仕事が速い人は 「いかに手を抜くか」を考える 仕事が遅い人は 「つねに全力投球」の自分に酔う
午堂登紀雄『仕事が速いお金持ち 仕事が遅い貧乏人』セレクション
仕事が速い人は「手の抜きどころ」「流していいところ」をわきまえています。
というと当たり前過ぎる話なのですが、それは「この仕事で結果を出すには、どこが重要か」というポイントを押さえるということです。
だから、普段は遊んでいるように見えても、「ここが決めポイント」と思えば猛烈にダッシュします。大事な局面ではテキパキ指示を出しますが、それが終わればのんびりしています。
なぜそれがわかるかと言うと、つねに仕事の全体像を把握しているからです。全体像というのは、どのタイミングでどういうタスクが発生し、どのタイミングで何を決めるべきかということはもちろん、チームや取引先の各人の仕事のスピードや得意不得意なども含まれます。
そして全体を俯瞰したうえで、「ここの判断が後工程を決める」「ここを乗り越えればあとはラク」「これはさほど影響を与えない」などを判断しているのです。
しかし、仕事が遅い人は、どこが重要でどこが重要でないか、あまり考えていません。完璧主義な人もこういう傾向があり、たとえば文書であればフォントサイズやレイアウトなど、些末なことにまで全力投球します。
それで自分は満足・納得したとしても、相手や他人が喜ぶポイントとは、ずれていることがあります。
つまり自己満足的な作業であって、付加価値につながらないものにエネルギーをかけている可能性があるのです。
もちろん、自分が新人などペーペーのときには、すべてに全力投球をしたほうが良い場面もあります。
しかし評価する人が特に気にしない部分まで力を注ぐのは非効率というもの。その時間を他の重要な業務に充てたほうが良いでしょう。
力の抜きどころを考えない完璧主義の人は、手間暇はかかるにもかかわらず、成果はそれなりということが起こりやすいものです。
これは仕事のみならず、プライベートでも同じです。
たとえば家事は必要ですが、ちょっとくらい掃除をサボっても特に困らないのではないでしょうか。それよりも、自分が充足感を覚えることをやったほうがいい。
健康を意識し過ぎるあまり、どんなに食べたくても「あれを食べてはダメ」とか、あまり好きではないのに「これを食べないといけない」などという義務になってしまうと、むしろストレスが溜まるだけ。
「家族団らん」や「子どもが喜ぶ」ためには、たまにはみんなでファーストフード店でワイワイというのも楽しかったりするものです。
これもやはり、「目的」を意識し、「自分にはこれが楽しい」「こうすれば満足する」というポイントを把握しておくことです。そうすれば、同じ時間を使っても、満足度は高くストレスは小さい生活になるはずです。
午堂 登紀雄 (ごどう ときお)
1971年岡山県生まれ。米国公認会計士。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、大手流通企業のマーケティング部門を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームのアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。2006年、著書『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)がベストセラーとなる。同年、不動産投資コンサルティングを行う株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。経営者兼個人投資家としての活動のほか、出版や講演も多数行っている。『お金の才能』(かんき出版)、『頭のいいお金の使い方』(日本実業出版)、『オキテ破りのFX投資で月50万円稼ぐ!』(ダイヤモンド社)、『日本脱出』(あさ出版)ほか著書多数。
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