家康の第2の天下統一の秘訣は、筆まめだったこと。

千田琢哉『20代で知っておくべき「歴史の使い方」を教えよう。』セレクション

更新日 2020.07.30
公開日 2017.07.17
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 あなたは徳川家康が筆まめだったことを知っているだろうか。
 おそらく、戦国武将の中でも、トップクラスの筆まめだったはずだ。
 そして、そんな筆まめの集大成として大きな実を結んだのが関ヶ原の戦いだった。
 当然、彼はこれが天下分け目の戦いになることを知っていたから、勝利するため、ありとあらゆる人脈に“ラブレター〟を書きまくったのだ。
 当日、援軍として一緒に戦ってくれたらこんなご褒美を約束するとか、出世を約束するなどというように、片っ端から口説きまくった。
 もちろん、それが唯一の理由ではないが、関ヶ原の戦いが当初1週間は続くだろうという周囲の予想に反して、わずか半日で決着がついてしまったのだ。
 すなわち、敵将の寝返り行為により、家康に断然有利に事が運んだからである。
 直接的にも間接的にも、家康の地道な根回しが功を奏したのだ。
 これは、現在のサラリーマン社会においても、重宝される知恵ではないだろうか。
 私は冗談ではなく、義務教育に2科目追加したほうがいいと考えている。
 それは「お金の勉強」と「根回し」だ。
 この二つは、どんな世界で生きていくためにも最重要になることは間違いないのに、社会に出てから独学で身に着けなければならない。
 もちろん、独学で学んだ人たちの多くは成功者の仲間入りを果たしているが、そうでない人たちは日の目を見ないままで一生を終えている。
 私の場合、大学時代に読書によってこの二つを徹底的に予習することができたし、社会に出てからそれを検証することもできた。
 私が筆まめでハガキ術の本も出しているのは、家康のおかげも確実にある。
 ここだけの話、他が同じ条件なら、筆まめのほうが人とお金から断然モテる。

(※この連載は、毎週月曜日・全8回掲載予定です。6回目の次回は7月24日掲載予定です。)

 

千田 琢哉 (せんだ たくや)

文筆家。 愛知県犬山市生まれ、岐阜県各務原市育ち。 東北大学教育学部教育学科卒。 日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。 コンサルティング会社では、多くの業種業界における大型プロジェクトのリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。 のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって 得た事実とそこで培った知恵を活かし、 “タブーへの挑戦で、次代を創る”をミッションとして執筆活動を行っている。

■E-mail
info@senda-takuya.com

■ホームページ
http://www.senda-takuya.com/

作品紹介

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