小学校に入学する6〜7歳前後の時期は、「勉強の適齢期」です。着替えや片付け、歯みがき、トイレなどの生活習慣的なものがひと通り自分でできるようになることからもわかるように、この時期は習慣づけを行うのに適しています。ここで勉強に対する意識づけをしっかりできた場合と、できなかった場合では大きな差ができてしまいます。
小学校入学前は、「小学生になったら、勉強を頑張ろうね」、「入学したら、字を習ったり、計算を勉強したりするんだよ」などと話すことは自然でしょう。子どもも背伸びしたい時期ですから、勉強への興味を盛り上げるのにいい時期です。
そして、お母さんが大好きな時期ですから、親の言った言葉が届きやすい時期でもあります。10歳ごろになると、早い場合は思春期の入口になってきますから、子どものために親が言っている言葉も届きにくくなってしまうのです。
「勉強好きにして、頑張れる子にしたい」、「努力を惜しまず、勉強を続けて頑張っていってほしい」と考えているのなら、勉強の適齢期を逃さずに、お母さん自らが働きかけてあげることが大切なのです。
和田 秀樹 (わだ ひでき)
1960年大阪府生まれ。精神科医・教育評論家。東京大学医学部卒。国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)、一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)。精神分析学(特に自己心理学)、集団精神療法学等を専門とする。受験アドバイザーとしても精力的に活動し、志望校別勉強法の通信教育・緑鐵受験指導ゼミナールを主宰。東京大学をはじめとする難関大学に挑戦する受験生を指導している。映画初監督作品『受験のシンデレラ』がモナコ国際映画祭最優秀作品賞を受賞するなど、文化面でも幅広く活躍中。
作品紹介
どんな環境でも心が折れずに立ち上がる、「頑張る子」の育て方を、教育評論家・心理学者の和田秀樹氏が本音でコーチ!
定価:本体1,300円+税/学研プラス
バックナンバー
- 勉強が足りなかったことを伝える
- 「わからない」と「できない」が勉強嫌いをつくる
- 才能の芽を伸ばすようなサポートを
- 自己肯定感を育むには、「勉強」がいちばん!
- 「頑張れる子」が身につけている7つの習慣
- 自己肯定感が芽生えたら、ほめられる体験を
- まずは「自分が好き」という気持ちをもたせよう
- 「頑張れる子」と「頑張れない子」の差はどこから? いつから?