最難関中学合格者多数の算数塾講師と数学オリンピック入賞者多数輩出の数学教師が奇跡のコラボ! 教育界が注目する2人のカリスマが唱える「引き算の子育て」とは?

▲2月6日に発売した『子どもが自ら考えだす 引き算の子育て』
もくじ
子どものやる気をどう引き出す? 保護者たちの切実な悩み
仕事や家事・育児をこなしながら、子どもの勉強をサポートするのは容易ではありません。だからこそ、できるだけ子どもが自ら進んで勉強に取り組んでほしい――これは、共働き家庭をはじめ、多くの保護者に共通する切実な願いではないでしょうか。
「子どもの勉強に対するやる気がまったく感じられない…」
「勉強も習い事も、自分で考えて行動する子に育ってほしい…」
「子どものやる気のスイッチはどこにあるの?」
そんな悩みを抱える保護者たちにとっては夢のような、教えないのに子どもが夢中で考え続ける塾があります。そこで理想的な授業を実践しているのが、現場で目の前の子どもたちを見ることにすべてを注いできた、2人のカリスマ教育者です。
教えないのに子どもが夢中で考え続ける! カリスマ教育者2人の共通の極意とは
1人目は、宮本哲也氏。
宮本氏がたった1人で運営する「宮本算数教室」は、カリキュラムも教室の所在地も非公開。それにもかかわらず、最難関中学合格者を多数輩出し、MBS系のドキュメンタリー番組「情熱大陸」でも取り上げられました。
その授業スタイルは独特で、授業時間の9割が無言。生徒一人ひとりが宮本氏自作の算数パズルに取り組むスタイルです。授業中、宮本氏は何も教えません。パズルのルール説明もほとんどなし。解けた生徒が手を挙げると、そっと隣に行って答え合わせをします。たったそれだけ。静寂の中、生徒たちは夢中でパズルを解き続けます。
もう1人は、「イモニイ」こと井本陽久氏。
元・栄光学園の数学教師として数学オリンピック上位入賞者を多数育成し、NHK『プロフェッショナル〜仕事の流儀』でもその教育哲学が特集されました。2016年からは私塾「いもいも」を主宰。
いもいもの授業は、宮本算数教室とは対照的に賑やか。正解がなさそうな問いを投げかけ、講師と子どもたちが「ああでもない、こうでもない」とワイワイ議論を繰り広げます。授業は即興(インプロ)で進み、脱線も日常茶飯事。それでも生徒たちは高い集中力で試行錯誤を続けます。
一見、真逆の教育スタイルを持つ2人ですが、その教育観は完全に一致しています。
端的に言えば、「余計なことはしない」こと。
子どもには自ら育とうとする力と人生を切り拓く才能が備わっており、それが開花するのをにこにこしながら見ていてあげればそれだけでいい。それが、子どもにとっての最善を引き出す最も良い方法だというのです。

▲左:宮本哲也氏(宮本算数教室 主宰)、右:井本陽久氏(いもいも 主宰)
親の不安を吹き飛ばす、新感覚の子育て論!
「子どものやる気を引き出すために『余計なことはするな』」――この逆説的な考え方は、一見すると難しそうに思えるかもしれません。
しかし2人は、世間にあふれる「○歳までに○○をすれば、○○な子が育つ」といった子育てのハウツーこそが、無責任であり、親を不安にさせている原因だと言います。さらに、次々と世に出てくる“より良い子育て”に関する情報自体が、現代の子育てのストレスの一因になっているとも。
そこで、本書では、宮本氏と井本氏に、子育てにまつわる「余計なこと」を徹底的に仕分けしてもらいました。痛快でありながら、時にはハッとさせられるエピソードが満載。時に耳の痛い話もありますが、2人の語り口が軽快でユーモアに富んでおり、ゲラゲラ笑いながら読めてしまう1冊です。
また、本書の第2部には、宮本算数教室といもいもの授業の潜入ルポも収録。実際にどのような環境で、どのように子どもたちが学んでいるのか、その臨場感をリアルに体験できる内容となっています。
▼本書の構成
●序章:引き算の子育てとは?
●第1部:引けるところが見えてくる
第1章 家畜になるな、野人であれ
第2章 ダメでいい、ダメがいい
第3章 成功ではなく、成長を考える
●第2部:教えない教室の現場から
第4章 宮本算数教室の静寂
第5章 いもいも数理思考力教室の爆笑
第6章 共通の教え子が見た闇と光
●第3部:やらなくていいことQ&A
第7章 やる気をみせてくれません
第8章 勉強よりプログラミング?
第9章 つい怒鳴って叱ってしまう
●終章:子どもをみるということ

