なぜかうまくいく人は、 大切な人と、たくさんの時間を過ごす。

井内由佳『なぜかうまくいく神さまの処方箋』セレクション

更新日 2020.07.20
公開日 2016.09.23
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 人間の命というものは、限られています。
 生まれてきたからには、必ず死は訪れる。
 そうわかっていても、自分の肉親、とくに両親のこととして考えると、いつ来るかわからないその日のことに思いを馳せて、どうしようもなく悲しくて切なくて、たまらない気持ちになるものです。

 わたしは、両親が共働きだったので、子どものころは、曽祖母―ひいおばあちゃんに育てられました。ひいおばあちゃんは、とても気丈で、優しく、愛に満ちあふれた女性で、わたしは彼女のことが大好きでした。知らないうちに、「大好き~」とひとりごとを言ってしまうくらい好きだったのです。だから、いつか、ひいおばあちゃんが亡くなることを考えると、苦しくて悲しくて……。その日のことを想像しては泣く……という夜を何度過ごしたことか。
 大学に入って、ひいおばあちゃんと物理的な距離は離れてしまいましたが、こころはいつも彼女のそばにありました。しょっちゅう手紙を書き、時間が取れれば、すぐに片道2時間半の距離を厭わず会いにいっていました。
 だから、「親が死ぬことを考えるとつらくてしょうがない」という人の気持ちがわかります。

 ひいおばあちゃんは、わたしが24歳のときに、ほとんど老衰に近い状態で亡くなりました。
 当時のわたしは、東京でひとり暮らしをしていて、ギリギリの生活をしていました。
 でも、彼女が弱ってきてからは、生活を切り詰めて旅費を捻出し、できるだけお見舞いに通い、ともに時間を過ごすようにしていました。
 だから、ひいおばあちゃんが亡くなったとき、それまでずっと自分が想像していた、悲しみのどん底に突き落とされるというようなことはなかったのです。
 神さまがこう教えてくださいました。
年の順番に死んでいくのが、一番のしあわせ一番の不幸は、若い人が先に死んでいくこと。だから、親を見送れるというのは、親にとっても子どもにとってもしあわせなこと。大切な人との永遠のお別れは、胸が張り裂けるほど悲しくてつらいもの。その悲しみを軽くするのは、どれだけ自分が精一杯寄り添ってきたか
 
 もし、あなたが、ご両親や大切な人が亡くなることを想像するだけで怖かったり、苦しかったりするのなら、今のうちに、会えるだけ会っておくことです。大切な人が亡くなったときに、その悲しみに耐えられるかどうかを心配するより、どれだけたくさんの時間を一緒に過ごすかです。
「悲しみ」と「後悔」は表裏一体です。だから、後悔するようなことをどれだけ減らせるかなのです。
 それだけで、あなたの悲しみはぐんと軽くなるはずです。
 わたしだけではありません。わたしが相談に乗った方たちも、自分ができる範囲で精一杯の時間を使って一緒に過ごしたことで、見送ったあと、不思議とすっきりしたと、口々におっしゃいます。
 だから、そんなに心配しなくても大丈夫だと思いますよ。

 

井内 由佳 (いうち ゆか)

1964年福岡県生まれ。福岡市在住。福岡大学卒業後、現リクルートの福岡支社にアルバイト職として勤務。アルバイトながらもトップクラスの成績を維持し、希望した東京での勤務を認められる。90年、結婚と同時に夫と輸入自動車販売会社を起こし、91年より仕事と家事の傍ら人々の相談に応じるようになる(相談に訪れる層は、経営者、ビジネスマン、主婦、学生と幅広く、相談者は延べ2万人以上に及ぶ)。資金借入先の横領による数千万円の借金、家族の原因不明の病、待望の我が子の死産など、さまざまな試練を乗り越え、現在2男2女の母として、妻として幸せな日々を送っている。福岡、東京を中心に全国各地で開催する講演は、毎回満席になるなど人気を博している。 主な著書に、ベストセラーとなった『わたしが神さまから聞いたお金の話をしてもいいですか?』、『わたしが神さまから聞いた人間関係の裏ルールをお話しします。』(ともに総合法令出版)、『わたし、少しだけ神さまとお話できるんです。』(文屋)などがある。

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