本書は「ひとり戦略」についての本ですが、何も「一生、ひとりでがんばれ!」と言っているわけではありません。
ある時期、特に将来の可能性に満ちた20代、30代の一定期間はひとりで過ごし、自分の内面を見つめて、自分が何をしたいかを見つけて、それに全力を傾ける。
それによって得られるものは、計り知れないと考えています。
僕の母方の祖父は地元で漁師をする傍ら、不動産投資や株式運用をして、かなり成功を収めていました。お金持ちで、僕が小学生の頃、100万円ものお年玉をもらったことがあります。この祖父を見ていて、「お金持ちになりたい」と思い、多くの影響を受けてきました。すでに亡くなっていますが、とても尊敬しています。
この祖父が僕に言った言葉で名言だなと思ったものがいくつかあります。
名付けて、「じっちゃんの名言」。そのひとつが、
「人生、5%は修業でいい」
です。
「人生は意外と長い。100歳まで生きるとしたら、5年くらいは修業時代があってもいいと思う」
と話してくれたんです。なるほど、そういう見方があるのか、と思いました。
浪人中や公認会計士の試験勉強をしている時は、「今、俺はひとりで修業中だから、友だちとチャラチャラ遊んでいる場合じゃない!」と自分に言い聞かせていたこともあります。
今、目の前だけを見て周囲と比較してしまうと、孤独感におそわれるかもしれません。ですが、自分の人生を俯瞰してみると、「まっ、5年くらいは友だちいなくてもいいか!」と思えるのではないでしょうか。
その間に、資格を取得して自分の人生の確固たる基礎を築いたり、何か目標を達成する。僕の経験からいえば、それはかなり濃密で有意義な時間でした。
今思えば大変でしたが、修業時代によって僕の人生の土台が作られたのです。
もうひとつ、僕が気に入っている「じっちゃんの名言」を紹介します。
「若いうちは10年、どん底があってもいい」
最初の名言と似ていますが、長い人生の中で、どん底の期間があったとしても、最後に、
「ダメな時期もあったけど、結果、よかったじゃん」
と思えればいい。失敗しても、くよくよしないで人生をトータルで見ろ、というわけです。人生で、もし10年辛い時期があったとしても、残り90年が楽しかったら、それでいいじゃないか、と。
失敗しても、孤独で辛い時期があったとしても、人生の通過点に過ぎないと思えれば、乗り越えられるのではないでしょうか。
金川 顕教 (かながわ あきのり)
起業コンサルタント・事業家・作家。
◆1986年、三重県生まれ。東京都港区在住。偏差値35から大学受験を志し、2浪の末、立命館大学産業社会学部に入学。大学合格発表直後から受験勉強を資格試験勉強に切り替え、在学中に難関の公認会計士試験に合格。その後、世界一の規模を誇る会計事務所デロイト・トウシュ・トーマツグループである有限責任監査法人トーマツに就職。
◆新入社員で年収600万円が保証される生活に「これで一生安泰の人生が送れる」と思ったのも束の間、自分自身の時間が削られていく不自由さに耐えきれず、毎日の激務をこなしながら起業のための勉強を開始する。勉強期間中の副業で給料の10倍の収入を得て、軌道に乗ってきた2013年に独立。以来、事務所なし従業員なしの会社は年々売り上げを伸ばし、2018年現在の5期目は1期目の20倍の年商を見込む。
◆著書に『すごい効率化』(KADOKAWA)、『20代の生き方で人生は9割決まる!』(かんき出版)、『これで金持ちになれなければ、一生貧乏でいるしかない。』(ポプラ社)、『時給思考 1時間で10倍の成果を生み出す最強最速スキル』(すばる舎)、『シナジー人脈術 最小限の力で最大限の成果を生み出すたった1つの方法』(あさ出版)ほかがある。
●金川顕教オフィシャルサイト
http://akinori-kanagawa.jp/
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作品紹介
僕はなぜ、超メジャーな会計士事務所を辞め、高額の給料を手放し、たったひとりで働き始めたのか?本書でその「戦略」を語ろう。
定価:1,300円+税/学研プラス