仲間のいる場所から消えると 結果が出る。

金川顕教『ひとりでも、君は生きていける。』セレクション

更新日 2020.07.21
公開日 2018.04.12
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「実行力をつけたい」「なかなか結果が出ない」

成功を目指す多くの人から聞く悩みです。僕が実践した解決方法は、シンプルです。今いる場所から消えてみること、つまり、つきあっている仲間の前から消えて、「ひとりきり」になることです。すると、運命が大きく変わりだします。

それは大学受験の時のことでした。

僕は三重県四日市市の高校に通っていました。公立でしたが、偏差値43、倍率0・97という、いわば誰でも入れる学校。男子のヤンキー率90%といわれた学校でした。僕はこの学校でブラスバンドに所属して、トロンボーンを吹き、プロのミュージシャンを目指すほど夢中になりました。

授業そっちのけで、寝ても覚めてもトロンボーン漬けの日々でした。

たまに授業に出ると、音大受験のための楽典を勉強していました。ところが、いざ受験となった時に、自分ではどうにもできない壁にぶつかりました。家にお金がなかったのです。音大の入学金や学費は高額です。そのお金が払えないことがわかった。父は、「堪忍な」と言いました。

将来の目標を見失った僕は、一瞬絶望の淵に立たされましたが、いつまでもこだわっていたら前に進めません。ミュージシャンに限らず、将来成功してお金持ちになるのが夢だったので、いろいろな本を読み、とりあえず「大学に行こう」と決めました。

大学受験を決めたものの、またしても壁にぶつかりました。

僕は勉強ができなかったのです。小中高と、学校の授業は聞いていなかったし、そもそも頭がよくなかった。高3の夏に受けた全国模試の偏差値は35でした。

一生懸命に勉強をしましたが、成績は上がりませんでした。当然です。アルファベットは最後まで言えなかったし、化学の授業で「H2O」と聞き、「知ってる知ってる、歌手でしょう」と思うほどのおバカぶりだったのですから。

現役の時の大学受験は次々と落ちまくり、唯一受かったのは、試験を受けて入学金さえ払えば誰でも入れる大学でした。

誰でも受かるような大学にこのまま入って、成功者になれるのか?

なれる人はなれるでしょうけれど、僕にはその自信がなく、結局、浪人して予備校に通い、早稲田や慶應のような、誰もが聞いたことのある〝いい大学〞に行こうと決めました。そして、もうひとつ決めたことがあります。

自分を取り巻く環境からできる限り「消えてしまう」ことです。

高校卒業後に少しだけつきあった彼女の前から消え、友人の前から消え、地元からも消えました。交流を断ち、できるだけ予備校のあった名古屋で過ごし、夜寝る時だけ地元の三重に帰ってくることにしたのです。

偏差値35から早慶に受かるには、生半可な気持ちじゃ無理。ずっと同じ人たちとつきあい、同じ環境に安住していたら、今の境遇を超えていくことはできない。高い目標に突き進むのだから、つきあう人や環境を全部変えよう、と思いました。

結局、早稲田や慶應には届かなかったものの、立命館大学に受かりました。2年かかりましたが、目標は達成できました。僕は以来、人生の節目で「消える」ことを繰り返し、そのたびに大きく成長し、ほしいものを手中に収めてきました。

今より上の境地を目指すなら、一度、周囲から消えてみることをおすすめします。

(※この連載は、毎週木曜日・全8回掲載予定です。次回は4月19日掲載予定です。)

 

金川 顕教 (かながわ あきのり)

起業コンサルタント・事業家・作家。

◆1986年、三重県生まれ。東京都港区在住。偏差値35から大学受験を志し、2浪の末、立命館大学産業社会学部に入学。大学合格発表直後から受験勉強を資格試験勉強に切り替え、在学中に難関の公認会計士試験に合格。その後、世界一の規模を誇る会計事務所デロイト・トウシュ・トーマツグループである有限責任監査法人トーマツに就職。
◆新入社員で年収600万円が保証される生活に「これで一生安泰の人生が送れる」と思ったのも束の間、自分自身の時間が削られていく不自由さに耐えきれず、毎日の激務をこなしながら起業のための勉強を開始する。勉強期間中の副業で給料の10倍の収入を得て、軌道に乗ってきた2013年に独立。以来、事務所なし従業員なしの会社は年々売り上げを伸ばし、2018年現在の5期目は1期目の20倍の年商を見込む。
◆著書に『すごい効率化』(KADOKAWA)、『20代の生き方で人生は9割決まる!』(かんき出版)、『これで金持ちになれなければ、一生貧乏でいるしかない。』(ポプラ社)、『時給思考 1時間で10倍の成果を生み出す最強最速スキル』(すばる舎)、『シナジー人脈術 最小限の力で最大限の成果を生み出すたった1つの方法』(あさ出版)ほかがある。
●金川顕教オフィシャルサイト 

http://akinori-kanagawa.jp/
●理想が叶う金川顕教LINE通信 
LINE ID:@rgt0375y
●金川顕教公式無料メールマガジン 
http://akinori-kanagawa.com/lp/

 

作品紹介

ひとりでも、君は生きていける。

僕はなぜ、超メジャーな会計士事務所を辞め、高額の給料を手放し、たったひとりで働き始めたのか?本書でその「戦略」を語ろう。

定価:1,300円+税/学研プラス

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