「したいことがたくさんある」と言う人は、何もしていない人です。
試さないで「したい」と思うことと、実際に試して「し続けたい」と思うこととは、まったく違います。
「ピアノを習いたかった」「バレエを習いたかった」「バイオリンを習いたかった」と言っている人は、実際に習って、それを10年20年続けるよりも、三日坊主でやめてしまう確率のほうが圧倒的に高いのです。
試してみて、「こんなものか」ということに早く気づくことです。
これが、シンプルな生き方です。
そうすれば、捨てられます。
「○○さえあれば、うまくいくような気がする」と思っている人は、永遠に捨てられません。
試していないことは、心の中に未練として残ります。
独身の人は、「結婚したら幸せになる」と思っています。
そういう人は、1回結婚して、早く別れてみるといいのです。
そうすれば、結婚にヘンな願望はなくなります。
結婚しても、何事も変わらないことに気づくのです。
「いい会社に入ったら幸せになれる」と思って頑張っている人は、まず、いい会社に入ってみます。
やっぱり、何も変わらないことに気づきます。
持ち物や所属によって、人生が変わることはないのです。
どんなことも、試してみないとわかりません。
「会社を辞めたい」と言っている人は、実際に辞めてみることです。
そうすれば、会社のありがたみがわかります。
それがわかったら、また再就職すればいいのです。
再就職では、条件は下がります。
ただし、迷いがなくなります。
プラマイで考えると、迷いがないことのほうが圧倒的にストレスが減って、生き生きと仕事ができます。
1度も会社を辞めたことのない人は、辞めて再就職した人より給料は高いのです。
そのかわり、たくさんもらっている給料のほとんどをストレス除去に使うことになります。
結果として、残る金額はマイナスになるのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
シンプルな人は、仕事も、恋愛も、人間関係もうまくいく。いらないものをそぎ落とすことで、チャンスをつかむ方法を紹介。
定価:本体1,300円+税/学研プラス
バックナンバー
- 軸とは、それがかなえば、 ほかのすべてを犠牲にできることだ。
- 完璧主義は、自分のため。 丁寧は、相手のため。
- 断る時に、理由をつけない。
- 試すことで、捨てることができる。
- 実行より、完了をする人が少ない。
- 体験を増やすと、持ち物は減る。
- 安い服を毎日着がえるより、 いい服を毎日着る。
- ヒーローは、シンプル。 悪役は、ゴテゴテ。