最高峰のエリートは「強い自分」を演出していた

森若幸次郎『ハーバードのエリートは、なぜプレッシャーに強いのか?』セレクション

更新日 2020.07.31
公開日 2016.03.16
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 私の実家は、山口県下関市で医療機器開発・販売を営んでいます。私はシドニー大学で学んだあと、父の会社に新入社員として入社し、社会人としての経験を積み、ハーバードに興味を持った当時はすでに経営に携わるようになっていました。
 そのため、取得まで2年を要するMBAで同世代の若者たちに混じってじっくり学ぶ時間的な余裕がありませんでした。何より、リーダーシップに特化したPLDのクラスは、私が学びたかったことにぴったりでした。
 
 主に40代のエリートが集まるハーバードのPLDに、まだ20代だった私は、12ページにもわたる熱い想いをつづり、志願書を送りました。
「私には世界企業を作って経営したいという夢があります」
「私が世界を変えていくリーダーに必ずなります」 
 しばらくすると、ハーバード側からレスポンスがありました。
 そして、入学が許されることになったのです!

 ハーバード入学のハードルは非常に高く、誰もが私の入学を不安視していました。
 でも、一つだけ確実なことがありました。
 それは、私が本気でハーバードに入ろう、入れる、と強烈に信じていたことです。
 私は、「このまま終わりたくない」という焦りと、「世界を変えたい」という熱い想いで毎晩眠れなくなるほどの日々を過ごしていました。
 この本を手に取ったあなたには、この気持ちがきっとわかっていただけるはずです。
 自分には、決定的な何かが足りない。自分には、もっとふさわしい居場所がある、まだまだ能力を発揮する余地がある、でも、何をどうしたらいいのかわからない……。
 あなたにも、そんな気持ちがあるのではないでしょうか?

 世界中から集まってきたエリートたちと対等に議論できるだろうか、仲間として認めてもらえるだろうか……。
 実際にハーバードに向かう前は、入学して一瞬で脱落してしまうのではないかと、不安で仕方がありませんでした。
 実際、ハーバードに学びに来ていた人たちは、みんな優秀でタフで、常に前向きで プレッシャーをものともせずにハードな課題を乗り切っていました。
 しかし、彼らと深く付き合っていくうちに、わかってきたことがありました。それは、みんなプレッシャーに強い自分を「演出」していたということです。
 結局は私も彼らも同じ人間だったのです。
 最初は私と同じように、みんな多かれ少なかれ不安やプレッシャーを感じながらハーバードにやって来ていたと思います。けれども、彼らはそれぞれが背負っている夢や目標のために必死に自分を奮い立たせていました。
 そうやって自分を極限まで高めようとする人たちが知識と情報を共有し合うことで、相乗効果によって、本当にプレッシャーに強く、よりタフな人間に成長していったというわけです。
 そんな彼らに全力でぶつかっていった私は、気づけば自然に対等な議論ができるようになっていました。同時に、深い友情を結べるようにもなっていたのです。

 

森若幸次郎 (もりわか こうじろう)

株式会社シリコンバレーベンチャーズ 代表取締役社長CEO
株式会社モリワカ 専務取締役CIO
実業家・イノベーションプロバイダー。
ハーバードビジネススクール/エグゼクティブMBA(PLD:Program for Leadership Development)を日本人最年少で修了し、スタンフォード大学経営大学院でM&A、シドニー大学で経営学を学ぶ。現在、国内外の企業20社以上の経営に従事。米国シリコンバレー、デンマーク、アジア諸国を中心に宇宙・医療・教育・芸術産業の活性化を推進し、各地でイノベーション創出を目的としたワークショップやリーダーシップセミナー等を開催している。

 

作品紹介

ハーバードのエリートは、なぜプレッシャーに強いのか?

ハーバードビジネススクールの頂点「エグゼクティブMBA」の日本人・最年少修了者が「超一流のマインドセット」を大公開!
定価:本体1,300円+税/学研プラス

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