「浮ける」は「受ける」

信長『強運は「行動する人」だけが手に入れる』セレクション

更新日 2020.07.27
公開日 2017.11.14
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「ツイているね!」と呼ばれるような人は、「目立っている人」が多い。
 目立つということは、人からの注目を浴びているということなので、もうそれだけでほかの人たちと比べて、頭ひとつ抜けているのだ。
 その頭ひとつ抜けたところに、チャンスが引き寄せられてくる。
 だから、もしあなたが、「ちょっとツイていないな」と思っているならば、まずは、「目立つ」というところから始めてみるのもひとつのやり方だ。
 注目されることで、あなたの周りに人が集まり始めて、運も動き始めるのだ。

 私は、新人ホストの時代から「いかに浮くか?」を課題にしてきた。
 たとえば、10年以上前、ホストたちの髪型は、「とさか」のように大きめに盛ったヘアスタイルが流行していた。
 そのとき、逆に私は、ヘアサロンで、ヘアカタログの中から普通っぽい髪型を選んでお願いしていた。すると、みんなが盛ったヘアスタイル一辺倒の中、それだけで目立つことができたのだ。
 また、みんながロングヘアなら、逆に自分は短い髪にするなど、とにかく反対のパターンを選ぶことで注目された。
 服装も、黒スーツが流行っている時代なら、あえて白いスーツを選んでいた。
 今はカジュアルなスタイルが多い時代なので、逆に、カッチリしたスタイルに蝶ネクタイを合わせたりしている。
 とにかく、周囲の中で「いかに浮くか」が、私の戦略だったのだ。
 もちろん、「浮き方」には、綿密なリサーチが必要だ。
 いくら「浮く」とは言っても、女性に好まれるファッションやヘアスタイルの中での選択は必要になってくる。
 そのうえで、この「浮くくらい目立つ」という作戦を取ったおかげで、お客様にも覚えていただき、いろいろなチャンスも巡ってきたのだ。
 考えてみれば、この業界に入るときに、「信長」という名前をつけたのもそうだ。
「信長」なんていう名前は、当時の歌舞伎町にはいなかったので、大いに目立ち、名前を覚えてもらえた。
 
 おかげさまで、そんな浮きまくっていた時代には、こんなエピソードもある。
 あるとき、仕事が終わり、歌舞伎町のバーでスタッフと飲んでいたときのこと。
 1人の女性から、「あなた、信長だよね?」と声をかけられた。
「はい! でも、どうして私のことをご存じなんですか?」
 そう尋ねたら、「ホストの雑誌を見ていたから。あなたの名前は目立っていたし、いつも白スーツを着ていたから覚えているわ」と答えてくれたのだ。
 そんな縁で、その方は後日お店に来て、シャンパンを入れてくださった。

 究極的な話をすれば、私のホストという職業自体も浮いているのだ。
 ホストによくないイメージを持つ人もいるけれど、一方で、「面白そう!」と思ってくださる人たちもいる。だから、私はあえて同業の集まりではなく、異業種の集まる場所に顔を出している。
 特に、一般のビジネスマンが多く集まる場所に行くと、ホストというだけでものすごく珍しがられ、質問攻めにあい、その場で、ちょっとした「目立つ人」になる。
 そんな浮きっぷりが、その後のビジネスに結びついたことは、1度や2度ではない。
 金融系の人たちの集まりで、「ホストクラブに行ったことはないんだけれど、こうして直接会うと安心だね」と言われ、そのままお店に来ていただけたこともある。
 幼稚園の園長先生たちが集まる50人くらいの会で、コミュニケーションについて講演をさせていただくことになったこともある。
 
 セルフプロデュースの大切さは、いろいろなところで説かれている。
 でも、みんなと同じプロデュースでは、誰からも注目されない。
 だから、「あなた」という存在を表現するネーミングからファッション、外見や話す内容までを含め、そのシチュエーションにいて「どれだけ浮けるのか」ということを考えるのだ。
「周囲から浮いているかも……」と悩んでいる人もいるが、「浮いている」としたらそれはチャンスだ。
「浮ける」ということは、「受ける」のだ。
 だから、悩まなくていい。
 それより、「今の私は、きちんと浮いているだろうか?」と、自分に問いかけよう。
 もちろん、「受ける浮き方」を心がけるのだ。

 (※この連載は、毎週火曜日・全8回掲載予定です。次回は11月21日掲載予定です。)

 

信長 (のぶなが)

新宿・歌舞伎町のホストクラブ「Club Romance(クラブロマンス)」代表取締役。ビジネス書作家、講演講師など多彩に活躍。1979年生まれ。東京都出身。早稲田大学教育学部卒業。学生時代から家庭教師、塾講師の傍ら、ホストの道に入る。当初は体重90kg以上で女性とまともにコミュニケーションができず、指名もゼロが続いたが、入店4か月目で初めての指名を取ると、一気にナンバーワンとなる。その後、歌舞伎町の有名店「Club Romance」に移籍。現在まで通算28回ナンバーワンを獲得。著書に『歌舞伎町トップホストが教えるシャンパンタワー交渉術』(講談社)、『いい女はドMが9割』(カシオペア出版)、『歌舞伎町No.1 ホストが教える 選ばれる技術』(朝日新聞出版)、『成功は「気にしない人」だけが手に入れる』(秀和システム)、『斎藤一人 人間力』(信長出版)があり、中国、台湾でも翻訳出版されている。テレビ、ラジオの番組、雑誌にも多数登場。 趣味は1人旅。
■公式サイト http://www.r-nobunaga.com/
■Facebook https://www.facebook.com/nobunaga123
■ブログ https://ameblo.jp/r-nobunaga/

 

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