こども定点観測絵本『すいちゃんはいそがしい』の製作秘話をイベントで披露。

「こどもの視点ラボ」の体験型展示第二弾「もっと!こどもの視展~こどもになる12の体験~」

更新日 2025.03.07
公開日 2025.03.06
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絵本『すいちゃんはいそがしい』の作者で、こどもの目線に立ったユニークな研究で人気の「こどもの視点ラボ」の体験型展示の第二弾「もっと!こどもの視展~こどもになる12の体験~」スタート!

 2月1日(土)から二子玉川ライズで始まった体験型展示イベント「もっと!こどもの視展~こどもになる12の体験~」。そのメディア発表会・内覧会が、1月31日(金)に、二子玉川 蔦屋家電E-room・二子玉川ライズ スタジオ&ホールで開催されました。

▲イベント告知用ポスター

 発表会の会場から屋外スケートリンクを挟んだ先には、急ピッチで設営が進む全面ガラス張りのイベント会場があり、「巨大なおむつ」が、ものすごい存在感で鎮座。「いったい何が始まるんだろう?」と、通行人たちの目をくぎ付けにしていました。

▲設営中の体験展示の1つ「あなたの知らないおむつの世界」。おむつの替え時をお知らせする色変わりテープも再現されていました!! 会場でぜひチェックしてみてください!

 発表会では、まず、今回のイベントを主催した「こどもの視点ラボ」の活動について紹介。ラボのコンセプトムービーを見た後、メンバーである、クリエーティブ・ディレクター/コピーライターの石田文子さん、クリエーティブ・ディレクター/アートディレクターの沓掛光宏さんより説明がありました。

▲こどもの視点ラボの石田さん(右から2人目)、沓掛さん(右端)と、書籍編集者3名

 こどもの視点ラボは、こどもの当事者視点とはどんなものかを真面目かつ楽しく研究し、ウェブメディア電通報でさまざまな実験&レポートを連載しているラボ。
「大人がこどもになってみる」ことで、こどもへの理解を深めて、 親と子、社会とこどもの関係をよりよくしていくことを目指し、各分野のこども研究第一人者の先生方の協力も得ながら活動をしています。

こどもの視点ラボ

 初めて研究が形になった作品が、赤ちゃんの頭がいかに重いかを体験できる「ベイビーヘッド」。その後もさまざまなテーマで発表を重ね、今回のイベントでは12の研究について体験ができます。

▲体験展示「ベイビーヘッド」

 そして、こどもの視点ラボが、「研究を書籍の形でも発信しよう!」ということで出版社とコラボして生まれたのが、『こどもになっちゃえ!』(⾦の星社)、『すいちゃんはいそがしい』(Gakken)、『こどもになって世界を見たら?』(トゥーバージズ)です。

 今回の発表会では、各出版社の担当者が、書籍の内容と制作への思いを語りました。

▲こどもの視点ラボから生まれた書籍たち

▲Gakkenの絵本『すいちゃんはいそがしい』

 『すいちゃんはいそがしい』(Gakken)は、こどもの視点ラボの研究の1つ「いとちゃんの30分」から生まれた絵本。
「いとちゃんの30分」は、こどもの時間感覚を1枚の写真に⾒える化した研究です。
 公園であそぶ無数の「いとちゃん」が、こどもの時間の豊かさを教えてくれます。
 そこからどのようにして、絵本『すいちゃんはいそがしい』が生まれたのでしょうか。

▲体験展示「いとちゃんの30分」

『すいちゃんはいそがしい』の担当編集者・田中百合の話です。

「たまたまラボの活動を知ってすっかりファンになり、特に「いとちゃんの30分」は絵本にぴったり!と直感。ラボの石田さんに「一緒に絵本をつくりたい!」と突撃依頼をしたことがきっかけでした。
 世に時間の本はたくさんあるけれど、大人が子どもに時間を説明するのではなく、子どもが子どもの時間を伝える絵本はない、だから作ってみたいと思いました。

▲『すいちゃんはいそがしい』を紹介する田中編集者

 そうしたらちょうど、いとちゃんのパパであるカメラマンのてんてんさんとラボの沓掛さんとで、「妹のすいちゃんで同じような企画ができないか」と話していたとのことで、とんとん拍子に話が進んだんです。不思議なめぐりあわせに、編集者やっててよかった! と思いましたね。

 すいちゃんがどんな1日を過ごしているか考えながら、打ち合わせを重ねる過程は、普段の編集とは少し違う感じで、こどもの視点ラボの一員に入れてもらったような楽しい時間でした。

 撮影は定点にカメラを置いて、すいちゃんの動きを追っていくんですが、刻々と移動する影には苦労しましたね。でも、すいちゃんは、パパのカメラの前でリラックスして、怒ったり泣いたり自然な姿を見せてくれたので、とてもいい写真になっています。特にラストの寝相のページは、書店でもいちばん「わかるわかる!」と言われるんですよ。

▲『すいちゃんはいそがしい』中面より(上・朝)(下・公園)

▲多くの親たちの共感を呼んだ「寝相のページ」を紹介

 急にバターで遊んだり、相撲を取ったり、子どもって突然いろんなことをするんです。巻末に「すいちゃんの1日のできごと」リストを載せていますが、できごとが多すぎて表が文字だらけになり、黒っぽくなってしまったぐらい(笑)。ほんとうに子どもって面白いです!」

▲すいちゃんが1日にしたこと表(『すいちゃんはいそがしい』巻末より)

 続いて、『すいちゃんはいそがしい』の文を担当した、こどもの視点ラボ・石田文子さんからも一言。

「大人にとっては、公園に行ったことは「ひとつ」のイベント。でも、子どもはそこで、遊具で遊んだり、シャボン玉をやったり、「たくさんのこと」をしているんです。この研究でお世話になった時間学が専門の一川誠先生によると、『時計を基準にした時間感覚になるのは9歳〜10歳ごろ』なんだそうです。それまでの子どもは、『できごとの積み重ね』で時間を感じているんですね。それが、この絵本でより感じていただけると思います」

▲こどもの時間感覚について解説する石田さん

 発表会終了後は、「もっと!こどもの視展~こどもになる12の体験~」のイベント会場に全員で移動。こどもの視点ラボの石田さん・沓掛さんと共に、完成したばかりの12の展示コーナーを回って説明を受け、体験をさせていただきました。

▲展示コーナーで体験「ベイビーボイス」。何を話しても赤ちゃんの泣き声になってしまいます

▲「大人ランドセル」 重いと思っていたけれど、これほどとは…!

 どの展示もあっと度肝を抜く造形がシュールで楽しく、大学の先生など専門家の監修が入っているので、説得力も抜群! 知れば、子どもとのコミュニケーション方法が変わってきそうです。

 会場には、こどもの視点ラボ・プロデュースのグッズ&書籍販売コーナーがあり、イベントオリジナルのグッズとともに、絵本『すいちゃんはいそがしい』も購入できます。

▲書籍販売コーナー

▲すいちゃんもどーんと! きらきらの帯がかわいいのです

 大人は「目からウロコが落ちる」子育て情報が得られて、子どもはワクワクおもしろ体験ができる、「もっと!こどもの視展~こどもになる12の体験~」へ、ぜひ家族で足を運んでみてください。老若男女すべてにおすすめです!

 二子玉川ライズ スタジオ&ホールにて、2025年2月25日(火)まで開催。

商品概要

 

■書名:『すいちゃんはいそがしい』
■企画:こどもの視点ラボ 写真:てんてん
■発行:Gakken
■発売日:2025年1月23日
■定価:1,650円(税込)

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