自分の声の違和感の正体を探る② 生活習慣の問題

浜田真実『9割の人が知らないプロの常識で説得力のある声をつくる』セレクション

更新日 2020.07.20
公開日 2017.08.24
  • Facebook
  • LINE
  • Pinterest

 発声は声帯を中心にしたノドの周辺だけではなく、身体全体を使います。身体全体がバランスよく使えていることや、生活習慣なども声に影響を与えますので、ご自分の生活リズムを見直してみることも助けになります。

●声がこもる・何度も聞き返される・声を出すと疲れる

 声のエネルギーは呼吸です。声が小さい、元気がない、暗いなどの印象を持たれやすい人は、呼吸が浅くなっています
 呼吸が浅くなる原因はさまざまで、運動不足や疲労、内臓の不調も一因となります。暴飲暴食などで胃腸が弱っていると、胃と肺の間を横断する筋肉、横隔膜(呼吸をするときに使う筋肉)を含む呼吸筋(呼吸をサポートする筋肉群)の動きが制限されて、呼吸が浅くなります。また胃にガスが溜まりやすいと、ガスが逆流することで声帯が炎症を起こして、咳込むことや声がかれやすくなります。
 その他に、目、耳、鼻、皮膚、舌は、外の世界の刺激をキャッチする感覚受容器ですが、それらが疲れてくると、インプットがしにくくなりアウトプットにも影響が出ます。

➡対処方法

 私たちが寝ているときは、声帯も一緒に休んでいます睡眠不足が続くと声帯にも疲労が蓄積されて声が出にくくなりますので、休養や睡眠は充分にとりましょう。大事なスピーチやプレゼンの前には、胃腸の調子を整えて、早めに就寝してください。

 歌手や声優、俳優など声を使って表現をするプロたちは、本番の前に「何を」「どれくらいの量」食べるかということも意識しています。お腹が空いた状態だとパワーのある声は出せませんし、満腹だと横隔膜が動きにくくなり声は出しづらくなります。
 胃腸や口、舌、歯の状態なども仕事のクオリティーに関わるので、自分の身体に合った食事のとり方やケアのためのマイルールを、それぞれの人たちが持っています。
 質の高い仕事をするためには当然のことですが、声の表現のプロでなくても、生活のリズムを整えるのは、あなたのさまざまな側面に関わってきますので、上手にコントロールしてください。

(※この連載は毎週木曜日・全8回掲載予定です。次回は、8月31日掲載予定です。)

 

浜田 真実 (はまだ まみ)

ボイスバランストレーナー。マミィズボイススタイル主宰。 歌と朗読と言葉をつむぐ・まほろカンパニー代表。
勝新太郎氏主宰の「勝アカデミー」、TBS「緑山塾」などの俳優養成所を経て、テレビ、舞台、映画などに出演。1987年、シャンソン、カンツォーネを中心にしたレパートリーで歌手デビュー。東京都内のライブハウス、銀巴里、渋谷ジァンジァンなどにレギュラー出演する。2004年、心と身体をつなぐ総合ボイストレーニングクラス「マミィズボイススタイル」をオープン。呼吸法・心理学・歌・朗読・ダンスなどを取り入れた独自のボイストレーニングプログラムを考案。「ボイスバランスメイキング」「ケアボイスワーク」と名付けられたメソッドは、コミュニケーションと声を自由にし、心と身体を豊かに育むと、教育機関・ビジネス研修・福祉施設のデイケアプログラム・セミナー・講演などでも高い評価を得ている。

■マミィズボイススタイル
http://koetokokyu.com/

■まほろカンパニー
http://mahoro.jp.net/

 

作品紹介

9割の人が知らないプロの常識で説得力のある声をつくる
コミュニケーションに自信がつく自然な発声と話し方のコツ

声のプロは耳と目を上手に使って発声しています。少し勇気とプロのコツで声を磨き、声をコミュニケーションの武器にしましょう。

定価:1,400円+税/学研プラス

バックナンバー

  • Facebook
  • LINE
  • Pinterest

あわせて読みたい