「でも、私は、楽ちんであることより、立派な人間でいたいんだ」
「でも私は、楽ちんであるより、ストイックに成長していきたいんだ」
と思うかもしれませんね。わかります。
でも、ちょっと聞いてください。
この仕事を通じて、僕は今までに、たくさんの人とお会いしてきました。
なかには、会社役員や会社経営者など、いわゆる地位や名誉のある人たちもたくさんいました。
その経験からすると、ストイックにがんばってきたタイプの人より、どこかぼーっとしている人のほうが、安定した地位を保っているものなんです。
その人たちは、見るからに、ゆるゆるに緩んでいます。
「私なんて、いてもいなくても同じなんです」「部下が切れ者ばかりなんで、全部任せています」「こんなんですから、部下にもバカにされるんですよね」なんてヘラヘラしています。
みな地位や名誉に対するこだわりがありません。
言い換えれば、これは「地位や名誉がなくても自分は大丈夫」という自信がある、ということなんですね。
だからこそ、平気でヘラヘラしていられる。おもしろいことに、この緩み加減が、彼らに安定した地位や名誉をもたらしているのです。
一方、ストイックにがんばる人、切れ者といわれる人は、いったんは上り詰めても、その後、急降下してしまう、というケースが多いのです。
「がんばって得た地位や名誉、それらあっての自分」と思うので、地位や名誉へのこだわりが強くなります。
そして、こだわりが強くなるほど疑心暗鬼に陥り、やがては味方を失い、落ちてしまう、という皮肉なことが起こります。
よく「張り詰めた糸ほど切れやすい」といいますが、そのとおりですね。
僕は、成長しようとすることをやめよう、がんばることをやめよう、と言いつづけていますが、成長そのものを否定しているわけではありません。
むしろ、成長しようとしている限り、がんばっている限り、絶対に手にできないようなレベルの、びっくりするような成長を遂げるには、どうしたらいいか?
ということをお話ししているわけです。
あなたは成長したい、のですよね。
今のあなたが、したくて、したくて仕方がない成長とは、「できる人」を目指してストイックにがんばったから得られるものではありません。
アホで、ダメで、ダランと緩んだ状態でいることで得られるもの。ありのままの自分でいられるもの。「自分らしく」いられるもの。
僕がお伝えしたいのは、この点なのです。
心屋仁之助 (こころや じんのすけ)
心理カウンセラー。個性を生かして性格を変え、自分らしく生きるための手助けをする「性格リフォームの匠」として、テレビ出演でも話題になる。
大手企業の管理職として働いていたが、自分や家族の問題がきっかけとなり、心理療法を学び始める。現在は京都を拠点として、全国各地でセミナー、講演活動やカウンセリングスクールを運営。
その独自の「言ってみる」カウンセリングスタイルは、たったの数分で心が楽になり、現実まで変わると評判。現在は個人カウンセリングは行っていないが、スクール卒業生により全国各地で心屋流心理学のセミナーやボランティアでのグループカウンセリングが広く展開されている。
■公式ホームページ「心屋」で検索
http://www.kokoro-ya.jp/
■公式ブログ「心が 風に、なる」
http://ameblo.jp/kokoro-ya/
作品紹介
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