▲親にとって耳が痛い話も、ゲラゲラ笑いながら読める、新感覚の子育て論!
教育ジャーナリスト・おおたとしまさ氏の最新刊
本書は教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が共著者の一人として参加した最新刊です。
幼児教育から中学受験、名門校、不登校、教育格差、教育虐待まで、さまざまなテーマで教育現場を取材したおおた氏もなお、「子育てや教育について知ればしるほど、むしろ、親ってほんと無力なんだなという結論に近づいていきます」と語ります。
本書では、宮本氏と井本氏の哲学に共感しつつ、ときには読者の目線に立ち、ファシリテーター的役割を担います。
終章では、仕分けを通じても絶対に削れない「子どもを見る」という本質について深く考察します。親としてのあり方を見つめ直したい方にこそ、手に取っていただきたい1冊です。

▲教育ジャーナリスト・おおたとしまさ氏
著者紹介
■宮本哲也
算数講師。「宮本算数教室」主宰。学生時代に塾業界に足を踏み入れ、大手進学塾講師を経て1993年に宮本算数教室を横浜に設立。無試験先着順の入室にもかかわらず、卒業生の80%は首都圏トップ校に進学した。その後、NYマンハッタンの教室移転等を経て、現在は東京都千代田区にて、小1から小6を対象に授業を行っている。著書は『賢くなるパズル』(Gakken)、『算数と国語を同時に伸ばすパズル』(小学館)、『強育論』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など多数。「情熱大陸」(MBS)、「THE 名門校」(BSテレビ東京)、「世界一受けたい授業」(日本テレビ)など多くのテレビ番組にも出演している。
■井本陽久
数学教員。私塾「いもいも」主宰。大学卒業後、母校でもある私立栄光学園中学校・高等学校の数学教師になる。20年以上前から思考力を重視するアクティブラーニング型の授業に取り組み、最難関大学合格者のみならず、数学オリンピック上位入賞者を多数輩出している。2016年、いもいもを設立。現在は小中高生を対象に、「いもいも思考力教室」「数理思考力教室」「森の教室」など、数学の枠にとらわれない教育を展開している。その独自の授業スタイルや教育観はおおたとしまさの著書『いま、ここで輝く。』(エッセンシャル出版)に著され、「プロフェッショナル 仕事の流儀」(NHK)でも特集された。
■おおたとしまさ
教育ジャーナリスト。リクルートでの雑誌編集を経て独立。数々の育児誌・教育誌の企画・編集に携わる。現在は、幼児教育から中学受験、思春期教育、ジェンダー教育、教育虐待、不登校、教育格差問題まで多岐にわたるテーマで現場取材および執筆活動を行っている。書籍のみならず、新聞から女性誌、各種ウェブメディアまでさまざまなメディアを舞台に、取材成果を発表し、テレビ・ラジオなどへの出演や講演も多数。中高教員免許をもち、小学校教員や心理カウンセラーとしての経験もある。著書は『いま、ここで輝く。』(エッセンシャル出版)、『学校に染まるな!』(ちくまプリマー新書)など80冊以上。
商品の紹介
■書名:『子どもが自ら考えだす 引き算の子育て』
■著:宮本哲也、井本陽久、おおたとしまさ
■発行:Gakken
■発売日:2025年2月6日
■定価:1,760円(税込)