片づけをする時に、「とりあえずこの雑誌はもう捨てましょう」と言うと、「片づけた感じがしない」と言う人がいます。
その人の頭の中では、雑誌を1冊捨てるかどうかはたいしたことではないからです。
片づけというと、何かもっと大きいモノがドンとなくなることを想像している人が多いのです。
ところが、片づけは大きなモノより、小さいモノで差がつきます。
小さいモノの積み重ねは、目につきません。
大きいモノは、すぐ目につきます。
片づけが苦手な人は、なんとか大きいモノを片づけて、1個でラクになろうとします。
実際は、大きなモノからは捨てにくいです。
いきなりソファーを捨てるのは、抵抗があります。
たしかに片づけの流れは大きく変わりますが、心理的な抵抗感があるので「やっぱりできません」という話になります。
小さいモノを捨てるのは、それほど抵抗感がありません。
小さなモノを頻度も数も多く片づけることで、結果として家の中のモノが圧倒的に減るのです。
会社でも同じです。
書類1枚でも捨てることで、変わります。
これを「1グラム主義」と言います。
多くのモノを片づけようとするのは、「キロ主義」です。
キロ単位で、モノを捨てたいと思っている人です。
片づけは、1グラムでも部屋を軽くするという意識でやればいいのです。
自分の体は1グラムでも軽くしたいと考える人が、部屋になると一気にキロ単位で考えるのです。
片づけは、キロ単位でやらないと効果がないような気がするからです。
怖いのは、部屋の中で1グラムのモノがあちこちで増えていくことに対して鈍感になることです。
こういう人は、トータルとしてモノが増えます。
まずは部屋の中のモノを、1グラム単位で減らすことです。
1グラムでも減らそうと思うと、紙1枚でも捨てるようになるのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
片づけられる人は、うまくいく。
人生を変える「捨てる」習慣65
片づけられる人は、仕事でも、恋愛でも、チャンスをつかむ。「捨てる」ことで、人生が変わる65の方法を紹介する。
定価:本体1,300円+税/学研プラス
バックナンバー
- 片づいている人は、 誘われてすぐ出かけられる。
- 「少し足りない」が、ぜいたく。
- 安いから買ったモノには、 愛がない。
- 仕事の前に、片づけるのではない。 片づけることが、仕事だ。
- 片づいた部屋ではなく、 片づいた部屋にいる自分をイメージする。
- 片づけることで、事故をなくそう。
- 机の上を片づけないと、コールバックが遅れる。
- 部屋を片づけることで、考え方を変えるキッカケができる。