人がこの世に生を受けたのは、決して「単なる偶然」でも「親の都合」でもなく、それなりの理由があり、誰もが自分の描いた「魂のシナリオ」に沿った人生を歩もうと決めて生まれてきている―そのように私は受け止めています。
その理由は、前作『魂のシナリオどおりに生きていますか?』でも詳しく述べてありますが、これまで二度の臨死体験を通してそのような輪廻の仕組みをかいま見させていただき、また拝殿にて数多くの相談者をお迎えする中で、人生の幸・不幸を招く原因と結果をつぶさに見せられてきたからです。
魂から見れば、人はこの世で成すべきことを成し得た時に喜びを感じます。
その魂の成すべきこととは、己の欠点を直し、不足を補い、心を成長させることです。なぜなら、誰もが魂を向上させるために、今、この現世に生まれてきているからです。
人が生まれ変わることを「輪廻転生」と言いますが、輪廻転生の目的は、心の汚れ、すなわち自分の欠点・短所に気づいて直し、美点・長所を活かすことによって心を成長させ、魂を向上させるためです。
ですから、私は、「この世は魂を磨くための修行の場」と捉えています。
言い換えれば、この世に生まれてきた限り、どんな人でも向き合わなくてはいけない魂の課題があり、それを良いこと、悪いことのさまざまな体験の中で気づかせてくれるのが、縁あって出会う身近な人たちなのです。
この世で成すべき課題は、人それぞれの持って生まれた「カルマ」によって異なります。
カルマとは、転生する前(過去世と言います)にその人が成したすべての行い、業です。良きにつけ悪しきにつけ、カルマは前世から現世に引きつがれ、現世のカルマはまた来世へと引きつがれていきます。
つまり、過去・現在・未来というひとつながりの流れの中で、カルマに応じた課題を克服しながら魂を磨き、輝かせていくことが、この世に生まれてきた理由であり、魂の望みでもあるのです。
この世における幸せの基準は、人によって違うでしょう。
しかし、ほとんどの人にとって、身近な人たちとの間で良好な関係を育むことができれば、より深い幸福感が得られるのではないでしょうか?
たとえ一緒にいられる時間が短かったとしても、大切な人との間で強い絆が築けたり、深い交流ができたならば、自分の人生は幸せだったと思えるのではないでしょうか。
それは、まさに魂が望んでいるからで、とりわけ、親兄弟、夫婦、親類、親しい友人、職場の仲間などはお互いに魂を磨きあう関係です。
また、会う機会はさほど多くなくても、自分の生き方や人生に大きな影響を与えてくれた心の師と呼べるような人も、魂の成長を促してくれるかけがえのない存在でしょう。
そこで、この本では、そのような身近な人たちとの交流を通して幸せに生きるためのヒントについてお伝えしたいと思います。
木村 藤子 (きむら ふじこ)
1947年、青森県出身。地元で有名だった霊能者の母のもとに生まれる。
高校卒業後、信用組合につとめるが、30代の時に神の声を聞き、霊視・透視能力を授かる。
1990年、青森県むつ市内のデパートで開催された爬虫類ショーのニシキヘビが逃げた際、ヘビの居場所と見つかる時間を正確に透視。このヘビ騒動が全国に報道されたことから、「ヘビの神様」「青森の神様」と呼ばれ、一躍有名に。現在、霊能者として日々多くの人の悩み相談に応じている(一男一女の母親でもある)。
著書に『「気づき」の幸せ』『あなたを変える「気づき」』『幸せをつかむ 気づき暦』(以上、小学館)『幸せの絆』『幸せの風が吹いてくる』『幸せの詩が聞こえる』『神様が伝えたいこと』『母であるあなたに気づいてほしいこと』『気づく力』『新・気づく力』『木村藤子神様の言魂カード』『「本当の自分」に気づく本』(以上、主婦と生活社)『幸せを呼び寄せる30の「気づき」』『すべての縁を良縁に変える51の「気づき」』『幸せの「気づき」相談』(以上、新潮社)『子育ての気づき〜母親編〜』(竹書房)『すべての「別れ」は幸せのためにある』(KADOKAWA)『幸せになるための「気づき」の法則』『神様に愛される生き方・考え方』『幸せになる人の心がけ・心がまえ』『あなたが、ここに生まれてきた理由』『魂のシナリオどおりに生きていますか?』『この出会いは魂が選んだこと』(以上、学研)などがある。
作品紹介
魂レベルでは、身近な人はあなたの幸せのために出会うべくして出会った人。その人たちとの温かい人間関係を得る心の秘訣を紹介。
定価:1,200円+税/学研プラス