準2級のライティングで求められるのは「身近な話題について短く簡単な表現で書く力」だ!

2017年度第1回から,準2級と3級にライティングテスト(英作文問題)が導入されました。ここでは準2級の大問5の英作文問題について,出題内容や基本的な攻略法をいくつか見ていきましょう。 もくじ1 大問5の出題内容(問題形 […]

公開日 2018.04.13
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準2級のライティングで求められるのは「身近な話題について短く簡単な表現で書く力」だ!

2017年度第1回から,準2級と3級にライティングテスト(英作文問題)が導入されました。ここでは準2級の大問5の英作文問題について,出題内容や基本的な攻略法をいくつか見ていきましょう。

大問5の出題内容(問題形式)を確認しよう!

●あなたは,外国人の知り合いから以下のQUESTIONをされました。
●QUESTIONについて,あなたの意見とその理由を2つ英文で書きなさい。
●語数の目安は50~60語です。
●解答は,解答用紙のB面にあるライティング解答欄に書きなさい。なお,解答欄の外に書かれたものは採点されません。
●解答がQUESTIONに対応していないと判断された場合,0点と採点されることがあります。QUESTIONをよく読んでから答えてください。
 
【QUESTION】
Do you think students should have a part-time job?

指定されたトピックについての英作文を書く問題です。自分の意見とその裏付けとなる理由を,適切な語いと文法を使用しながら英文で論述する能力が問われます。「英作文」というと難しそうに思えるかもしれませんが,あくまでも準2級で求められているのは,身近な話題について短く簡単な表現で書く力です。ここで述べる注意点を押さえれば,しっかり解答できるでしょう。

解答の注意点はこれだ!

指示を守る

「意見とその理由を2つ」という点と「50~60語で書くこと」という指示を守りましょう。その上で,解答がQUESTIONに対応していることが重要です。例えば,上の問題例では「学生は学校でクラブ活動に参加するべきだと思いますか」と問われているので,表現がどうであれ,「思います」か「思いません」のいずれかで答えるのが普通です。仮に「学生は運動をするべきだと思います」のように,ずれた答えを書いてしまうと,最悪の場合,採点の対象外になるかもしれません。

50~60語という語数については,以下に述べる基本構成に沿って書いていけば,おのずとそれくらいの語数になるはずです。

基本構成を意識する

英語でわかりやすく論理的に意見を述べるためには,以下のような構成に沿って「意見→理由→結論・まとめ」の流れを作りましょう。

1.序文でQUESTIONに対する意見をはっきりと述べる
2.I have two reasons.と理由が2つあることを述べる
3.2つの理由を述べる
4.結論・まとめ

解答の型は次の3つが基本!

①I think that students should have a part-time job. I have two reasons. ②First, students can make money. They can spend the money on their studies, hobbies and so on. ②Second, they can learn about business. It will be helpful when they become adults. ③For these reasons, I think they should have a part-time job.

まず「…だと思う」と意見を述べます。「…ではないと思う」ならI don’t think that …などと表現します。
「第1に…」「第2に…」と順に理由を説明します。準2級の英作文では理由が2つ必要です。
「こうした理由で…」と結論・まとめを述べます。ただし,語数がきつければ省略してもOKです。

書く前の準備として「ブレインストーミング」をしよう!

準2級の英作文問題では,賛成・反対いずれかの意見を,2つの理由をそえて述べなければなりません。語数的にも詳しい説明や多くの具体例を盛り込むことは難しいので,制限時間内にシンプルでわかりやすい理由を選び,英語で表現する必要があります。

そこで,実際に書き始める前に,賛成・反対それぞれの立場に使えそうな理由を素早く,思いつく限り書き出すことをお勧めします。このようにできる限りアイディアを出してから問題に取りくむやり方を「ブレインストーミング」と言います。

ブレインストーミングの例

【QUESTION】

Do you think English education in Japan should start earlier?
(あなたは日本の英語教育はもっと早い時期に始めるべきだと思いますか)

賛成 反対
・子どもの方が言葉の吸収が速く,楽しく学べる
・外国語の習得にはたくさんの練習が必要
・子どもの頃に始めないと自然な英語を身につけるのが難しい
・母語をしっかり習得してから外国語を学んだ方がよい
・子どもに英語を教えるための人材が不足している
・外国語習得に一番向いているのは中高時代である

コツは,始めは賛成・反対を決めないこと。両方の立場に使えそうな理由をなるべく多く書き出しましょう。上の表は日本語で箇条書きした例ですが,他には英語のキーワードを書き出す,小さな吹き出しを作って関連したものを線でつなぐ,などの方法があり得ます。

書き出したアイディアを眺めながら,賛成・反対のどちらが書きやすそうかを判断し,その上で使いやすそうな理由を2つ選びます。その際「説得力」と「英語にしやすいか」の2点を判断材料にしましょう。

英文作成のコツは「日本語のパラフレーズ」だ!

せっかく思いついた内容ですが,それをすぐにそのまま英文にするのはミスのもとです。例えば,「子どもに英語を教える人材が不足している」をそのまま英文にするのは,なかなか難しそうです。でも,
→「子どもに教えられる英語の先生が十分にはいない」
 (There aren’t sufficient numbers of teachers who are able to teach English to children.)
→「小学校の英語の先生は多くない」
 (There aren’t many elementary school English teachers.)
→「小学校の英語の先生がもっと必要」
 (We need more elementary school English teachers.)
といった具合に,シンプルな日本語に言い換えていけば,どこかのタイミングで,自信のある英語で表現できるようになるはずです。このような言い換えをパラフレーズ(パラフレージング)と言います。

日本語パラフレーズによる英文作成のコツ

訳しやすい日本語にパラフレーズしてから,自信のある英語で表現します。ためしに,他のアイディアも,それぞれパラフレーズして英文に仕上げていきましょう。

●賛成理由
・子どもの方が言葉の吸収が速く,楽しく学べる
 →子どもは言葉を学ぶのがうまく,学ぶことをenjoyできる。
 →Children are good at learning languages and can enjoy learning.
・外国語の習得にはたくさんの練習が必要
 →英語を学ぶためには,たくさん練習しなければならない。
 →You have to practice a lot in order to learn English.
・子どものころに始めないと自然な英語を身につけるのは難しい
 →自然な英語を話すには,子どもの頃に学び始めなければならない。
 →You have to start learning English when you are a child in order to speak natural English.
●反対理由

・母語をしっかり習得してから外国語を学んだ方がよい
 →日本語をmasterしてから英語を学ぶべきだ。
 →You should learn English after you’ve mastered Japanese.
・外国語学習に一番向いているのは中高時代である
 →英語を学ぶためにbestの時は,中学・高校生である時だ。
 →The best time for learning English is when you are a junior high or senior high school student.

当然,ある程度の表現と文法を知らなければ,何も英語にすることはできません。しかし,うまくパラフレーズすることで,「自分にとって英語にしやすい日本語(実際には日本語が表す意味)」が見えてくることでしょう。自分の得意な英語表現が使えるように,内容の方を調整する,それが日本語パラフレーズのねらいです。

英作文を攻略して準2級合格を目指そう!

いかがでしたでしょうか。今回紹介した攻略法をもとにして勉強すれば,英作文に苦手意識のある人も対策が立てやすくなると思います。ぜひ,準2級合格を目指してがんばってください!

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