あなたはロジックで決める人間と好き嫌いで決める人間の、
どちらを信じるだろうか。
普通に考えれば、ロジックで決める人間だろう。
なぜならロジックで決める人間は、どんな時でもリスクが低いほうを選ぶからだ。
極端な話、ロジックで決めるという行為は、
数学の公式通りに人生を生きるのと同じで、無機質で味気ない人生につながる。
ここで私は、ロジックで生きる人生を否定するつもりは毛頭ない。
人間というのはもともと本能的な存在だから、
人生をロジックだけで生き抜くことは不可能だ
と言いたいのだ。
どんなに頭脳明晰な人間でも、ロジックでは生きられない瞬間が必ずある。
こればかりは、本人も驚くくらいだ。
世界レベルの科学者や天才プログラマーにも、必ず喜怒哀楽が存在するし、
凡人には理解できない愚かな行為をしてしまうことも
多々あるのはご存知の通りだ。
ロジックで決める人間というのは、人生の重要な分岐点において、
意外なほどに幼稚な選択をしてしまうことがあるものだ。
その人を信じていた多くの人々は「裏切られた」と感じるだろう。
これに対して、好き嫌いで決める人間はどうだろうか。
好き嫌いで決める人は、どんな時もブレずに、好き嫌いを基準に生きている。
周囲からは「あの人はいつも好き嫌いで決めるからね」と笑われたりするが、
実はそれこそが、愛されている証拠だ。
「本当ならAを選ぶところだけど、
あの人はきっとBを選ぶよ」
と噂し、実際にBを選ぶところを見て、周囲は内心大喜びするものだ。
もし、BではなくAを選んだとしても、
その理由はロジックによるものではなく、別の好き嫌いの基準があったと知れば、
周囲はより一層、大喜びするだろう。
こうしてロジックで決める人間よりも、
好き嫌いで決める人間のほうが、周囲から愛され、応援されるのだ。
私が仕事をする際も、ロジックでいくら儲かるかを念入りに計算する人より、
儲かるかどうかよくわからないけれど、好き嫌いで仕事をする人を信頼する。
結果として、好き嫌いで決めている人間のほうが、
長期的には儲かっているものだ。
(※毎週月曜日、全8回掲載予定です。次回は、10月31日掲載予定です。)
千田 琢哉 (せんだ たくや)
文筆家。 愛知県犬山市生まれ、岐阜県各務原市育ち。 東北大学教育学部教育学科卒。 日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。 コンサルティング会社では、多くの業種業界における大型プロジェクトのリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。 のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって 得た事実とそこで培った知恵を活かし、 “タブーへの挑戦で、次代を創る”をミッションとして執筆活動を行っている。
■E-mail
info@senda-takuya.com
■ホームページ
http://www.senda-takuya.com/
作品紹介
大切なことは、「好き嫌い」で決めろ!
“直感”を信じて人生を好転させる52の方法
仕事、就活、恋愛、人間関係…20代のカリスマ・千田琢哉が説く、「好き嫌い」という直感を信じて人生を好転させるための極意。
定価:1,200円+税/学研プラス
バックナンバー
- 責任感を育てるためには、 好き嫌いで生きること。
- 好き嫌いで仕事をしていると、 本物の仕事仲間ができる。
- 嫌いなことで成功すると、 寿命を縮める。
- しんどさをしんどいと感じないのが、 好きなことだ。
- 好き嫌いの決断を支えてくれるのは、 あなたの教養だ。
- 好きなほうを選んで失敗しても、 あとがある。
- 決断する前に、 もう決まっている。
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