2017年に発表された新学習指導要領で、2020年度から小学校でのプログラミング教育が必修になると明記されました。また最近は、タブレットを使った通信教材や学習アプリも増えてきました。
小学生や就学前のお子さまがいらっしゃる保護者の中には、「プログラミング教育の準備や、学習アプリを使ってみたいけど、タブレットとノートパソコン、どちらを使わせたらいいのだろうか」と悩んでいる方も多いと思います。そこで、タブレットとノートパソコンの違いを比較し、学齢に応じたおすすめの使い方をご紹介します。
もくじ
タブレットとノートパソコンの比較
タブレットとノートパソコンの主な違いは、操作性と使えるアプリケーションの違いです。
タブレットはタッチ操作で主要な操作を行い、ノートパソコンはキーボードとマウスで操作をします。
文字入力を伴う作業が多い場合は、キーボードのあるノートパソコンのほうが使いやすく、感覚的な操作をメインとするゲームやアプリをメインに使う際はタブレットのほうが使いやすく感じるでしょう。
また、タブレットとノートパソコンでは、メインのシステムとなるOS(基本ソフトソフトウェアのこと)が異なります。利用したいアプリケーションがパソコン用か、タブレット・スマートフォン用かで選ぶのも一つの方法です。
家での利用がメインならノートパソコン
ノートパソコンのメリットは、サイズの選択肢が多く、画面の大きなものを選べる点です。集中したいときは子ども部屋で使い、家族で一緒に使うときはリビングで使うなど、大きなサイズでも家庭内であれば、場所に縛られず利用できます。DVDドライブやスピーカーを備えているものも多く、タブレットよりも用途に汎用性が高いのがノートパソコンの特徴です。家での利用がメインの方にはノートパソコンがおすすめです。
外出時の利用が多いならタブレットを
ノートパソコンもタブレットも持ち運びができますが、一般的にはタブレットのほうが薄くて軽く、携行性ではタブレットに軍配が上がります。電子書籍を読んだり、動画を見たり、外出時も気軽に使うことができます。外出時も利用したい方にはタブレットがおすすめです。
学齢に応じたおすすめの使い方
学齢別におすすめの使用方法を紹介します。
・就学前から小学校低学年なら
就学前から低学年のお子さまには、タブレットがおすすめです。感覚的な操作で、機器に慣れることから始めましょう。
マウスやキーボードの操作は年齢の低いお子さまには難易度が高く、パソコンに苦手意識を持ってしまうことがあるからです。タブレット用のアプリの中には手軽に使えるお子さま向けの通信教材や学習アプリも多く、楽しみながら文字や数字を習得させることができます。
アプリを使う場合は時間の制限をして、決められた時間を守る癖をつけましょう。
・小学校中学年なら
この時期からタブレットとノートパソコンを併用することをおすすめします。中学年になると、授業でも、総合の時間などでパソコンを使う機会が増えてきます。大人でも、パソコンに初めて触れる方は、ローマ字入力とマウス操作に戸惑ってしまい、慣れるまでに時間がかかることがあります。授業でパソコンを使う前に、家庭でノートパソコンに触れさせて、ローマ字入力やマウス操作ができるようにしておくと、お子さまの自信につながります。
タブレットを併用する場合は、アプリの利用や電子書籍を読む際はタブレットを使う、といった使い分けもよいですね。
情報機器の操作に慣れ、いろいろなことに挑戦してみたくなる時期です。うまくルール作りをしないと、気が付いたらパソコンやタブレットに何時間も没頭してしまっていた、ということになりかねません。夢中になりすぎてしまいそうな場合は目の届く距離で使うようにルール作りをしたり、パソコンやタブレットにそれぞれ利用してもよい時間や利用する時間の長さを決め、上手に利用できるよう手助けをしてあげましょう。
・小学校高学年なら
高学年になると総合の授業に加え、社会や理科などの授業で「調べ学習」をすることが多くなります。「調べ学習」では、自分で決めたテーマに沿って、本や新聞、インターネット、聞き取りなどで調査を行います。さまざまな情報をもとに考えをまとめ、資料を作成したり、みんなの前で発表したりします。
現在小学校で使われる情報機器は主にパソコンです。スムーズに使いこなすには普段から家庭でノートパソコンに慣れておくとよいでしょう。
高学年になるとプログラミングに興味を持ち始めたり、パソコンで音楽を作りたい、というお子さまも出てきます。高度な作業が可能なアプリケーションソフトはパソコン専用のものが多いため、お子様のやりたいことによってはタブレットではなくノートパソコンを用意してあげられると良いですね。
お子さまのITリテラシーも高めていきましょう
ITリテラシーとは、一言でいえば、「情報技術を自分の目的に合わせて活用できる能力」です。これからは、タブレットやノートパソコンを自由に操作できる能力だけでなく、正しい情報を選択し、発信できる能力も必要です。
そのためには、ただお子さまにタブレットやノートパソコンを与えるのではなく、「どう使ったらよいか」を教えていくことが大切です。
日ごろから、お子さまが興味を持ったことや疑問に思ったことを、一緒にタブレットやノートパソコンで調べてみてはいかがでしょうか。その際は、キーワードの選択の仕方や、検索結果の信頼性の見極め方など、利用の際の注意点もしっかりと教えましょう。知的好奇心を育てるだけでなく、正しい情報を選択するという能力も併せて育むことが大切です。
これからの小学生は、タブレットやノートパソコンなどの情報機器を使って学習をしていく機会が多くなります。お子さまの成長と学校での授業内容に合わせて、家庭でどのような環境を整えるかが、今後、大切になっていくでしょう。
ライター:岩田園絵
プログラミングや英語、ピアノ、ゴルフなどの教室や体験学習に奔走しつつ、子育てに力を注ぐママライター。高校生と小学生の子どもと忙しい日々を過ごす。暮らし、医療、グルメなどさまざまなジャンルの記事を執筆。
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※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。
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