学校などの教育現場でも推進されているICT活用。
ICT(アイシーティー:Information and Communication Technology)活用は簡単にいうと、「パソコンやタブレット、スマートフォンなどを積極的に使おう」ということです。これからの時代には必要なことだとわかっていながらも、子どもにインターネットの利用やスマートフォンの活用をさせたいけど、どんな使わせ方をすればいいかわからない、という保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は家庭で気軽に取り組めて、かつ子どもが安全に楽しめるサイトをご紹介します。
子どもにおすすめのサイト・アプリの紹介
ICT活用で多くの保護者が心配するのが、子どもが有害な情報を目にして傷ついたり不快な思いをしないか、というものです。しかし中には、子どものことを考えて設計されたサイトや、アプリもあります。うまく利用することで、子どもの知的好奇心を高めたり、健全な使い方を学ぶ場を作ることができるので、利用してみてください。
以下に二児の子育て中で、保護者向け教育サイトを運営する私がおすすめするサイトやアプリをご紹介します。
●子どもが自分で調べられる「Yahoo!きっず」
Yahoo!きっずは、子ども向けのポータルサイトです。ニュースや学習、ゲームなどのコンテンツがあり、就学前から小中学生くらいの子どもまで、幅広い年代に対応しています。
Yahoo!きっずのポイント
先生・保護者向けページが用意されており、サイトのねらいやサービスの特徴、子どものインターネット利用について保護者が気をつけたい点などがまとめられています。
「子どもがインターネットでトラブルに巻き込まれないように、どんな対策をしたらいいのだろう?」というのが、保護者の本音です。保護者自身が子どもだった頃にはなかったものだからこそ、戸惑いもありますよね。そんな保護者の不安にまで配慮してくれている保護者思いのサイトです。
Yahoo!きっずの活用シーン
Yahoo!きっずには学習に役立つものから、気軽に楽しめるゲームまで幅広いジャンルのコンテンツが用意されています。その中で、小学校低学年の子どもを持つ私が個人的にいいなと思ったのが、「読書感想文の書き方のコツ」と「ずかん」サービスです。
読書感想文といえば、夏休みの宿題の定番ですね。読解力と文章力、また自分の意見を盛り込むスキルも必要とされる、難易度の高い課題です。
「読書感想文の書き方のコツ」では、感想文を書くための5つのステップについて紹介しています。流れにそって書いていくことで完成に近づくので、書き方で悩まずに済むでしょう。
「ずかん」というサービスでは、動物や植物が写真つきで掲載されています。文字が読めなくても内容がわかるので、子どもの興味・関心をひくことができます。
職業のずかんも用意されているので、社会にはどんな仕事があり、将来どんなことをやりたいかを考えるきっかけ作りに役立ちます。
他にも、「今日は何の日」など、子どもでも興味を持ちやすいコンテンツが多数取り揃えられています。
●子どもと一緒に取り組める話題が充実した「学研キッズネット」
学研キッズネットは、小中学生向けのポータルサイトです。「知る」「調べる」「遊ぶ」「参加する」のテーマごとに、充実したコンテンツを配信しています。
学研キッズネットのポイント
読んだり調べたりする以外に、感想を投稿したり、質問を投げかけたり、イラストを応募したりと、子どもが積極的にアクションを起こすことのできる企画が多数あります。
大人が用意する子どものための情報だけではなく、子どもの目線で発信された疑問や情報が充実しているので、子どもでも理解しやすく、楽しめます。
学研キッズネットの活用シーン
学研キッズネットを見ていて私が興味深いと感じたのは、「キッズネット調べ隊」と「100円ショップ大実験」です。
「キッズネット調べ隊」は、子ども達が掲示板に悩みや疑問を投稿し、それを見た子ども(=隊員)が解決法や自分の考えをコメントできるシステムです。インターネットを使ってさまざまな人の意見を聞くことができるので、視野が広がります。また、LINEやTwitter、Instagramなど、今やコミュニケーションの基本であるSNSの使い方を学ぶこともできます。
「100円ショップ大実験」では、100円グッズを使ってできる実験が多数紹介されています。親子で工作を楽しむもよし、夏休みの自由研究として活用するもよし。工夫次第でいろいろな遊び方にアレンジできるのが魅力です。
●動画で子どもの興味関心を高める「YouTube Kids」
幼児から児童まで、子どもの知育や学びに役立つ動画をピックアップして配信するサービスです。アニメだけでなく、昔ばなしや工作、ゲームといった、さまざまなジャンルの動画が見られます。
YouTube Kidsのポイント
どうしても手が離せないときに、子どもに動画を見て待っていてもらったことがある、という方も多いのではないでしょうか。
しかし、子どもの動画の閲覧では、子どもが触って、子どもには不適切な動画が表示されてしまったり、子どもがダラダラと長時間見続けてしまう、といった問題も起こりえます。
その点YouTube Kidsは、子ども向けでないと判断された動画は流れない仕組みになっていて、タイマー機能も搭載されています。子どもと「動画は1日1時間まで」といった約束もできますね。
また、動画検索機能のon/offが切り替えられるので、子どもが見られる動画の範囲を保護者が設定できるメリットもあります。
YouTube Kidsの活用シーン
子ども向けの動画のみとはいえ、内容は充実しています。「まなぶ」「はっけん」のカテゴリーでは虫の生態や、野菜の育つ様子などの動画を見ることができます。子どもはいろいろなものに興味を持ちます。うまく言葉で説明できないときなどは、関連する動画を調べて子どもに見せてあげることで、子どもの理解を深めることができます。検索した動画が大人向けで内容が難しすぎた、ということもないので安心です。
子どもでも安心して使えるサイトやアプリを活用しながら、まずは子どもがインターネットと上手につきあえるよう、ルール作りをしてあげましょう。子どもの成長に合わせて、親子でどんな時に、どうやって、という利用方法を確認し合っていければより安心ですね。
ご家庭でもできる「ICT活用」は他にもたくさんあります。インターネットを上手に、便利に活用しましょう。
ライター:七尾 なお
生活コラムから経済誌まで、ウェブや雑誌を問わず様々な媒体で執筆をするフリーライター。男の子と女の子の二児の母。父親向けのコラム執筆や、育児に奮闘する母親や父親向けの情報サイトの運営など、教育関連の執筆にも力を入れている。
※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。
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