15点でも出世する人、 100点でも出世できない人

心屋仁之助『がんばらない成長論』セレクション

UPDATE 2020.07.21
公開日 2016.04.26

 ある会社のある部署に、10人の社員がいたとしましょう。
 100点の社員もいれば80点、50点の社員もいます。そして最下位には15点の社員がいました。
 組織として見れば、15点しか業績を上げられない社員は一見、「お荷物」です。
 では、仮にその15点の人がクビになったとして、その後、何が起こると思いますか?
「お荷物」がいなくなったことで、その部署の業績は上がる……のではありません。
 どういうわけか、今まで50点だった人が15点に下がって、いなくなってよかったはずの15点の人の立場になってしまうのです。
 今度はその人がクビになったとしても、また同じことが起こります。こうしてつねにこの部署には「15点の人」がいる、という状況になるのです。
 不思議ですが、集団というものには、こういう見えないメカニズムが働いているみたいなんです。それが「バランス」なんですね。

「これが自分の成長の話と何の関係があるの?」と思ったかもしれませんね。
 ではここで、もっとおそろしい事実をお伝えしましょう。
 15点の人が何人クビになっても、誰かがつねに15点のポジションにいる、その部署で、人事異動があったとします。
 そこで、いいポジションにつくのは当然、100点の社員。

 ……かと思いきや、なぜか成績の悪い人、しかも15点の人がひょいっと持ち上げられることが、じつはけっこうあります。

 業績が悪い人のほうが持ち上げられるなんて、なぜ、こんな矛盾したことが起こるのでしょう。
 理由は、ただ一つ。
 人事を行うのはあくまでも「人」であり、業績よりも「人」として好きかどうか、感じがいいかどうかが、けっこう影響するものだからです。

 がんばって、がんばって、100点を維持してきた社員は、きっと思うことでしょう。
「自分のがんばりはなんだったんだろう」「がんばったのに報われないなんて、理不尽だ」と。
 でも、たとえ業績は15点でも、卑屈にならず、楽しく、周囲ともいい感じで仕事をしているのなら、その人のほうが上に立つにふさわしいといえます。
「成績がよくて感じの悪い人」より、「成績が悪くても感じのいい人」のほうを持ち上げたくなるのが、人情というものなのです。
 成長、ということで言えば、一生懸命にがんばって業績を上げることは、いわば「外側の成長」です。
 一方、「自分という人間は15点でも大丈夫」と思えるようになることは、じつは「内側の成長」なのです。
 そして、前者と後者、どちらのほうが思いもよらぬ成長をとげるのか、そしてより大きな幸せを得るのかといえば――。
 もうおわかりですね、それは圧倒的に後者なのです。つまり、この人は外側では15点に見えるけれど、別の視点では120点ということなのです。

 

心屋仁之助  (こころや じんのすけ)

心理カウンセラー。個性を生かして性格を変え、自分らしく生きるための手助けをする「性格リフォームの匠」として、テレビ出演でも話題になる。

大手企業の管理職として働いていたが、自分や家族の問題がきっかけとなり、心理療法を学び始める。現在は京都を拠点として、全国各地でセミナー、講演活動やカウンセリングスクールを運営。

その独自の「言ってみる」カウンセリングスタイルは、たったの数分で心が楽になり、現実まで変わると評判。現在は個人カウンセリングは行っていないが、スクール卒業生により全国各地で心屋流心理学のセミナーやボランティアでのグループカウンセリングが広く展開されている。

■公式ホームページ「心屋」で検索

http://www.kokoro-ya.jp/

■公式ブログ「心が 風に、なる」

http://ameblo.jp/kokoro-ya/ 

 

作品紹介

がんばらない成長論

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