お金が「増える人」の行動ルール⑧

午堂登紀雄『お金がどんどん増える人 お金がたちまち消える人』セレクション

更新日 2020.07.20
公開日 2015.08.19
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お金が消える人は「値段」で選び
お金が増える人は「価値」で選ぶ

 お金が消える人は、価値よりも価格で選ぶ傾向がある。
 そのため、玉子1パックの値段が10円安い、高いと気にするその一方で、安さにつられて郊外のマンションを買い、それが数年で何百万円も値下がりしていることには無頓着だったりする。
 また、プライスタグの値段が高ければ「これは良いものに違いない」と考える。そのため、1本100万円もするようなワインが振る舞われると、感激してはしゃぐ。

 その点、お金が増える人は、価格よりも価値を重視する。
 お金持ちほどたとえば玉子は品質を重視し、有機肥料で自然な環境で育ったニワトリの玉子を買う。それで健康が維持されれば、長期間元気に稼ぎ続けることができる。
 家選びについても資産価値を重視し、自然に高級住宅地に家を買おうとする。値段は高くても資産価値が維持されやすく、貸すときも売るときも高値がつくため、ますますお金持ちになる。

 また彼らは、高級品もある程度の金額を超えると、値段の差ほど価値の差がないことを知っている。
 たとえば先ほどのワイン。1本数万円のものまでは、値段が高いワインのほうがおいしい。素人にも、その差は歴然とわかる。しかし10万円を超える価格帯になってくると、ある程度飲み慣れている人でも、飲み比べてみない限りはそれほどの差は感じなくなる。

 商品が高額になればなるほど、実際の価値との差は開いていく。もちろんこれは売り手にとって「利幅が大きくてまる儲け」ということでもある。
 だから、実は高級品には興味がない、というお金持ちも少なくない。彼らは、価値と価格のバランスにシビアなのだ。

 しかしそれには、価値を推し量ろうとする姿勢と相場観を、普段から養っておくことが必要だ。
 そこで、たとえばブティックなどに行ったとき、プライスタグを見る前に、「これにはいくらまでなら払ってもいいか」を想定してみる。そのあとで値段を確かめる。「げっ、高い」と感じるか「あれ、意外に安いな」と感じるか……。

 そして、モノの値段には相場もあるため、財布を開く前に、そのモノの相場感覚をつかんでから買い物をするようにしたい。
 たとえば「この場所で家賃がこの金額は妥当」と判断でき、賢い買い物になり、「ここでこの家賃はないだろう」と割高な出費を防ぐこともできる。
 海外旅行に行けばなおさらこれが重要となる。私がフィリピンで暮らしていたとき、床屋に行った。カット料金は100ペソだったから、日本円にして約280円。そのときは「安い!」と思ったが、あとで現地の人に聞くと、「60ペソ(約170円)くらいでできるよ」と言う。

 お金が増える人は、この相場感覚を持っている分野が広い。あるいは事前によく調べている。ビジネスでの商談や価格交渉に強いのもこのタイプで、「それは高いからこのくらいにできないか」と平気で言える。
 値段は売り手が勝手につけた「希望」小売価格であり、買い手にとって唯一の判断基準ではない。
 必要なのは、自分が求める価値がその商品にあるかどうかを考える習慣だ。商品が持つ価値を確認し、価格が妥当かどうかを判断するようにしたい。

 

午堂 登紀雄 (ごどう ときお)

1971年岡山県生まれ。米国公認会計士。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、大手流通企業のマーケティング部門を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームのアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。2006年、著書『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)がベストセラーとなる。同年、不動産投資コンサルティングを行う株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。経営者兼個人投資家としての活動のほか、出版や講演も多数行っている。『お金の才能』(かんき出版)、『頭のいいお金の使い方』(日本実業出版)、『オキテ破りのFX投資で月50万円稼ぐ!』(ダイヤモンド社)、『日本脱出』(あさ出版)ほか著書多数。

 

作品紹介

お金がどんどん増える人 お金がたちまち消える人

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定価:1,300円+税/学研プラス

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