逃げられない人は、実は、自分で自ら、ありとあらゆる退路を断っていくのです。ですので、状況が変化して、自分が追い込まれてしまうと、我慢するしかありません。
ところが、逃げられる人は、これとは逆のことをします。
ありとあらゆる逃げ道や隠れ家、退避場所を用意しておいて、追い込まれるような事態があったら、そこへ退避するということを繰り返して、前に進んでいるのです。
なぜそのような違いが出てくるのかは、本書で詳しく紹介しています。
地震や火事といった突発的な災難に遭った場合もそうですが、逃げるルートや退避方法を知っている人のほうが、逃げる方法をまったく知らない人よりも、確実に「逃げられる」と思います。しかも、逃げられる人は、普段から訓練を欠かしません。心構えも常日頃の訓練によって鍛えられています。だからこそ、逃げられるのです。
「心構え」と申しましたが、「逃げる」時に自信は必要です。
『茹でガエル』という話がありますが、ぬるいお湯にずっと浸かったまま、茹でられて死んでしまうカエルの話です。いずれ死んでしまうぬるま湯に浸かった状態を脱するためには、まずは決断をしなければいけません。
それを後押しするのが自信なのです。この自信を身につけることも「逃げる」ためには必要です。タイトルに「堂々」とつけているのは、自信を持って堂々という意味なのです。
もちろん、本書で紹介する「逃げる」技術を使ったからといって、人生の敗者にはなりません。もちろん、「逃げる」ことを選択したことで、人生が終わるわけでもありません。むしろ、その人の人生を取り戻すことができるのが、「逃げる」技術だと私は考えています。
技術ですから、誰にでも習得すればできることです。そして、種類もさまざまです。
本書に掲載の「逃げる技術」の中には、たとえば以下のようなものがあります。
●「周囲に合わせて生きない」と自分自身で決める。
●心の中の自分の立ち位置を変えれば、状況は改善する。
●1時間だけ問題から逃げるだけで、心は晴れやかになる。
●どんなに小さいことでもいいので、自分の欲求に従う。
●自分で自分を勇気づける「セルフ勇気づけ」を行う。
●あれこれ「考えない」という選択肢もある。
(※この連載は、毎週木曜日・全4回掲載予定です。4回目の次回は、2月2日掲載予定です。)
中島 輝 (なかしま てる)
心理カウンセラー/メンタルトレーナー/国際コミュニティセラピスト協会設立
5歳で里親の夜逃げという喪失体験をし、小学4年から躁うつ病・パニック障害・統合失調症・強迫性障害・不安神経症・認知症・過呼吸・胃潰瘍・大腸炎・円形脱毛症・斜視に苦しむ。 25歳から10年間実家に引きこもり、家業が巨額の借金を抱え、自殺未遂を繰り返す。困難な精神状態の中、独学で心理学やセラピーを学び、自ら実践し、35歳で克服。
日本メンタルヘルス協会で心理学を学ぶ。
また独学で100近くの心理学やセラピー、特にアドラー心理学・フランクル心理学・カラー心理学、NLP、コーチング、ヒーリング、ボディーワークを修得し、数多くのオリジナルセラピーを開発。約8年間で臨床経験10,000名以上、臨床時間数11,000時間を超え、クライアントの95%が回復。
現在予約は6ヶ月先まで埋まり、常時400名がカウンセリングを待っている状態に。連日、多くの人に研修・講演・育成しながら現在にいたる。
著書に『負の感情を捨てる方法』(朝日新聞出版)『トラウマが99%消える本』(すばる舎)がある。
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作品紹介
「予約がとれないカリスマ人気カウンセラーが自らの体験を踏まえて築いた超実践的「追い込まれた自分を助ける心の使い方」を紹介!
定価:本体1,400円+税/学研パブリッシング