GakkenとODKソリューションズは、学生の方々を対象に「学生のいまアンケート」を、数回に渡り実施してきました。
今回は2024年9月におこなった、『語学』をテーマに実施した第三弾アンケートのご紹介です。
アンケート結果について、現役学生が中心となってZ世代をテーマに調査研究を行うチーム「LitLab.(リットラボ)」が中心となってまとめてくださいましたので、その調査結果をお知らせいたします。
調査概要
調査主体 Gakken+ODKソリューションズ
居住地 全国
対象 大学生
回答数 164件
まとめ編集協力 LitLab.(リットラボ)
もくじ
どんな言語に興味関心がありますか?
大学生に「どの言語に興味/関心がありますか?(複数回答可)」と質問したところ、回答者男女164人のうち、95.1%の人が「英語」と回答しました。他には、韓国語が34.8%、中国語と答えた方が33.5%、ドイツ語が25.6%、フランス語と答えた方が24.4%、スペイン語が16.5%という結果になりました。大学で第二外国語を学ぶ人が多いからなのか、想像していたより、英語に加えて他の言語に興味のある学生が多い印象です。
特に気になったのは、韓国が英語に次いで多かった点です。K-POPや韓国ドラマといった韓国文化への興味から、韓国語への興味につながっているのではと感じました。
他国言語が使えるとしたら何に役立てたい?
次に「英語をはじめとする他国言語が使えるとしたら、何に役立てたいですか?(複数選択可)」と質問したところ、「海外旅行に」と答えた方が最も多く72.6%となり、次に「仕事に」と答えた方が70.7%、「就職活動や資格取得(TOEIC等)に」と答えた方が66.5%、「趣味に(海外との交流)」と答えた方が57.3%、「HPやYouTubeなどの閲覧/視聴に」と答えた方が37.8%人という結果になりました。
身近な海外旅行や推し活などを目的にしたYouTube等での言語理解といった趣味に役立てたい方が多くいる一方、将来の仕事、そのための就活に向けた資格取得など、日本語以外の言語を社内公用語する企業も増える中、将来語学力を役立てたいと考えている大学生も多くいることがわかりました。
言語能力不足で後悔したことは?
皆さん、「もっと英語が話せたら・・・」や「もっと勉強しておけばよかった・・・」と思った経験ありませんか?
そこで、大学生に「言語力不足で、失敗した経験や後悔した経験」を聞いてみました。
・観光地で外国人から声をかけられたが、対応できなかった。
・英語の授業で交流の時に、相手に思い通りのことを英語に翻訳できず伝わらなかった。
・海外の方に道を聞かれてジェスチャーをつけても、言い方が分からず伝わらなかった。「大丈夫です。ありがとう。」と悲しそうな顔で離れて行ったこと。
・アルバイト先の回転寿司に外国の方がいらっしゃった時、メニューを上手く英語で説明できなかった。
・短期留学でのホストファミリーとの会話が難しかった。
・海外に行った時、トラブルに巻き込まれた。その中で、助けようとしてくれた人がいたのに、自身の語学力のなさが原因で助けようとした人を困らせてしまったという後悔がある。
・恥ずかしい意味の英語が書かれたTシャツを買ってしまった。
「道を聞かれて答えられなかった」、「アルバイト先で正しく伝えられなかった」といった回答が多く、私も”もう少し英語力を身に着けておけば・・・”と後悔した経験が何度もあります。
AI翻訳機や翻訳アプリの実用性をどう思う?
続いて、最近話題が著しいとされている翻訳の機器やアプリについても聞いてみました。
「AIを利用した翻訳機や翻訳アプリの実用化が見えてきました。あなたの感想は?」という質問に対し、「さらに国際交流が活性化するはず。より語学を極める」と前向きに答えた方が83人と約半数を占めました。自由回答には「役にはたつが自分の言葉でやはり話したい」といった意見もありました。
一方で「語学は機器やアプリに任せて、別のことに注力する」「実用性の進化を見極めてから考える」と、語学に対して、任せられるなら任せたい方が多いのも印象的です。自由回答には「未だに正しくない翻訳や意訳されない時があるので実用性には不安がある」、「本当にAIに任せるだけでいいのか疑問」など、まだまだ実用性に対して半信半疑な方も多くいらっしゃいました。
スマホアプリ、パソコンアプリで学習している学生と、紙の語学本で学習している方がほぼ同割合となっており、最近はスキマ時間にゲーム感覚で勉強できる無料の語学アプリも豊富にあるので、アプリを使用する大学生が増えたと考えられます。とはいえ書籍で学ぶ方がまだまだ多いのも頷けます。
語学の資格試験について聞いてみた!
次に「語学の資格試験について教えてください(英検、TOEIC、TOEFLなど)」と聞いたところ、「受験済」が106人、「大学在学中に受験予定」が44人、「受ける予定はない」または「わからない」と回答した方が12人という結果になりました。この結果から、ほとんどの学生が社会人になるまでに語学の資格試験を受けるということがわかります。
では、大学生はどのように語学を学んでいるのでしょうか?
