現代の子どもたちは、生まれたときからスマートフォン(スマホ)が身近にあり、保護者の方のスマホで動画を見たり、ゲームをしたりするのもお手の物ですよね。
小学生になると、周りでも自分用のスマホを持っているお友だちがちらほら出てきます。いつかは子どもにスマホを持たせるつもりでも、いざ持たせるとなると、さまざまな心配事が浮かんで来るというのも本音なのではないでしょうか。
そこで、子どもにスマホをいつから持たせるか、そして持たせるときの注意などについてまとめました。
スマホを持たせるタイミング
子どもにスマホを持たせるタイミングは、ご家庭の事情や教育方針によって大きく異なります。小学生のうちから持たせているご家庭もあれば、高校卒業までは持たせないというご家庭まで、まちまちです。
しかし、2017年の調査では、小学4~6年生のスマホ所有率が6割を超えており、スマホを持たせる年齢はだんだん早くなっている傾向にあります。(出典:調査会社デジタルアーツ)
また、インターネットで調べるという宿題を出す小学校もあり、スマホはないけれどタブレットやパソコンなどは使っているご家庭も増えています。
情報機器を適切に使って問題を解決する力は、これから子供たちにとってますます重要になると考えられており、学校教育でもこの力を育む教育を進めることが決められています。
何のためにどうやって使うか、してはいけない使い方にはどのようなものがあるか、を事前にしっかりと決めて使うのであれば、小学生のうちにスマホを持たせても早すぎるということはないようです。
子どもにスマホを持たせたきっかけ
・小学生
小学校の高学年になると、子どもが1人で留守番をすることが増えるご家庭もあります。また、電車通学をしていたり、習い事や塾など放課後に出かける範囲が広くなったりする時期でもあります。携帯電話の普及とともに公衆電話が少なくなっていることもあり、送り迎えの連絡用に子どもにスマホを持たせるケースが多くあります。年代別にご紹介します。
低学年(小学校1~3年)
低学年のうちは、子ども同士のコミュニケーションツールというよりも、保護者が子どもとの連絡手段や居場所の確認に使うことがほとんどです。インターネットの閲覧やゲーム機能などは必要のない時期なので、キッズ携帯などでも十分な時期です。
高学年(小学校4~6年)
高学年になると、居場所確認や連絡手段の他に、自分で調べ物をしたいという好奇心が湧く時期でもあります。キッズ携帯には検索機能がないため、子ども用のスマホや、ゲームや動画を制限できるスマホを与えるというケースも増えてきます。
・中学生
保護者の方の世代は、中高生のころにポケベルやPHSが流行し、家の電話とは別に個人のコミュニケーションツールを持っていたのではないでしょうか。自分たちの経験を踏まえて、中学生になるとスマホを持たせる保護者の方が増えてきます。
周りが一気に持ち始め、スマホを持っていないと友だちとの連絡手段に困るという事態も出てきます。校風や住んでいる地域にもよりますが、仲良しグループでのグループLINEがあるなどの場合は、持っていないと学校で話に加われないということもあるようです。
・高校生
交友関係や行動範囲もグッと広がる時期です。アルバイトなどをすることもあり、責任ある行動を少しずつ求められる時期です。また、ほとんどの子どもがスマホを所有しているという年代でもあります。有害サイトを見ない、有料コンテンツにのめりこまないなどということも含めて、自己管理をさせながらスマホを持たせるという保護者の方もいらっしゃるようです。
子どもにスマホを持たせることのメリットとデメリット
子どもにスマホを持たせることについては、メリットとデメリットの両面があります。
〈主なメリット〉
・GPS機能で子どもの位置情報が分かるので安心
・調べ物や学習アプリなど勉強にも使え、学力の向上につながる
・災害時の連絡手段になる
〈主なデメリット〉
・個人情報の流出
・いじめや事件に巻き込まれるといったSNSトラブル
・ゲームなどへの過度な課金
ご家庭の状況は千差万別ですので、メリットとデメリットをよく検討し、自分の子どもにはいつごろ持たせるべきかを冷静に判断する必要があります。
持たせるときにはルールが必要
スマホには、子どもにとって友だちとのコミュニケーションや、ゲームなどの欲求を満たしてくれるコンテンツがたくさんあります。デメリットを子ども本人に自覚させることなくスマホを渡してしまうと、トラブルの可能性を高めてしまいます。
お子さまがうまくスマホと付き合えるようにするために、ルール作りをし、必ず守らせることが必要です。次にご紹介するようなルールを参考にして、ご家庭でルール作りをしてみてはいかがでしょうか。
〈スマホに関する子どもとのルール〉
・小学生の間は閲覧するサイトを限定する
・保護者が閲覧履歴やメールなどのチェックをする
・写真のアップロードはしない
・21時以降は保護者に預ける
・学校には持って行かない
・ルールを守れなかったら3か月使用禁止
楽しいだけではないのが、インターネットの世界です。子どもたちは楽しいことばかりに目が行きがちですが、その反面リスクやデメリットも必ずあるということを親子で理解しておくことが重要です。お子さまをトラブルから守るためにも、自分で責任が取れるようになるまでは、保護者とのルールを守るように約束をさせましょう。
また、2018年からは18歳未満の子どもがスマホを使用する場合、あらかじめ閲覧できる情報を制限できるフィルタリングの設定をすることが義務化されました。購入時に店頭で設定をしてもらえますが、閲覧制限をするフィルタリングだけでは防げないリスクもあります。小学生のうちは、通常のスマホにフィルタリングの設定をするだけではなく、子ども向けの制限や管理機能がついたスマホがおすすめです。
お子さまにスマホを持たせるには、心配がつきものですが、大人になるまで持たせないというのも難しいのが現状です。スマホを取り巻く状況も年々変化していますので、安全にスマホを持てるように親子で一度話し合う機会を持つのはいかがでしょうか。
フィルタリングについては、「子どもを有害サイトから守る、保護者によるフィルタリングって、どうやってやるの?」でも、ご紹介しています。ぜひ参考にしてください。
子どもを有害サイトから守る、保護者によるフィルタリングって、どうやってやるの?
ライター marie
園児である子どもの子育てとライティング業務をこなすママライター。未就学児のころから英語教育を始めるなど、児童教育に興味を持ち、親子ともどもさまざまなことにチャレンジしている。
※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。
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