仕事が速い人は「ダメ元」でやってみる 仕事が遅い人は「どうせダメ」と諦める

午堂登紀雄『仕事が速いお金持ち 仕事が遅い貧乏人』セレクション

更新日 2020.07.20
公開日 2016.09.09
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 仕事が速い人というのは、拒否されることを恐れません。
 そのため、ちょっと気になったこと、頼みたいことがあったら、ダメで元々、つまり「ダメ元」で気軽に声をかけることができます。

 見積もりが高いなと感じたら、「もうちょっと安くなりませんかね?」とか、かなり 無理な納期にもかかわらずさらに納期短縮してほしいときなども、無理を承知で「すんません! もうちょっと早くなりませんか?」などと聞いてみます。
 忙しそうな部下や後輩にも、「忙しいところ悪いんだけど、これやってもらえないかな? 無理ならいいんだ、気にしないで」と「ダメ元」でお願いします。
 未経験の仕事でも、「とりあえずやってみよう」という姿勢で貪欲にチャレンジできます。「無理そう」などと自分で線引きすることがあまりありません。

 彼らがなぜ「ダメ元」で挑戦できるかというと、3つの視点を持っているからです。
 ひとつ目は「言ってみるだけならタダ」「頭を下げるだけならタダ」という、現実的かつ合理的な視点です。

 2つ目は、仮に拒否されても、提案内容が否定されただけで、自分の人格まで否定されたなどとは捉えない発想ができる視点です。
 たとえば「もうちょっと安くならないか」が拒否されたとしても、その値段では折り合いがつかないということで、自分の人間性とは関係ありません(もちろん、無茶な値引き要求をすれば「頭おかしい」と思われるでしょうが)。
 仕事をお願いして断られても、関係が悪い相手であれば別ですが、物理的に時間や手間が取れない場合がほとんどでしょう。

 3つ目は、「それによって何が起こるか」を具体的に想像するという視点です。やってみてうまくいかないとき、「どんなリスクがあるか」が想定できれば、恐怖感は減ります。
 たとえば、
「これをやってダメでも、お金がこれくらい損するくらいだ。ならやってみよう」
「うまくいかなくても、上司からちょっと注意されるくらいだろう。最悪は始末書を書けばいい」
 などと自分に及ぶリスクとその回避方法や対処方法を想定するから、気軽に挑戦でき、結果としてより多くの経験を積んでスキルや能力が高まるのです。

●そのリスクは本当に「大変なもの」なのか

 仕事が遅い人はこの逆で、「これを言ったら失礼かな」「こんなこと言いにくいな」と躊躇します。また、自分の提案や意見が否定されたら、自分の全人格を否定されたように感じ、傷つくのを恐れます。
 彼らはプライドが高過ぎて、「こんなこと言ったら、こう思われるんじゃないか」と他人の目を必要以上に気にしてしまうのです。
 そのため、自分に不利な条件をそのまま飲んでしまったり、自分で抱え込んだりしてしまいます。

 また、「やってみたあとのこと」を詳細に予測する想像力も欠けています。「ハイリスクだ」というだけで思考が停止し、そのリスクはどの程度か、どのくらい自分にダメージを与えるか、回避方法や対処方法はないか、といった影響を具体的に考えられない。
 先行きの見えない未経験の仕事を恐れ、うまくいくとわかっているものしかやろうとしません。だから成長もありません。

 このように、「ダメ元」思考があるかどうかで、目の前の仕事のスピードから、将来の伸び代まで、大きく変わってしまいます。
 そこで、前述の3つの視点を自分にインストールすることで、ダメ元で何でも気軽に言える、やれる、その結果仕事が速くなる体質に変換していきたいものです。

午堂 登紀雄 (ごどう ときお)

1971年岡山県生まれ。米国公認会計士。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、大手流通企業のマーケティング部門を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームのアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。2006年、著書『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)がベストセラーとなる。同年、不動産投資コンサルティングを行う株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。経営者兼個人投資家としての活動のほか、出版や講演も多数行っている。『お金の才能』(かんき出版)、『頭のいいお金の使い方』(日本実業出版)、『オキテ破りのFX投資で月50万円稼ぐ!』(ダイヤモンド社)、『日本脱出』(あさ出版)ほか著書多数。

 

作品紹介

仕事が速いお金持ち 仕事が遅い貧乏人

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