「どんな方法で語学の勉強を行っていますか?(複数選択可)」と質問した結果、「大学の講義」が 71.6%、「スマホアプリ、パソコンアプリ」が54.9%、「紙の語学本」が52.5%、「音楽、小説・絵本」が27.8%、「海外ドラマ、海外映画」が 24.7%、「オンラインサービス」が9.9%、「英会話教室など、リアル教室」が 4.3%となりました。
この結果から、多くの人が大学の講義を活用して語学を学んでいることがわかります。現在は英語や第二外国語の授業が必修科目となっている学部も多いので、このような結果となったのでしょう。また、音楽・映画・ドラマなどのエンタメを使った学習も広く行われていることがわかります。
スマホアプリ、パソコンアプリで学習している学生が、紙の語学本で学習している方を上回っており、最近はスキマ時間にゲーム感覚で勉強できる無料の語学アプリも豊富にあるので、アプリを使用する大学生が増えたと考えられますが、書籍で学ぶ方もまだまだ多くいることが意外に感じました。
語学を習得するためのノウハウを教えて!
次に、「語学を習得するためのノウハウやコツ(秘訣)、活用している機会がありましたら教えてください」と聞いてみたところ、たくさんのノウハウやコツを回答いただきました!
・英語を話せる人と常に話したり、映画内のセリフを実際真似る。
・言葉が何を意味するか意識して考える。モチベーションが無いと続かない上に覚えられない。また知識は忘れていくものなので、定期的に復習をする。
・実際に喋りたいのであれば、より自然に会話しているドラマや映画を吹き替えver.で見たりする。書きたいのであれば、文法を本で勉強したりするなど、目的によって勉強方法を変える。
・ネイティブの人の発音や喋り方のくせを真似る(シャドーイング)。
・毎日英語に触れて慣れる
・好きになった洋楽をその言語の歌詞と日本語訳を見て知らない単語やフレーズを覚える
・モチベーションを高める。なるべく、海外にいる同世代と交流を持つようにしている
やはり、最も大切なのは継続するための”モチベーション”だと感じました。英語に触れる環境に身を置く、”好きなもの”と結びつけるといった方法など、皆それぞれ工夫されていることが良くわりました。
今後、他国との繋がりはどうなっていくでしょう?
最後に、「今後、ビジネスや文化などの交流、移住や出稼ぎなどの国間移動など、他国との繋がりはどうなっていくでしょう?あるいは、どうなっていくことを期待しますか?」と聞きました。
観光だけではなく、職を求めて海外から来る人、海外に行く人は増えると思います。
多くの人が行き交い、国同士の距離も近くなることもある一方で、文化や習慣の違いから争いに発展してしまうこともあり得ます。自国のほうが優れているなどと考えず、それぞれの文化を尊重できる人同士の交流が広がればいいと思います。
また、多くの異なる文化を持つ人が交わることになりますが、それぞれの国の持つ伝統的な文化や独自の習慣が失われずに残り続けるといいなと思います。
その国固有の言語を使う習慣は保ちつつ、世界中で、実用的な英語をある程度使えるようになれば、国際交流の機会が増えるのではないかと思います。特に日本は英語が読めたりしても会話は全然できないという人が多すぎると思うので、改善すればいいなと思います。
高齢化が進んでいる国は人手不足になっていくし、インターネットの普及によってより海外の人との交流も増えていくことから、他国との繋がりは強くなっていくと思う。他国と強固で信頼できる関係を築くことができれば、様々なことにチャレンジできると思っている。
国籍・性別・人種関係なく、交流が出来る明るい未来を期待します。
就職のための日本への移住が増えるほか、コロナの落ち着きによって観光客の増加によって他国との繋がりはより強まると思います。それにつられて日本の英語教育もますます強化され、日本人の海外での活躍を期待します。
まとめ
今回調査結果をまとめていただいたLitLab.(リットラボ)代表のリナさんより感想をいただきました。
私自身も英語、そして韓国語への興味が高く、世の中の大学生の語学に対する考え、そして国際化に関する期待や価値観などを知る機会がなかったため、今回の調査は私自身とても貴重な体験になりました!
英語への関心が高いことは予想していましたが、英語以外の言語に興味のある学生も多かった点に驚きました。また興味関心の順序も、世界で言語を利用している人口の順序と近しい結果になると思っていたのですが、韓国語が2位であったことにも驚きました。それは流行であったり、より生活に身近であるかどうかといった観点が、興味関心に反映されているのだと感じました。
また、学習方法についても、YouTubeなどの動画で学ぶ人や、スマホのアプリケーションを使用して学ぶ人など、紙媒体のみではない学び方をしている人が増えてきていると感じました。さらに、スキマ時間を有効活用して効率的に学習している人が多い印象でした。
これからの他国との繋がりについての考え、期待感については、ポジティブな意見がとても多く、多国間との繋がりが強くなる未来に期待しているからこそ、英語をはじめとした語学習得が必要と考えている学生も多かったです。
最後に、私も語学勉強をしていますが、毎日続けるのがとても難しく、モチベーションの維持が最も重要であることも、皆さんの回答から改めて理解できました。ただ作業するのではなく、目的意識をもって、環境も変えてしまうくらいの気持ちで頑張りたいと思いました。
アンケートにご協力いただいた皆さん、本記事を最後までお読みいただいた皆さん、ありがとうございました。3回の「学生のいまアンケート」は今回をもって終了となります。今後、学生の方々に役立つ新しい商品やサービスを企画検討してまいりたいと思います。
画像・グラフの出典元:LitLab.
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