第30回小川未明文学賞の贈呈式を開催。大賞は、島村木綿子さん(長崎県)の「カステラアパートのざらめさん」。
『第30回小川未明文学賞の贈呈式』
大賞には島村木綿子さん(長崎県)の「カステラアパートのざらめさん」(長編部門)、優秀賞に中村真里子さん(茨城県)の「光をつなぐ」(長編部門)が選ばれ、贈呈式がリモート形式で行われました。
小川未明文学賞は、上越市出身の児童文学作家、小川未明の文学精神を継承し、新しい時代にふさわしい創作児童文学作品を輩出する目的で、平成3年に創設されました。
新潟県上越市と小川未明文学賞委員会が主催し、株式会社学研プラスが第9回より、協賛しています。
今回は日本全国及び海外から553作品が集まり、その中から、島村木綿子さん(長崎県)の「カステラアパートのざらめさん」(長編部門)が大賞を、中村真里子さん(茨城県)の「光をつなぐ」(長編部門)が優秀賞を受賞しました。大賞受賞者には、賞金100万円と記念品の『定本小川未明童話全集』(大空社)が、優秀賞受賞者には賞金20万円がそれぞれ贈られました。
式は午後2時より、上越市と学研プラス東京本社の会場を、リモートで繋ぐ形で開催されました。
小川未明文学賞委員会の菊永副会長のあいさつに始まり、上越市の中川市長と宮川会長、学研プラスの南條社長からのお祝いの言葉を経て、大賞の島村さん、優秀賞の中村さんへの賞状・花束の贈呈が行われました。
大賞に選ばれた「カステラアパートのざらめさん」は、カステラのような外観のアパートが舞台。小学3年生のこのみの視点で、風変わりな大家の「ざらめさん」のまわりで起こる、不思議な出来事を描いたファンタジーです。
最終選考委員を務める、詩人で評論家の小川英晴氏は、大賞作品について、「物語全体に優しい空気があり、ふわふわとしたあたたかい気持ちになった。カメの千太郎をはじめ、様々な登場人物の心の動きが巧みに描けている。」と評しました。
受賞者の島村さんは、「今回の受賞は、大きな励みと自信になった。不安な時代だからこそ、人の優しさやあたたかさを子どもたちが感じられるような作品を、これからも書いていきたい。」と喜びを語りました。
大賞作品は秋ごろ、学研プラスより書籍として刊行されます。
なお、第31回小川未明文学賞は、2022年4月応募開始、10月31日(月)締切を予定しております。
小川未明文学賞の募集開始や過去の受賞作に関する情報は、下記ホームページよりご覧ください。
※「第30回小川未明文学賞受賞記念展 受け継がれる『人間愛と正義感』の文学精神」は、2022年5月8日(日)まで、小川未明文学館 市民ギャラリー(高田図書館内)にて開催中。詳細は小川未明文学館のホームページよりご確認ください。
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