『発達障害の子の遂行機能「何度言ったらわかるの?」を「できた!」に変える上手な伝え方』

2019.08.09

 発達障害(グレーゾーン)の子どもで、日常生活や学習面で何度注意してもなぜか同じ失敗を繰り返すことはありませんか? なまけているの? わざと? と思われることもありますが、本当は、脳の機能である「遂行機能」(実行機能)の問題があるからかもしれません。

「遂行機能」(実行機能)って?

「遂行機能」とは、課題を達成するために必要な作業を実行していく脳機能のことです。たとえば、夕食にカレーを作るとしましょう。そのとき、脳の中では、

 4人分の食材を用意しなきゃ→食材をカットしたら→鍋に入れて→炒めて→煮込む→炊飯器も準備しなきゃ!……7時に食べるためには、何時から準備する?…

 など、カレーを食べるという目的のために手順を考えて実行していきますよね。

 私たちはこのように、日常生活の中で何かをしようとするときに、遂行機能を自然と使っているのです。

遂行機能に問題があるとどうなる?

 では、この遂行機能に弱さがある子どもには、どのようなことが起きてくるのでしょうか。たとえば、

・日常繰り返してきたことでも、初めて行うかのようにスムーズにできない。
・やらなくてはいけないとわかっていても、グズグズして取りかからない。
・作業に要する時間を推測できずになかなか終わらない。
・日常的に忘れものが多い。
・物があるべき場所を理解できず、部屋がごちゃごちゃになる。
・集中が難しく、ソワソワしてしまう。
・感情のコントロールが難しく、ちょっとしたことでイライラしてしまう。

などのことが起こります。
『発達障害の子の遂行機能 「何度言ったらわかるの?」を「できた!」に変える上手な伝え方』では、このような何度言っても直らない困った行動に対しての対応を紹介しています。

子どものタイプ別に問題と対応方法をわかりやすく解説

 子どもの行動の問題にはいくつかのタイプがあります。本書ではこの問題を7つのタイプに分け、タイプ別に原因と対応を紹介しています。

・なかなか取りかかれない子どもには…
  →始める時間を予告する、絵カードなどでやるべきことを示す、など
・なんでもすぐに忘れてしまう子どもには…
  →簡単な言葉でやることリストを見せる、指示の内容を復唱させる、など
・感情をコントロールできない子どもには…
  →感情の種類や強さを数値や色で表す、感情的になったときの対処法を子どもに選ばせる、など

こんなときどうする? 対応に困ったときのQ&A!

 この本では、困った行動への様々な対処を紹介しています。とはいえ、なかなかうまくいかない場面、その他の悩みなど、いろいろな問題があります。
 そこで、「ほめるところがみつからない」「かんしゃくを起こした」「担任への伝え方がわからない」など、よくある問題について、Q&A形式で解説しています。

Q ほめるところが見つかりません
Q 子どもが約束を守ってくれません
Q 親自身がルールどおりにできない場合は?
Q 「お母さんはちっとも話を聞いてくれない」と言われました
Q 子どもがかんしゃくを起こしました
Q 担任に子どものことをどう伝えたらいいかわかりません
Q いつまで子どもをサポートすればいいのかと思うと憂うつになります

失敗させない伝え方をすることで、子どもの行動が変化します

 発達障害の原因は保護者の育て方ではなく生まれながらのものだということは、世の中に知られてきましたが、それでも、きちんと教育できないのは、結局、保護者がいけないのだろうかと自責的になっていることがあります。しかし、遂行機能の問題を理解して、「こうしてほしい」「こうなってほしい」の伝え方を工夫することで、子ども自身でできるようになっていくことを手助けできるのです。

商品の紹介

■書名:『発達障害の子の遂行機能「何度言ったらわかるの?」を「できた!」に変える上手な伝え方』
■著:本多 和子
■発行:学研プラス
■発売日:2018年11月29日
■定価:本体1,512円+税

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