英語は上手じゃなくていい!──インバウンド時代に本当に必要な“伝わる接客英語”とは
クリエイター・インサイド『接客英語をひとつひとつわかりやすく。』 石渡 遥
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今回は、2026年4月に発売となった書籍『接客英語をひとつひとつわかりやすく。』を企画・編集した石渡 遥です。

ここ数年、街を歩いていると、海外からの観光客を見かける機会がぐっと増えた。飲食店やホテル、販売店など、あらゆる接客の現場で“英語対応”が求められる時代になっている。英語が話せたらいいのにと思いながらも、実際の現場では、とっさに言葉が出てこない、翻訳アプリに頼りきりになってしまう──そんなもどかしさを感じている人も多いのでは。
「今、接客の現場に必要なのは、アメリカ人やイギリス人に通じる完璧な英語力ではありません。相手に届く“伝わる英語”を、自分の言葉で話せること。インバウンドが今まで以上に注目される今だからこそ、その重要性がとても高まっているように感じます」と、石渡は語る。
幼少期を海外で過ごした帰国子女でありながら、“完璧な英語”に違和感を抱いた石渡の経験から、この一冊は生まれた。
もくじ
「きれいな英語が通じない」──現場で感じた違和感
石渡がその違和感に気づいたのは、小中学生時代を過ごしたヨーロッパから帰国後、日本で飲食店のアルバイトをしていたときのこと。韓国で人気を博した日本の某グルメドラマがきっかけで有名となった店で働いていたこともあり、海外からの来客も多く、日々自信を持って丁寧な英語で対応していたという。
海外で学んだ現地仕込みの英語力が自分の強みだったからこそ、丁寧に、こなれた英語でサービスを提供したいと考えていた石渡。
「セットにするとお得ですよ」
「お飲み物はいつお持ちしますか?」
そんな一歩踏み込んだ提案も、流れるような英語で伝えていたという。しかし──
返ってきたのは、お客さんの“きょとんとした表情”。
「同じように話しても、なかなか伝わらない。そのとき初めて、必ずしも“正しい英語=伝わる英語ではない”と気づいたんです」

現在日本を訪れる観光客の多くは、アジア圏などからの“英語を母語としない外国の方”。つまり、ネイティブ向けの複雑で洗練された英語は、かえって伝わりにくいこともある。だからこそ必要なのは、難しい表現や複雑な文法ではなく、シンプルで、短くて、誰にでも伝わる“やさしい英語”だ。
「難しいことを言おうとしなくていいんです。単語をシンプルにする。ひとことずつ、相手に届くように話す。それだけで、コミュニケーションはぐっと変わります」
「すぐ使える」に徹底的にこだわった一冊

そんな“やさしい英語”を誰でも使えるようにという考えから生まれたのが、『接客英語をひとつひとつわかりやすく。』だ。
この本は、「英語が苦手でも、今すぐ使える」ことに徹底的にこだわって作られている。
特長は大きく4つ。見やすい大きな文字で接客の合間でもサッと確認できる。また、フルカラーで直感的に理解でき、場面がイメージしやすい構成になっている。イラストつきで状況がひと目でわかるため、“いつ使うのか”がすぐに理解できるのもポイントだ。何より読み仮名つきで、英語が苦手でもそのまま口に出せばよいので、発音も心配いらない。
「難しい解説を読んだり、長い例文を丸覚えしたりする必要は一切ありません。英語学習から遠のいてしまっていた人でも安心して勉強が進められるよう、なるべくハードルを低く作っています」
また、忙しい接客現場で本当に使える1冊にするため、こだわったポイントがある。
「掲載するフレーズのリアリティにはこだわって制作しました。たくさんフレーズが載っていたとしても、現場で本当に使えるフレーズがないと意味がないので。原稿を家に持ち帰って、本当にこんなことを言うのかどうか、自分が大学時代にしていたアルバイトを思い出しながらロールプレイをしていたのを思い出します(笑)」
「ひとつひとつわかりやすく。」だからできたこと

「ひとつひとつわかりやすく。」シリーズは、勉強が苦手な中学生のために生まれた学習参考書シリーズ。難しい言葉を極力使わずにイラストや図解を活かした解説で、「わかりやすさ」にこだわった構成が多くの中学生に支持されている。中学英語を学び直したい大人向けの語学書、『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』も大ヒットを記録。今や累計1000万部を超える大人気シリーズへと成長した(2026年4月現在)。
「接客英語の本を作るなら、このシリーズしかないと思いました。学ぶ人にも、会話する相手にもやさしい英語を届けたかったんです」
──そう石渡は語る。

「『ひとつひとつ』誕生の背景には、勉強が苦手な子どもたちを少しでも助けたい、という切実な思いがあります。この『接客英語をひとつひとつわかりやすく。』も同じです。接客現場で忙しく働く皆さんのお役に少しでも立てるように、学習者にとっても、会話をするお客さんにとっても“やさしい英語”であるよう、追求を重ねました。『ひとつひとつわかりやすく。』シリーズらしい、とてもわかりやすい内容になっていると思います」
今の時代だからこそ大切な、「話す」ことで生まれる本当のコミュニケーション
翻訳アプリがあれば、ある程度の会話はできる時代。それでも石渡が“自分の言葉で話すこと”にこだわる理由がある。

「たまたま乗車していたバスで、バスの乗り方がわからず困っている外国の方がいました。運転手さんも英語が苦手だったのか苦戦されていたので、勇気を出して、本書にも掲載されているフレーズ『どうされましたか?(Is everything all right?)』を使って声をかけたんです。そのとき、その方が見せてくれたホッとした顔が、今でも忘れられません」
日本を訪れている海外からの観光客の多くは、言葉が通じない中で不安な時を過ごしているかもしれない。観光地や電車の駅などで困っている人を見かけるのも、珍しい光景ではなくなってきているのではないだろうか。
「国籍や文化的背景が違っても、共通の言語で話すことができる。完璧な英語でなくても大丈夫です。相手を思いやって、やっと会話ができたときの安心感や喜びは、翻訳ツールを介してでは得られないものだと思っています」
“伝わる英語”をはじめる本
この本は、完璧な英語を話すためのものではなく、誰かと心を通わせるための“最初の一歩”をくれる一冊。英語に自信がなくてもいい。大切なのは、伝えたいという気持ちだ。
「難しく考えずに、まずはひとこと話してみましょう。勇気を出してはじめたコミュニケーションがあなたの自信につながり、お客様の心に残る思い出になります。その一歩を、ぜひ“ひとつひとつ”と一緒に踏み出してみてください」
クリエイター・プロフィール
石渡 遥(いしわた・はるか)

群馬県桐生市出身。小学3年生で父の海外転勤からイギリスに移住。その後、引っ越しを繰り返し中学時代をドイツで過ごす。高校入学を機に帰国し、日本での学生生活を経て2023年に(株)Gakkenに新卒入社。『英検過去問題集』『ゆるゆる図鑑 読解力ドリル』『解説がわかりやすすぎる問題集』などを手掛ける。
商品の紹介

■書名:接客英語をひとつひとつわかりやすく。
■発行:Gakken
■発売日:2026年3月27日






















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