「こんなこと、やってみたいな」
「将来、こんなふうになりたいな」
こうした夢や目標を持っている人もいるでしょう。
けれども真面目で責任感の強い人ほど、そのあとですぐ、次のような気持ちが芽生えてくるでしょう。
「でも、社会のルールに合わせなくちゃいけない」
「自分のしたいことは常識からはみ出るから、やってはいけない」
けれどもじつをいうと、その判断の基準は、ひとつではありません。
「自分がこういうことをやってみたいな」と思ったとき、それが正解になるような基準が世の中にはたくさん存在します。
それは自分でつくれるものかもしれませんし、すでに誰かが持っているものかもしれません。
会社のエース社員として大きなプロジェクトを動かすのが「正解」という基準がある一方で、自宅の一室でインターネットをつかってこだわりの趣味のお店を開くのが「正解」という基準もあります。
一流商社マンと熱烈な恋愛結婚をしてニューヨーク支店長の妻となり、セレブライフを満喫する人生が「正解」という基準がある一方で、小さな漁村の漁師さんとお見合い結婚をして、夫婦で毎日楽しく漁の網を引く人生が「正解」という基準もあるのです。
重要なのは世間に自分を合わせるのではなく、自分が正解になるような世界を見つけるということです。ただし、そのときに正解が最初から決まっている、あるいは変わらずに固定されているものだと思う必要はまったくありません。
正解は、その場その場で探っていけばいいのです。
茂木健一郎 (もぎ けんいちろう)
1962年東京生まれ。 東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。 理学博士。脳科学者。
理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職はソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。 専門は脳科学、認知科学であり、「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究するとともに、文芸評論、美術評論にも取り組んでいる。
2005年、『脳と仮想』(新潮社)で第4回小林秀雄賞を受賞。 2009年、『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房)で第12回桑原武夫学芸賞を受賞。
主な著書として、『結果を出せる人になる!「 すぐやる脳」のつくり方』『もっと結果を出せる人になる! 「ポジティブ脳」のつかい方』(ともに学研プラス)、『人工知能に負けない脳』(日本実業出版社)、『金持ち脳と貧乏脳』(総合法令出版)などがある。
作品紹介
「フラットな脳」で自分らしく、楽しく生きると「大きな結果」がついてくる! 大ヒット作「すぐやる脳」に続くシリーズ第2弾!
定価:本体1,300円+税/学研プラス
バックナンバー
- 七百万回再生された 「ウェーイ!」
- 「自分」が正解になる世界を見つけよう②
- 「好き」なことなら、 人間は本当に頑張れるのか?
- 本当にポジティブな人とは、 自然体の人
- その頑張りは エネルギーのムダづかいかも…
- なぜ、「ポジティブ脳」でなければいけないのか?
- もう悩まない! 大きな結果が出る「ポジティブ脳」を手に入れよう