、どんなマイナス感情を抱え込んでいるのかを問いかけるのです。
インナーチャイルドと対話することで、「過去のいろいろ」と「今このとき」がつながります。
でも、これだけで終わりではありません。
次に、傷を負っているインナーチャイルドと一緒に「嘆く」こと。「悲しかったね」「怖かったね」「腹立たしかったね」「つらかったね」……こんなふうに共感を示し、そして「あなたは1人じゃないよ、もう大丈夫だよ」と安心させてあげます。
すると徐々に、あなたのインナーチャイルドは、ワンダーチャイルドに変わっていきます。
そして、すでにクセとなってしまったマイナスの感情や思考や行動を、意識的に少しずつプラスに変えていく。この最終過程を、「セルフチェンジ」といいます。
インナーチャイルドが抱えてきた傷によって、刷り込まれているマイナスのクセを、インナーチャイルドを癒しながら、プラスに転じていくということです。
マイナスのクセは、長年をかけて根づいてきてしまったものです。そのため、セルフチェンジは、そう簡単にいかないことも多いのですが、少しずつ、マイナスから脱していけばいいのです。
ハタから見ればたいしたことはないようなのに、こういうことがあると、自分はマイナスに受け取ってしまう。
そんなときは、「別にそういうことじゃないよね」「こんなふうに考えてみたらいいかな?」と、インナーチャイルドと話をする感じで考えてみてください。
すると人の力を借りずとも、自分で自分を変えることができますし、どんなことが起きても、自分を信じて乗り越えていく強さを持てます。
インナーチャイルドを癒してあげると、そこから自分の意志と行動によって、より幸せな人生の扉を開くことができるのです。
自分を本当に救うことができるのは、最終的には自分しかいないと、私は思っています。こういうと、突き放しているように感じるかもしれませんが、では、こう考えてみてください。
だって、自分の魂は、絶対的に自分の味方なのだから、と。
生まれた環境も、そこで背負う傷も、すべては、幸せな人生に向かうためのもの。
ただ、その一歩を実際に踏み出すのは、自分でしかありません。
実際に自分が行動することで、幸せな人生を歩み始めることができます。私のところを訪れる相談者の方々も、みんなそうです。私はただ、最初の一歩を踏み出すお手伝いをしているだけなのです。
私たちは例外なく、幸せになるために生まれてきています。自分の魂は、自分を幸せにすることを、けっしてあきらめません。
インナーチャイルドと向き合い、その傷を癒しながらセルフチェンジをしていくことも、より幸せな人生にしていくプロセスなのです。
(※この連載は、毎週火曜日・全4回掲載予定です。次回は、9月19日掲載予定です。)
上地 一美(うえち かずみ)
沖縄県宮古島出身。スピリチュアルセラピスト。
フジテレビ系「金曜日のキセキ」にレギュラー出演をし、未来が見える「未来鑑定士」として評判となり、1万通を超える相談が寄せられる。
現在は、沖縄県宮古島でスピリチュアルセラピー(魂のシナリオ鑑定)、心理カウンセリング、マクロビオティックセラピーを行っている。
著書に『未来への階段』『「母が重たい!」あなたへ』(以上、主婦と生活社)、『直感をみがいて幸せになる』『幸せを一気に引き寄せる 直感のみがき方・使い方』『直感で人生をよりよい方向へ動かす』(以上、学研)などがある。
*公式ホームページ*
http://jelly-beans.jp/
作品紹介
命の力を取り戻す インナーチャイルドの癒し方
心配事と不安が消える88の言葉内向型の人が自分らしく生きるための本
誰もの心の中にある「小さな子ども(インナー・チャイルド)」を癒し、直感をみがくことで、より幸せな人生を送る方法を紹介。
定価:本体1,300円+税/学研プラス