現代日本の社会は、「逃げる」ということを「よし」としない社会です。
ですので、「逃げる」なんて卑怯だとか、「逃げる」ことはカッコ悪いとか、あなたが思うのも仕方のないことです。そのように教育を受けてきたのですから。
しかし、ここまで「逃げる」ことができないと思う人が増えたのは、ここ20年ぐらいのことではないかと思います。「自己責任」という考え方が、一般的になってからのことではないでしょうか。
「逃げる」ということは、人生の敗者となること。「逃げる」という選択肢を選んだ時点で、「あの人は、終わった」と思われてしまう。そういう印象をお持ちの方も多いでしょう。
目の前の仕事や立場に対する大きな責任を感じて、無責任と思われるから、どんなにつらくても「逃げる」ことを選択できない、ということがあるかもしれません。
また現実的な問題として、「逃げる」ことを選択した結果、会社を辞めることになった場合、なかなか再就職ができないかもしれない、収入も大きく減ってしまうかもしれない、といった不安も生じることでしょう。経済的にも「逃げる」ことが選択できないという仕組みがあるのです。
しかし、すべての人が、同じような状況を体験して、逃げられなくなるのか、というと、そういうことでもありません。
追い込まれても「逃げる」ことを選択できる人もいます。なぜなのでしょうか?
追いこまれたときに、「逃げる」ことを選択できる人と、「逃げる」ことを選択できない人の違いは、たったの1点──。
それは「逃げる技術」を持っているか、持っていないかの違いなのです。
そして、「逃げる技術」は“技術”なので習得すれば誰にでも使うことができます。
もちろん、本書で紹介する「逃げる技術」を使ったからといって、人生の敗者にはなりません。なぜなら、この「逃げる技術」とは、単なる現実逃避ではなく、実は本来の自分に戻るための技術でもあるからです。
(※この連載は、毎週木曜日・全4回掲載予定です。3回目の次回は、1月26日掲載予定です。)
中島 輝 (なかしま てる)
心理カウンセラー/メンタルトレーナー/国際コミュニティセラピスト協会設立
5歳で里親の夜逃げという喪失体験をし、小学4年から躁うつ病・パニック障害・統合失調症・強迫性障害・不安神経症・認知症・過呼吸・胃潰瘍・大腸炎・円形脱毛症・斜視に苦しむ。 25歳から10年間実家に引きこもり、家業が巨額の借金を抱え、自殺未遂を繰り返す。困難な精神状態の中、独学で心理学やセラピーを学び、自ら実践し、35歳で克服。
日本メンタルヘルス協会で心理学を学ぶ。
また独学で100近くの心理学やセラピー、特にアドラー心理学・フランクル心理学・カラー心理学、NLP、コーチング、ヒーリング、ボディーワークを修得し、数多くのオリジナルセラピーを開発。約8年間で臨床経験10,000名以上、臨床時間数11,000時間を超え、クライアントの95%が回復。
現在予約は6ヶ月先まで埋まり、常時400名がカウンセリングを待っている状態に。連日、多くの人に研修・講演・育成しながら現在にいたる。
著書に『負の感情を捨てる方法』(朝日新聞出版)『トラウマが99%消える本』(すばる舎)がある。
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作品紹介
「予約がとれないカリスマ人気カウンセラーが自らの体験を踏まえて築いた超実践的「追い込まれた自分を助ける心の使い方」を紹介!
定価:本体1,400円+税/学研パブリッシング