君に“友だち”はいらない

金川顕教『ひとりでも、君は生きていける。』セレクション

更新日 2020.07.21
公開日 2018.04.05
  • Facebook
  • LINE
  • Pinterest

僕は金川顕教、32歳。

かつて勤めていたのは、世界一の規模を誇る会計事務所デロイト・トウシュ・トーマツグループの監査法人トーマツ。社員数約6500人。

僕はその巨大な組織を3年で辞めて、ひとりになりました。起業したのです。

事務所なし従業員なしの僕の会社は年々売上を伸ばし、4年間で約9億6千600万円を売り上げました。

今期はさらに伸び、年商が10億円に達しました。

僕は今、自由になる時間とお金、やりたいことだけをやる「楽しい人生」を大いに謳歌しています。

ここにたどり着くまで、僕の人生の戦略は、ずばり「ひとり」を貫くことでした。

僕は三重県三重郡の出身。小学校の頃から勉強はまったくせず、通っていた地元の高校は地域で下から3番目といわれるレベル。

男子はヤンキー率90%で、卒業すると、ほとんどの生徒が地元で就職か、専門学校に進学。アルバイトか水商売に行く人もいました。

大学に進学する人は、周囲にほとんどいませんでした。

おそらく、たいていの生徒は、大学といっても「東大、早稲田、慶應」くらいしか知らなかったと思います。

僕は、その頃、「起業してお金持ちになり、経済的に自由になる」という夢を持っていました。両親の離婚により経済的に苦しかったので、目指していた音大進学をあきらめたのですが、成功するためには大学に行くしかないと思ったのです。

といっても、当時の僕の偏差値はたったの35。現役の受験では、受ければ誰でも受かる大学しか受かりませんでした。

けれど、成功したかった僕は、浪人して早稲田や慶應といった“いい大学”を目指すことにしたのです。

「早慶の偏差値レベル60~70台を目指すには、ハンパな気持ちじゃ絶対に無理だな。高校の同級生と仲良くつるんでいたら絶対に受からない!」と思いました。

僕は、毎日つるんでいた友だちから静かに離れて、以来ずっと距離をおきました。

浪人して、ひとりで大学進学を目指すことにしたのです。

地元からできるだけ離れるため、朝5時起きして名古屋の予備校に通いました。

朝6時から夜の12時まで猛勉強。2浪の末、合格できたのは立命館大学の産業社会学部でした。残念ながら、早稲田や慶應には及ばなかった。

それでも、その高校から立命館大学に入ったのは、それまでの20年間で僕ひとり。高校の先生たちは驚き、喜んでくれました。

高校時代の同級生たちからは、次のように質問されました。

「リツメイカン? 何それ?」

「大学の名前だよ。京都にあるんだ」

僕は、20年間慣れ親しんだ地元を離れ、ひとり京都へ向かいました。

大学に合格したのは嬉しかったけれど、現実は「2浪」というギリギリの状態。

現役で受かった同級生と比べたら、2年遅れています。これじゃあ、給料の高い、いい企業には就職できない、と焦りました。

「やばい、お金持ちから遠くなる」。計画の修正を余儀なくされたのです。

僕は、難関資格を取得しておこう、資格があれば、当然就職に有利と考えました。

将来的に、起業する夢も持っていたので、会社の経営やビジネスの仕組みも学べる公認会計士の資格を目指すことにしました。

「大学入試では、勉強しはじめたのが遅かったから、2年浪人するはめになったんだ。

その失敗を繰り返さないため、目標を決めたらすぐ行動に移そう」、と思いました。

そこで、大学入学式の前に、公認会計士試験のスクールに申し込んだのです。

資格を目指してからは、合格体験記を読みまくりました。

すると、「大学にマトモに通っていると、受からない」という人が多かった。

なにしろ、合格率が10%ないくらいの難関資格です。しかも、僕はもともとデキるほうではない。

大学だって、2年間猛勉強してやっと入れた。

自分で言うのもなんだけど、どちらかといえばおバカです。

でも僕は、在学中にどうしても、公認会計士の試験に合格しておきたかった。2浪というハンディを縮めたかったのです。

そこで大学では、テストだけで単位が取れる授業ばかりを選びました。

合コン、サークルの飲み会、夏は海でバーベキュー……。そんな、大学生なら誰もが満喫するであろう、明るく楽しいキャンパスライフは捨てました。

僕は、孤独に資格取得を目指す「ひとり戦略」を開始したのです。

※次回から、金川氏の「ひとり戦略」を詳しくご紹介していきます。

 

(※この連載は、毎週木曜日・全8回掲載予定です。次回は4月12日掲載予定です。)

 

金川 顕教 (かながわ あきのり)

起業コンサルタント・事業家・作家。

◆1986年、三重県生まれ。東京都港区在住。偏差値35から大学受験を志し、2浪の末、立命館大学産業社会学部に入学。大学合格発表直後から受験勉強を資格試験勉強に切り替え、在学中に難関の公認会計士試験に合格。その後、世界一の規模を誇る会計事務所デロイト・トウシュ・トーマツグループである有限責任監査法人トーマツに就職。
◆新入社員で年収600万円が保証される生活に「これで一生安泰の人生が送れる」と思ったのも束の間、自分自身の時間が削られていく不自由さに耐えきれず、毎日の激務をこなしながら起業のための勉強を開始する。勉強期間中の副業で給料の10倍の収入を得て、軌道に乗ってきた2013年に独立。以来、事務所なし従業員なしの会社は年々売り上げを伸ばし、2018年現在の5期目は1期目の20倍の年商を見込む。
◆著書に『すごい効率化』(KADOKAWA)、『20代の生き方で人生は9割決まる!』(かんき出版)、『これで金持ちになれなければ、一生貧乏でいるしかない。』(ポプラ社)、『時給思考 1時間で10倍の成果を生み出す最強最速スキル』(すばる舎)、『シナジー人脈術 最小限の力で最大限の成果を生み出すたった1つの方法』(あさ出版)ほかがある。
●金川顕教オフィシャルサイト 

http://akinori-kanagawa.jp/
●理想が叶う金川顕教LINE通信 
LINE ID:@rgt0375y
●金川顕教公式無料メールマガジン 
http://akinori-kanagawa.com/lp/

 

作品紹介

ひとりでも、君は生きていける。

僕はなぜ、超メジャーな会計士事務所を辞め、高額の給料を手放し、たったひとりで働き始めたのか?本書でその「戦略」を語ろう。

定価:1,300円+税/学研プラス

バックナンバー

  • Facebook
  • LINE
  • Pinterest

あわせて読みたい