子どもが本を好きになる! 就寝前に親子で本を読もう

就学前の学び・小学生の学び・子育て

公開日 2018.05.16
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 読書は子どもの表現力や理解力などを向上させることが分かっています。いつの時代も保護者は子どもに、「本を好きになってほしい」「たくさん本を読んでほしい」と願っています。しかし、ただたくさん本を与えればいいというわけではありません。興味がないのに無理やり本を読ませると、逆に苦手になってしまう場合もあります。

 本を好きにさせる方法として、就寝前の読み聞かせがおすすめです。就寝前の読み聞かせのさまざまなメリットとおすすめの本をご紹介します。

就寝前の読み聞かせで安眠できる

 節分の豆まきをした夜に、子どもが鬼の夢を見てうなされてしまった、というような経験はないでしょうか。子どもの世界は、大人とは比べものにならないほど日々大きく広がっています。そのため、驚きや興奮など、起きているときの体験が睡眠に大きく影響を及ぼします。

 一日の終わりの就寝前に、優しい声で本を読んであげることで、子どもの不安な気持ちが和らぎ、安心して眠りにつくことができます。親子で一緒に本を読む時間は、子どもにとって保護者と密な時間を過ごすとても幸せなひとときです。就寝前に少しでも安らぎのある時間を過ごすことで、子どもを怖い夢から救うこともできます。

 特に、幼稚園などに通い保護者と離れる時間が増えてくる幼少期は、保護者の想像以上に不安や緊張を抱えていることがあります。本などを通して一つの世界を共有することで、離れている間に感じていた不安や緊張を解きほぐすことができます。

ルールを作れば生活のリズムができる

 就寝前に読み聞かせの習慣を作ると、それに合わせて生活のリズムが整っていきます。例えば、19:40~20:00までの間を読み聞かせの時間というように一緒にルールを決めると、子ども自身が自然にそれに合わせたスケジュールを組んで生活をするようになります。

 だらだら遊んでしまいなかなかベッドに入りたがらない、集中できずに食事の時間が長いということが習慣になってしまっているなら、「のんびりしていると、本が読めなくなっちゃうよ」などの声掛けをすることで、次第に自主的に時間を意識した行動ができるようになるでしょう。

読み聞かせは楽しい入眠儀式

 就寝前に毎日決まって行う流れが入眠儀式です。「お風呂に入る」「歯を磨く」「トイレに行く」など、子どもの気持ちを就寝へ向けていく一連の行動ですが、子どもにとっては面倒だと感じることも多く、なかなかやりたがらないこともあるでしょう。

 しかし、読み聞かせは子どもが楽しくできる入眠儀式です。積極的にやりたいと思える入眠儀式があれば、それにつられて生活のペースが無理なくでき上がります。

実は保護者の心の安定にも効果的

 子育て中は、昼間は仕事や家事で忙しく、ついつい子どもを怒りすぎて自己嫌悪になったり、子どもの成長に対する不安が思わぬストレスになったりします。読み聞かせを通して子どもとゆとりを持ったコミュニケーションをすることで、子育てに対する不安やストレスの解消をすることができます。

 実際に、スキンシップとコミュニケーションの時間が増え、幸福感を感じると、「愛情ホルモン」と呼ばれる「オキシトシン」の分泌が活発になります。これはストレスの軽減に役立ちます。

読み聞かせの本の探し方

 どんな本を読めばいいか、子どもが興味を持つのはどんな本か、と読み聞かせる本について悩んでしまうこともあるでしょう。せっかく買った本に子どもが興味を持てない、ということもあります。

 そんなときは図書館を活用してみてはいかがでしょうか。さまざまなジャンルや作家の本が揃っていて、時間を気にせずゆっくりと選ぶことができます。

 忙しくて図書館に行く時間が取れないという方や、たくさん借りるのが面倒という人は、学研ゼミの「学研図書ライブラリー」がおすすめです。月額500円(税抜)で約600冊の学研の図書がPCやタブレットなどでいつでも読み放題になります。就寝前にタブレットなどを見せたくない、という方は、昼間のうちに子どもと本を選んでおき、夜は読み聞かせにだけ使う、というように使い分けてはいかがでしょうか。

就寝前の読み聞かせにおすすめの本

 就寝前の読み聞かせには、短時間で読めるお話がおすすめです。最初から長いお話に挑戦すると、読み手の保護者も聞き手の子どもも疲れてしまいます。短いお話が複数まとまった本は、次の読み聞かせの時間を楽しみにして待つことができます。おすすめの本を学研図書ライブラリーの中から、選び方のポイントと合わせてご紹介します。

・世界の昔ばなし19話(3歳~小学生(低学年)向け)
 この本を選んだポイントは絵の可愛さです。ただ読み聞かせるだけではなく、子どもと絵を見ながら「かわいいね」「面白いね」などたくさんのコミュニケーションが取れます。内容には「三びきのこぶた」「大きなかぶ」「ジャックと豆の木」など世界中で愛されてきた昔話から選ばれた19話が収録されています。それぞれのお話に幼児教育現場で人気のイラストレーターが手掛けた魅力的な絵が入っています。テイストもさまざまなので、男の子、女の子に関わらずお気に入りのお話がきっと見つかるでしょう。
「世界の昔ばなし19話」学研図書ライブラリーで試し読みしてみる

・星と神話のおはなし20話(3歳~ 向け)
生活の中の発見とつながるお話の中でおすすめなのが星座のお話です。お話の後には、夜空を見上げれば何度でも親子でお話を思い返してコミュニケーションを取る機会が持てます。この本の中には12星座を中心とした星座にまつわるギリシャ神話や、七夕など日本の風習の由来となったお話が20話収録されています。難しいイメージのあるギリシャ神話がやさしく簡潔にまとめられ、分かりやすい内容です。大人も「そうだったのか」と新しい発見があり楽しめます。
「星と神話のおはなし20話」学研図書ライブラリーで試し読みしてみる

まずは本を読む時間を好きになろう

 読み聞かせをしても、すぐに子どもが読書好きになるわけではありません。なかなか本に興味を持てない子どももいます。まずは、本そのものよりも「本を読む時間」を好きになるということから始めましょう。

 身近な保護者が本を楽しんでいる姿を見せていれば、次第に子どもの興味が本そのものに向いていきます。毎日10分でもいいので読み聞かせの習慣を続けることが、子どもに本の魅力を伝えるための第一歩です。

 

ライター:marie
園児である子どもの子育てとライティング業務をこなすママライター。未就学児のころから英語教育を始めるなど、児童教育に興味を持ち、親子ともどもさまざまなものにチャレンジしている。

※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。

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